イノバン・ドプトレックス

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看護師に嫌がられない組成と流量の出し方

ドブトレックス(ドブタミン) 5ml=100mg
ノルアドレナリン(ノルエピネフリン) 1ml=1mg
ボスミン(エピネフリン) 1ml=1mg
プロタノール-L(イソプレナリン) 1ml=0.2mg

(例) 1μg/kg/分=1ml/時にするために希釈方法を体重別に変えます  

    イノバン/ドブトレックス  生理食塩水で希釈したトータル量
 40kg    120mg            50ml
 50kg    150mg            50ml
 60kg    180mg            50ml
 70kg    210mg            50ml

投与方法:γの決め方
(体重x3)mgの溶質を、50mlの溶液にすると、1ml/hr=1γとなります。(体重x3)mg/total 50mlの時、1γ=1ml/hrです。実測体重ではなく、標準体重を用います。
体重50[kg]の人に、150[mg]の薬剤を生食に溶いてを100[ml]にすると、1[γ]になる流量は1[ml/h]。
ICUにいる場合、シリンジ交換の回数も増えるので、適切な速度・組成を決定します。速度が早いとシリンジ交換の回数も増えるので
適切な組成、流量の組み合わせを決定しなければなりません。

カテコールアミンは細胞の受容体に結合して作用しますが、受容体にはαとβの2種類があります。血管にはα受容体、心臓にはβ受容体が存在します。
ノルアドレナリンは、血管のα受容体と結合し血管を収縮させます。
α受容体にはα1とα2とがあります 。
β受容体にはβ1、β2、β3の3種類が知られていますが、心臓にはβ1が、血管にはβ2が多く存在しています。
交感神経作動薬の作用・・・
α作用 →α1受容体に作用し、末梢血管を収縮させる作用
β1作用→β1受容体は主に心筋に分布し、心拍数を増加させ、心収縮力を強める作用(陽性変力、陽性変時作用)
β2作用→β2受容体は血管や気道に分布し、末梢血管の拡張作用と気管支拡張作用

画像の説明

イノバン・ドブトレックス強心薬としてよく使われているのはこの2剤である。
特にイノバンはドパミン受容体刺激作用(2μg/kg/分以下から)に
よる利尿作用があるため、頻用されているお薬である。

【イノバン Inovan】1A=100mg/5ml 一般名塩酸ドパミン(dopamine)=DOA
内因性カテコラミンであり、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)の前駆物質。
ノルエピネフリン遊離による陽性変力作用(心筋の収縮性を強める作用)を有する。
ドーパミン受容体、β受容体、α受容体を刺激する。

血圧の上昇と心拍数の上昇は心筋酸素需要を高めるので心筋保護という面では良くない。
急性心筋梗塞では、心筋酸素消費量の増加や虚血の促進というデメリットがある

75%がMAOにより代謝。
最大効果は5分、効果持続は10分、半減期は約2分。
75%が肝、腎、血漿で代謝を受け、25%がノルエピネフリンに変換される。

低用量(2~5γ)ドパミン効果として利尿作用を期待
0000腎動脈、冠動脈の拡張を起こし、利尿作用がおこる。
0000心臓、末梢血管には殆ど作用しない。
中用量(5~10γ)β>α 
β1作用(心収縮力増加、心拍出量増加)により心収縮が増大し、
α作用(末梢血管収縮)が加わることで血管抵抗が増大し腎血流も減少する。
高用量(10~γ)α>β
α受容体刺激効果(末梢血管収縮)があり末梢血管を収縮させ血圧を上昇させる。
腎血管も収縮し利尿作用は消失、心拍数増加する。
消化管系への循環不良からくる「麻痺性イレウス」に注意。

【ドブトレックス Dobutrex】 1A=100mg
一般名ドブタミン(dobutamine)=DOB。イソプロテレノール類似の合成薬物。
ドブタミンは合成カテコラミンであり、強力なβ1刺激作用をもつ。α作用は軽度であり、血圧を上げる作用が弱いこと、脈拍を上げる作用が弱いことから、強心剤の第一選択薬である。
(血圧が上がると後負荷が増大してしまうし、頻脈は虚血性心疾患には大敵)
高用量10γ以上の投与にならないと十分な血管収縮は起こりにくいと考えられている。
通常は5γから開始し20γまで増量可能である。心臓の酸素消費量がドパミンほど増加しない、不整脈の発生頻度が低いことから虚血性心疾患で好まれる。

特徴:心拍出量をあげる。しかし、血圧自体は下げるが血圧低下はほとんど起こらない。
陽性変力作用(心筋の収縮性を強める作用)では常にDoAを上回る。
心筋の酸素消費量、そして心拍数の増加はDoAより少ないと考え、心筋保護の面では有利である。末梢血管拡張作用があり、肺うっ血などの改善に役立ち右心不全に有効なことが多い。
不整脈作用は少ないと考えられている。

【DOAとDOB併用療法】
DOA:DOBが1: 1~2で併用することはよくある。
低用量ドパミンと中用量ドブタミンの併用によって利尿と強心作用が得られる。
合計量が20γを超えないように留意する。

2μg/kg/分以下ではβ受容体刺激作用(心収縮力増加、心拍出量増加)が強くなり、
5μg/kg/分以上ではα受容体刺激作用(末梢血管収縮)が優位になってくる。

一般に投与量はイノバン・ドブトレックスとも1~5μg/kg/分、
最大20μg/kg/分である。

参考
・陽性変力作用   心筋の収縮性を強める作用
・陰性変力作用   心筋の収縮性を弱める作用
・陽性変時作用   心拍数を上げる作用
・陰性変時作用   心拍数を下げる作用

Hemodynamic Drug Infusions
循環・血管系作動薬で、必ず出てくるのがガンマ計算 で、1γ=μg/kg/minのことです。実測体重ではなく、標準体重を用います。

これを5γで使用したいとしましょう。

イノバン1A(アンプル):100mg/5mlの製剤があります。
イノバン3Aを生食35mlで溶解すると(計50mlになります)300mg/50ml、
すなわち、6mg/mlと同じことです。6000μg/mlになります。
m(ミリ)は 1/1000 、μ(μ)は 1/1000000 ですから、

これをγという単位に直すには、体重で割ります(/kg)
理想体重50kgとすると6000μg/ml/50kgで、120μg/kg/mlとなります。

時間あたりの投与量を分で出したいので(1時間は60分)、60minで割ります。
120μg/kg/60min/mlすなわち2μg/kg/min(=γ)/mlは2γ/mlになります。
この濃度のイノバンを1時間当たり1mlで投与すると2γになります。
5γ投与したければ2.5ml/hの投与速度となります。

同じように計算すると
イノバン 3A+生食85ml(計100ml)だと1ml/h=1γになる。
プレドパ注600mgやカタボンHiは3%製剤で600mg/200mlなので1ml/h=1γになるようにあらかじめ調剤してくれてあります(上記のイノバン3A+生食85mlと同じ濃度)。
カタボンLowは1%製剤で200mg/200mlなので3ml/h=1γ。
要するに3%製剤を作れば1ml/h=1γになります。

【プレドパ】
プレドパ注200は1袋200ml中にブドウ糖10g,ドパミン塩酸塩を200mgを含有する。
プレドパ注600は1袋200ml中にブドウ糖10g,ドパミン塩酸塩を600mgを含有する。
通常1分間あたり1~5μg/kgを投与し病態により20μg/kgまで増量できる。
本剤はブドウ糖を含んでいるのでブドウ糖の投与が好ましくない場合は他の希釈剤で希釈したドパミン塩酸塩を使用する。
麻痺性イレウスや四肢冷感が出ることがある。不整脈が出た場合は減量や中止する。

       3    5~7    10μg/kg/分
40kg200   7.2  12.0~16.8   24.0
40kg600   2.4   4.0~ 5.6   8.0ml/時間
50kg200   9.0   15.0~21.0   30.0
50kg600   3.0   5.0~ 7.0   10.0
60kg200   10.8  18.0~25.2   36.0
60kg600000 3.6   6.0~ 8.4   12.0

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画像の説明
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使用上の注意
1.末梢血管障害のある患者(糖尿病、アルコール中毒、凍傷、動脈硬化症、レイノー症候群、バージャー病等)
2.未治療の頻脈性不整脈または心室細動の患者
3.擬糖尿病および糖尿病の患者〔ブドウ糖含有製剤のため、血糖値が上昇するおそれがある。〕他の希釈剤で希釈したドパミン塩酸塩を使用する。

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