不明熱の鑑別

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不明熱について

動静脈血培養の目安
体温38.5℃以上血液培養をしたほうが良い。
悪寒悪寒戰慄血液培養をしなければならない。
悪寒   血液培養をしたほうが良い。
さむけ  血液培養をしなくて良いかもしれない。
末梢の白血球数
≧20,000 血液培養をしなければならない。
<20,000,_≧13,000 血液培養をしたほうが良い。
<13,000 採血をしなくて良いかもしれない。

不明熱に対する経験的治療における抗生剤の選択
1. 広域スペクトルのもの
2. 抗菌力が強いもの
3. 殺菌力をそなえているもの が期待できるもの
4. 安全性が保証されているもの
5. 感染病巣へ移行する程度が大きいもの
6. 数種類の抗生剤の併用によって相乗効果

6条件を満たす可能性のある抗生剤:β-ラクタム系、ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、モノバクタム系、アミノ配糖体系、ニューキノロン系、マクロライド系、など抗生剤を選択し、約72時間使用して効果を評価、有効であれば継続、無効であれば増量するか、別の抗生剤に切り替える。病原体については通常細菌ばかりでなく、ウイルスや真菌をも考慮しなければならない。

ステロイド療法 
副腎皮質ステロイドは不明熱の主要な基礎疾患である結合織病・膠原病や血管炎疾患群に重要な治 療薬であるが、そればかりではなく、他の基礎疾患、あるいは基礎疾患が診断できない不明熱の場合でも、その使用を檢討してみる価値がある。
一例として、副腎皮質ステロイドは器質化肺炎をともなう閉塞性細気管支炎(BOOP)、好酸球性肺炎、過敏性肺炎、間質性肺炎、肺癌にともなう閉塞性肺炎、エンドトキシン・ショックを呈する呼吸器感染症、呼吸不全を呈する肺炎などに有効である。
しかし、そのほかに、肺炎で問題の陰影がいつまでも吸収されずに遅延して微熱が続く場合、あるいは不明熱でその基礎疾患を診断するに至らず、なお発熱が続いている場合でも、ステロイド剤の使用を検討してみる価値はある。
これには内外にわたって賛否両論はあるが、以下の条件付きでステロイド剤を使用する。
 
感染症に対する副腎皮質ステロイドの作用には、有利な作用と不利な作用とあり、使用が長期になるほど不利な作用が現れる割合が高くなる。
したがってこのような時には、使用は7日間を限度として、8日目に一度立ち止ってステロイド剤の効果と副作用について検討する。
発熱は生体防御の一環である。
特発性細菌性腹膜炎の患者では、診断された時点で体温が38℃以上ある患者は38℃以下の患者より生存率が高い。また発熱の程度と熱型は基礎疾患診断の基準になるから、むやみに解熱剤を使って熱を下げないほうがよい。
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不明熱の鑑別

原因不明の発熱の鑑別診断

高頻度    中頻度    低頻度    
亜急性心内膜炎、腹腔内膿瘍、
結核、歯根膿瘍、
悪性リンパ腫、腎臓癌、
大腸癌、成人スティル病、
高安病(若年)、側頭動脈炎
(高齢)、
リウマチ性多発筋痛症(高齢)、
結節性多発動脈炎(中高年)、
薬剤熱 、アルコール性肝硬変
自己炎症性症候群
EBウイルス、CM
(サイトメガロ)、
肝臓悪性腫瘍、白血病、
高齢発症関節リウマチ、SLE、
顕微鏡的多発血管炎、CSS
甲状腺機能亢進症、
クローン病 
慢性副鼻腔炎、脊椎骨髄炎、
乳頭洞炎、脳腫瘍、
心房粘液腫、Wegener肉芽腫症、
肺塞栓、視床下部機能障害

参考
粟粒結核
不明熱の約2%は粟粒結核との報告もある。感染してから画像上に出現するまで約3週間を要する。
65歳以上のツ反は陰性であることが多く粟粒結核の陽性率は36~50%である。ALPの上昇は肝臓の結核病変の存在を示す。
粟粒結核の死亡率上昇の危険因子はTP,ALB,Pltの低下,WBCの上昇、高齢、男性、X-P上での粒状陰の欠如などがある。
結核の易感染性宿主として糖尿病、胃切除、腎透析、AIDS、高齢者、ステロイドや免疫抑制剤使用、悪性腫瘍などがある。
結核感染防御は細胞性免疫によって担われておりT1関連サイトカイン(INF-γやIL-12)が中心的役割を果たしている。

40度以上の不明熱の鑑別・・・1994年New England Journal of Medicine(NEJM)

発熱と多関節炎の鑑別診断(NEJM 330:769-74, 1994)
(この鑑別は、もちろん完璧なリストではありません)

  • [I]発熱40度
    • 成人スティル病
    • 細菌性感染性関節炎(化膿性関節炎)
    • SLE
  • [II]発熱の後に関節炎発症
    • ウイルス性関節炎
    • 反応性関節炎
    • 成人スティル病
    • 細菌性心内膜炎
    • ライム病
  • 不明熱の除外診断
    感染症ではウイルス感染症、敗血症、伝単、感染性心内膜炎、深在性膿瘍など悪性腫瘍では悪性リンパ腫
    ホジキン病、結合織病では結節性多発動脈炎、悪性関節リュウマチ、血清反応陰性脊椎関節症など
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    診断の盲点になりやすい発熱の原因―診断過程の前後における除外診断の対象
  • 惡性新生物における発熱 
  • 医原性の発熱
  • 薬物熱
  • 挿針・挿管による発熱(カテーテル熱)
  • 体内埋没異物による発熱(人工弁、人工関節など)
  • 輸血後の発熱
  • 非医原性の発熱
  • 月経前発熱、妊娠熱
  • 被覆された甲状腺機能異常(masked hyperthyroidismを含む)
  • 心不全にともなう発熱
  • 肝機能障害にともなう発熱(特発性細菌性腹膜炎)
  • 褥瘡その他
  • 指定安静度に対する違反
  • 詐病と詐熱
  • 心因性発熱
  • 再興感染症

 ⑴全患者の約73%は感染症(29%)、結合織病・膠原病(19%)、悪性新生物(14%)、血管炎疾患群(11%)で、他の報告と同様に感染症、結合織病・膠原病、および悪性新生物の三つの疾病群が主要な基礎疾患である。
 ⑵成人スティル病、組織球性壊死性リンパ節炎、リウマチ性多発筋痛症がそれぞれ約11,5,および3%に見出されている。
 ⑶結核が不明熱患者全体の中で約8%、感染症の中では25%を占めている。
 ⑷不明熱診断の盲点になりやすい薬物熱と詐熱がそれぞれ約2%と3%に見出されている。
 ⑸最終段階まで原因が明らかでなかった患者が約13%ある。

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再興感染症

  • 細菌感染症
      ペスト、ジフテリア、コレラ、劇症型A群連鎖球菌感染症、百日咳、サルモネラ症、炭疽症、結核、など
  • ウイルス感染症
      デング熱、黄熱病、狂犬病、など
  • 耐性菌感染症
      MRSA感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、バンコマイシン低感受性黄色ブドウ球菌感染症、基質拡張型
      β-ラクタマーゼ産生グラム陰性桿菌感染症、多剤耐性結核菌感染症など
  • 真菌感染症
  • マラリア

ライム病

Lyme diseaseライム病(Lymeはコネチカット州の海浜名)はスピロヘータの一種であるBorrelia Spirochetaetaceaeボレリアの感染に起因する人・動物の共通感染症で、病原体Borrelia rgdorferiを保菌しているマダニに刺されることによって感染します。
人への感染は、ライム病の菌に感染したダニが皮膚を刺し、1〜2日付着したままになっていることで起こります。ヒトからヒトへの感染、動物からの直接感染はありません。
本州中部以北(北海道、青森、福島、静岡、長野)に分布するマダニの活動期(主に春から初夏、および秋)にダニが刺した部位で菌が増殖し、3〜32日間かけて周囲の皮膚へ広がり、血流に乗った場合は離れた臓器や皮膚にも広がります。
IFA (間接蛍光抗体法)やELISA(酵素抗体法)などの特異抗体を検出するには感染後の日数を考慮して複数回行う事が肝要である。

日本ではボレリア・ガリニが主な病原体となっています。

  • 感染初期(第1期)
    一般的にマダニの刺咬部を中心とする遠心性の遊走性紅斑が数日から数週間後に現れることがあります。
    これと同時に筋肉痛、関節痛、頭痛、悪寒などの症状がみられることもあります。
  • 播種期(第2期)
    遊走性紅斑に加え、神経症状、心疾患、眼症状、軽度の関節炎がみられることがあります。
  • 晩期(第3期)
    晩期ライム病の約半数に関節炎が生じ、膝のような大きな関節の腫れと痛みが数年にわたって繰り返し起こります。
    ライム病性関節炎を患う人の約10%には、膝の症状がしつこく残ります。
    感染成立から数カ月~数年後、播種期(はしゅき)の症状に加え、重い慢性関節炎、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性脳脊髄炎がみられるようになります。
    一般的には重症化しない傾向にあるようです。
  • 治療
    ライム病は、どの段階でも抗生物質が有効で,感染初期であれば、ドキシサイクリン、アモキシシリン、ペニシリン、エリスロマイシンの服用が有効です。
    重い神経症状がある場合は、抗生物質を静脈内投与します。
    治療期間は3〜4週間です。
    晩期ライム病でも抗生物質で菌を一掃することができるので、大半の場合はそれで関節炎の痛みは治まります。
    しつこい痛みに悩まされるケースには、アスピリンやイブプロフェンのような非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で腫れた関節の痛みを取ります。
    子供
    Penicillin,Amoxicillin,Josamycin,Erythromycin 50mg/kg/day 経口14日間
    大人
    • 皮膚症状 
      tetracycline 2g/day経口14日間, 
      Doxycyclinee 200mg/day14日間
      Penicillin 2g/day経口14日間
    • 関節障害  
      ceftriaxone 2g/day 筋注14日間 , 
      PenicillinG  20million 単位/day 静注14日間
    • 神経症状  
      PenicillinG  20million 単位/day 静注14日間
      Josamycin 3g/day経口14日間 , Ceftriaxono 3g/day筋注14日間

予防
マダニを少なくとも24時間以内に除去することが予防の重要なポイントである。

SLEについて

①関節炎の可能性
教科書的にはSLEでは95%に関節炎、全身倦怠感が100%であるが
発症時には50~30%の患者さんでは認められない。
②抗核抗体
米国リウマチ学会の診断基準では、11項目のうち4つを満たす必要があるので、抗核抗体だけではSLEの診断にはならないが陰性なら否定的である。抗dsDNA抗体が特異度が高い
③米国リウマチ学会SLE分類基準 
11項目中4項目を満たせばSLEに分類される。
当日中に結果が出る1~9の9項目のうち2項目を満たさなければ、10、11の特別な検査が陽性でも基準を満たさない。

米国SLE分類基準1997
(感度、特異度とも96%、SLEでも20人に1人はこの基準を満たさず、基準を満たす人でも20人に1人はSLEではない。)
SLEの基準は分類基準で、実際は診断基準ではありません。
①頬部紅斑
②ディスコイド疹
③光線過敏症
④口腔内潰瘍
⑤非びらん性関節炎
⑥漿膜炎 a)胸膜炎、b)心膜炎
⑦腎障害 
a)0.5g/日以上,もしくは定量しなかったときは3+以上の持続性蛋白尿あるいは,b)細胞性円柱
⑧神経障害 a)痙攣、b)精神障害
⑨血液学的異常 a)溶血性貧血、b)白血球減少症 4,000/mm³未満c)リンパ球減少症 1.500/mm³未満、d)血小板減少症 10万/mm³未満
⑩免疫学的異常 a)抗DNA抗体、b)抗Sm抗体、c)抗リン脂質抗体陽性:抗カルジオリピン抗体異常値、ループス抗凝固因子陽性、血清梅毒反応の生物学的偽陽性のいずれか
⑪抗核抗体
診断: 同時、あるいは経過中のどの時点にでも、上記11項目中、4項目以上が存在する場合、SLEと診断する。

成人スティル病について

成人スティル病は特異性の高い所見に乏しく、現在でもなお診断がむずかしい病気の一つである。
血清のフェリチン・レベルが著しく高く、また赤沈の促進、白血球増多、CRP上昇、血清免疫グロブリンの上昇などの所見があり、患者の約80%に肝機能障害が認められるが、リウマトイド因子や抗核抗体は陰性である。
現代でもなお感染症、惡性新生物、結合織病・膠原病、血管炎疾患群などを除外した上で診断するという病気である。

フェリチンが1000ng/mL以上の高値は、確かに成人スティル病のことが多くなるが、血球貪食症候群などの病気でも見られ、フェリチンがあまり上昇しない成人スティル病も少なくない。
発熱がある時に皮疹が鮮やかに見えるのは、血流が豊富になるからで成人スティル病の典型的な皮疹は体幹全体に出るのではなく、もっと局所的で、発熱時だけ出現する。
ケブネル現象(機械的刺激や温熱により発疹が生じやすい)
成人スティル病の発熱は1日1回のスパイクで、発熱と発熱の間は平熱に戻るのが典型です。
High fever~subfebrile~evening spike fever
16~36歳まで75.8%を占め、年齢が高まるにつれて女性が多い。

'成人スティル病判断基準…'

  • <大項目>
    1) 39℃以上の発熱が1週間以上続く
    2) 関節症状が2週間以上続く(関節痛、腫脹、熱感)
    3) 定型的な皮膚発疹(サーモンピンク状)
    4) 80%以上の好中球増加を伴う白血球増多(10,000/mm3以上)
  • <小項目>
    1) 咽頭痛
    2) リンパ節腫脹あるいは脾腫
    3) 肝機能障害
    4) リウマトイド因子陰性および抗核抗体陰性
  • 【除外項目】
    I. 感染症(特に敗血症、伝染性単核球症)
    II. 悪性腫瘍(とくに悪性リンパ腫)
    III. 膠原病(とくに結節性多発動脈炎、悪性関節リウマチ)

[判定]
2項以上の大項目を含む総項目数5項目以上で成人スティル病と分類される。ただし除外項目は除く

  • 参考項目  血清フェリチン著増(正常上限の5倍以上(約69%)
  • 重要標識  血清フェリチン400ng/dl以上
  • その他の症状
    その他、貧血、低蛋白血症、免疫グロブリン増加、凝固線溶系障害が認められる。
    リュウマトイド因子(陰性)、抗核抗体(陰性)が多い。
    病理学的には血管炎の所見に乏しい
  • 血清中のサイトカインレベル
    T細胞やマクロファージが活性化される。
    IL-6 (33.6±36.4)  健常(3.7±2.7)
    TNF-α( 39.6±51.6) (4.4以下)
    INF-γ(133.4±140.0)   (3以下)
  • 経過中の合併症
    薬物アレルギー、胸膜炎、心膜炎、心不全、間質性肺炎、ARDS、急性肝不全、血球貪食症、シェグレーン、DIC、亜急性壊死性リンパ節炎、アミロテドーシス

治療薬
NSAIDは1週間使用して効果がなければステロイドに切り替える。
メトトレキセート5~10mgを週1回併用するとステロイド薬の維持量を少量にすることができる。
ステロイドの大量療法、predonisolon換算1mg/kg/日(40~60mg/日)経口ステロイドパルス療法。
免疫抑制剤の一部にはステロイド節約と抵抗解除の効果がある。
MTX 5.0~10.0mg/週
CYAシクロスポリン2.5~5.0mg/kg/日
γグロブリン大量療法 VAHS合併例に抗サイトカイン療法 
サリドマイド
血漿交換療法

薬剤熱について

感染症、腫瘍、膠原病が有名な鑑別診断ですが、第4の鑑別診断として薬剤熱。
比較的徐脈というのは、腸チフスとかの細胞内感染症でも有名ですが、薬剤熱でもほとんどの症例で比較的徐脈が見られます。
微熱では使えませんが、簡単な計算式としては、39度で脈拍が100/分以下、それ以上では0.5度上がるごとに脈が10/分は上がるとして、40度なら脈拍120/分以下の場合は比較的徐脈となります。

比較的元気、比較的徐脈、比較的CRPが低い=「薬剤熱の比較3原則」!

「早期関節リウマチ」の診断

(日本リウマチ学会)
①3つ以上の関節の圧痛と運動痛 
②2つ以上の関節の腫れ 
③朝のこわばり 
④リウマトイド結節(皮下結節) 
⑤CRP陽性・血沈値が20mm以上 
⑥血液検査でリウマトイド因子がある
以上の6項目の内、3項目以上あてあまれば「早期関節リウマチ」と診断されます。

(厚労省研究班による早期関節リウマチ診断基準案)
抗CCP抗体またはリウマトイド因子(2点)
②対称性手・指滑膜炎をMRIで確認(1点)
③骨びらんをMRIで確認(2点)
以上の3項目の内、3点以上あてあまれば「早期関節リウマチ」と診断されます。

血液検査

  • 1)炎症の検査
    ・末梢血液(赤血球、白血球、血小板などで炎症の状態を評価する)
    ・血沈(組織の炎症や破壊を評価する)
    ・CRP(組織の炎症や破壊を評価する)
    MMP-3 (関節炎マーカー)
     MMP-3は関節軟骨の成分であるプロテオグリカンやコラーゲンを分解する酵素で関節が破壊されると高値となります。
  • 2)免疫異常の検査
    ・リウマトイド因子
    患者のIgGに生じた自己抗体です。関節リウマチ患者の80%程度に発生します。
    リウマトイド因子の値により関節リウマチの活動性や治療効果の判定と参考になります。
    抗CCP抗体
    患者のシトルリン化抗原に生じた自己抗体です。抗CCP抗体が陽性なら95%の確率で関節リウマチと考えられます。
    リウマトイド因子陰性例においても検出されることがあり、リウマトイド因子より感度が良好で、関節リウマチの早期診断に有用です。

治療

  • ●レミケード(インフリキシマブ):点滴静注用
    キメラ型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体
    1バイアル10ml(蒸)で溶解し注250mlに希釈し2時間以上かけて点滴静注。
    1回3mg/kgを点滴静注、初回投与後2週間、6週間に投与し、以後、8週間の間隔で投与する。
    MTXを併用する。
  • ●エンブレル (エタネルセプト):
    完全ヒト型可溶性TNFα/LTαレセプター。25mg(sc) 半減期86時間
    禁忌; 敗血症、重症感染、活動性肺結核、脱髄疾患、うっ血性心不全

線維筋痛症について

1.「広範囲の疼痛」の既往がある
「広範囲な疼痛」は、少なくとも3ヵ月持続、ないし再発する必要がある。
2.触診で18 ヵ所の圧痛点のうち11 ヵ所以上に圧痛を認める
患者が上記1、2の両方の基準を満たすとき、線維筋痛症と診断できる。
38.3℃以上で3日間以上持続
3日間の精査で診断が付かない、48時間の培養検査陰性 
D.D.
HIV associated FUO     Nosocomial FUO     Neutropenic FUO
HIV感染者の不明熱    術後患者の不明熱     化学療法により好中球減少を背景に持つ

  • VITAMIN Eで考える鑑別
    V : vascular
    0000DVT(deep venus thronbosis)/PE(D-dimer),
    0000TTP(thrombotic thrombocytopenic purpura)
    I: infectious
    0000カテーテル感染、
    T: trauma
    A: autoimmune
    M: Malignant
    0000リンパ腫、腎癌、白血病、HLH(hemophagocytic lymphhistiocytosis)
    I: idiopathic/iatrogenic
    0000ゲムシタビン,G-CSF,PTLD(移植後リンパ増殖性疾患)
    0000放射線肺臓炎、薬剤性間質性肺炎
    N: neuro/psychiatric
    0000リツキサンなど
    E: endocrine

マクロファージ活性化症候群

ウイルス感染などが引き金となってT細胞が活性化されサイトカインのレベルが上昇し、その結果、マクロファージが増殖活性化されて発熱、汎血球減少、DIC、血球貪食症などの症状が発現する。

  • 検査基準
    1)血小板減少(26.2万/u以下
    2)AST上昇(59以上)
    3)白血球減少(4000以下)
    4低フィブリノゲン血症(250mg/dl以下)
  • 臨床基準
    1)中枢神経系以上(被刺激性、失見当、嗜眠、頭痛、痙攣、昏睡)
    2)出血(紫斑、易出血性、粘膜出血)
    3)肝腫(季肋下3cm以上)
    組織病理学的検討
    吸引骨髄中にマクロファージの血球貪食を証明
    診断にあたっては検査基準の2項目以上、あるいは検査基準・臨床基準のうち
     2、3項目以上を満たす必要がある。

血球貪食症Hemophagocytic syndrome(HPS)/Hemophagocytic lynphhistiocytosis(HLH)

T細胞やNK細胞の増殖がサイトカインストームを形成して全身性の炎症性病態をもたらすとともに組織球・マクロファージを活性化し周囲の自己血球を貪食している。
臨床的には発熱、肝脾腫、2系統以上の血球減少の3症状を特徴とする症候群である。
肝臓、脾臓、骨髄にリンパ球、マクロファージの広範囲な浸潤像を示す。
8項目の中5目以上満たすもの
(A) Initial Diagnostic criteria

  • ①Fever
  • ②Splenomegaly
  • ③Cytopenias(affecting>2of3lineages)
    0000000Hemoglobin<9g/dl
    0000000 Pletelet<10万以下
    0000000 Neutrophils<1000以下
    ④Hypertriglyceridemia and/or hypofibrinogenemia
    0000000Fasting triglycerides≧265mg/dl
    0000000Fibrinogen≦150mg/dl  (FDP-D-dimerの出現)
    0000000000 Cf. 高LDH
  • ⑤Hemophagocytosis in bone marrow
    0000000 他の腫瘍性増殖を示す細胞がない
    (B) Newdiagnostic Criteria
  • ⑥Low and absent NK-cell activity
    0000000CD4(+)T-cell/CD8(+)T-cell比が0.3以下しキラー細胞の働き低下
    000(γグロブリン製剤が液性免疫応答を促進T細胞を活性化)
  • ⑦Ferritin>500ug/L
  • ⑧Soluble CD25(IL-2receptor)≧2400U/ml

VAHS(virus-associated hemophagocytic syndrome)
生体に何らかの免疫不全の状態が内在し、その基礎の上にウィルスが感染すると引き金となって骨髄やリンパ節に異型性の見られない組織球が増殖し血球を貪食する。
CMV,単純ヘルペス、麻疹、風疹、水痘、アデノウイルス

心内膜炎について

急性心内膜炎
弁膜異常などの基礎疾患のない患者に主として病原性が強い黄色ブドウ球菌によって
生じる(まれに肺炎球菌やA群β溶連菌、G群β溶連菌によっても生じうる)
亜急性心内膜炎
基礎疾患として弁膜異常のある患者に多く緑連菌やHACEK群、表皮ブドウ球菌、腸球菌といった病原性の弱い菌が原因となる。

心内膜炎の3つの基本病態
①弁破壊による心雑音、心機能低下
②内膜感染による発熱、菌血症、感染性動脈瘤、感染性梗塞
(臓器の梗塞、各種膿瘍、janeway病変、結膜出血、爪の線状出血)、貧血
③免疫反応による脾腫、リウマチ因子の出現、免疫複合体による糸球体腎炎、Osler結節、 Roth班
以上の組み合わせにより臨床像は非常に多彩

心内膜炎の症状
Fever •90%、Murmur •85% 収縮期逆流性雑音、Changing murmur •10%、Splenomegaly •20~57%、Embolic phenomenon •>50%
nodes Osler •10~23%  Osler結節は手指の末端の腹側にできる赤色~紫色の有痛性の結節
Petechiae •20~40%眼險結膜の点状出血、Roth斑眼瞼結膜や網膜に好発する卵形の点状出血Roth spot 2~10%、Splinter hemorrhages15%爪下の線状出血、Janeway lesion •<10%、径5mm以下の扁平不整形で無痛性の紅斑で主に母指球、小指球

Cf  osler結節は免疫が関与している。だから痛い。
000 そのため急性心内膜炎や直ぐに治療が行なわれた場合は出現しなっている。

病原体別死亡率
Non HACEK(緑膿菌など)50%以上、Fungus 50%以上、Staph. Aureus 25~47%、Enteroccocus 15~25%、Viridans or bovis 4~16%
HACEK*:Haemophilus species, Aggregatibacter actinomycetemcomitans, Cardiobacterium hominis, Eikenella corrodens, Kingella species

Modified Duke`s criteria(改変)
Definite 感度80%、 possible 感度100%、人工弁IE 感度100%
[I] Major criteria

  • ① 血液培養陽性
    000001)「典型的病原体が、異なる2回の血液培養で陽性
    00000(viridans streptococci, Streptococcus bovis, HACEK 00000group, S.aureus;
    000000or 市中肺炎 community acquired enteroccoci(他に感染巣000000がない)。
    000000000002)感染性心内膜炎を起こす微生物が血液培養で持続して陽性となる
    ●12 時間以上間隔をあけて採取した血液培養が少なくとも2回陽性
    ● 3 セットすべて、もしくは 4 セットの大部分が陽性
    (最初と最後のサンプルの採取は少なくとも1時間は空ける)
    悪寒や戦慄を待たないで1~2時間以内に30分前後の間隔で 3セット血培を採れ(感度95%以上)
    3)Coxiella burnetii の血液培養1回陽性か、 anti-phase 1 IgG titer>1:800
  • ② 心内膜病変の証拠:
    新しい心雑音、 心エコー陽性
  • 弁または弁の支持組織に付着した心臓内腫瘤が逆流ジェット路で周期的に振動している。
    または人工弁に他に解剖学的な説明が不可能な腫瘤が付着して振動している。
  • 膿瘍
  • 新たな人工弁が部分的に外れている。
  • 新たな弁逆流症(以前から存在した雑音の変化、増強では不十分)
    [II}Minor criteria
    心内膜炎の素因となる心臓異常(心疾患やIV drug userなどのリスクファクター)
    ・ 発熱(>38℃)
    ・ 血管病変:点状出血やsprinter hemorrhageは除外、Janeway's lesion は入る
    ・ 免疫異常:糸球体腎炎、Osler's nodes, Roth spots, リウマチ因子陽性
    ・ 微生物:
    1)血液培養陽性だが大項目の基準は満たさない。
    2)抗体価検査で心内膜炎の原因になる微生物の活動性感染を示す血清学的所見を認める。
    [診断】
    確実Defenite:臨床的基準・・・大項目 2 つ、又は大項目1つ+小項目3つ、又は小項目5つ
    可能性大possible:大項目1つ+小項目1つ、又は小項目3つ
    GPCを血液内に認めたら必ずIEの合併を疑う

黄色ブドウ球菌菌血症の患者にTTE+TEEを施行したら約25%が心内膜炎だったという。
Bovisやclostridium septicumは大腸癌と関連がある。

直近2週間以内の抗菌薬使用では血培の感度が下がるがそれでも活動性心内膜炎なら陽性となる。
急性の心内膜炎では病原性や破壊性が亜急性に比べて強いので血培を採ってから治療を始めてしまう。
抗菌薬が既に入っているために培養が陽性化しない場合は一旦抗菌薬を切ってから血培を再度採ることもある。
既に抗菌薬投与を受けている場合は血培を繰り返すのみ!
血培の次に重要なのは心エコー!
通常は,経食道心エコー検査(TEE)ではなく,経胸壁心エコー検査(TTE)を実施する必要がある。
⇛TTE; 感度60~65%  TEE;感度90%、 特異度は共に91~100%
小さい5mm以下のVegetation、高齢者、人工弁、RVの心内膜炎, ペースメーカーに合併した心内膜炎に対してはTEEの方が有効。

[治療]
        自己弁             人工弁
連鎖球菌   PCG1200~2400万単位     PCG2400万単位  
streptococcus bovis  または00000000000(またはABPC8~12g)/日4~6週間
Streptococcus viridians000000000000000000000+GM60mgx2~3/日
000000000000ABPC(ビクシリン)8~12gか000000002~6週間
000000000000CTRX(ロセフィン)2g/日を4週間
000000000000±GM60mgx2~3/日 2週間
0000000000ペニシリン低感受性ならGM2~4週間
メチシリン感受性ブ菌
000000CEZ(セファゾリン)2gx3/日0000000CEZ2gx3/日 4~6週間
00000000004~6週間000000;+GM60mgx2~3/日 1週間0000000000±GM60mgx2~3/日 1週間&deco(white){00000000000±RFP450~600mg/日
0000000000000000000000000000000000000000000 2~6週
メチシリン耐性ブ菌  VCM1gx2/日または   左記VCMまたはTEIC
00000000000000015mg/kgx2/日004~6週間00000006週間
000000000000000000000000000000000000000000000±左記GM 2週間
00000000000000000または000000000000000± RFP450~600mg/日/ 
0000000TEIC(タゴシッド)初回量400mgを分1~2 0000002~6週間
00000002~3回/日投与、以後400mg1回/日       
000000±GM60mg(or1mg/kg)x2~3/日1週

[治療経過]
血培陰性化が重要であるが貧血や脾腫の改善、vegetationの縮小速度は一般に緩徐である。
陰性化しないときが失敗であり原因検索が大切(遠隔部病巣、心筋内膿瘍、弁輪周囲膿瘍、感染性静脈炎)
血培陰性化+発熱⇛薬剤熱が多い(治療を続けながら代替え薬へ変更)

参考(覚えておくこと)

再生不良性貧血

  1.貧血、出血傾向があり時に発熱する。
  2.末梢血において汎血球減少
    RBC ♂400万以下 ♀350万以下
    WBC 4000以下
    Plt 10万以下
  3. 汎血球減少の原因となる他疾患を認めない
    悪性リンパ腫、癌の骨転移、感染症、巨赤芽球性貧血、骨髄線維症
    、多発性骨髄腫、バンチ症候群、白血病、MDS(myelodysplastic synd)
  4.PNH(発作性夜間血色素尿症)、MDSとの鑑別が必要
  5. 汎血球減少に下記が加われば確実性が増す
     ①相対的リンパ球増加
     ②網状球絶対数が正常よりも増加していない。
     ③骨髄穿刺でも巨核球減少とリンパ球比率の増加を認め、造血細胞の減少
     ④血清鉄上昇と不飽和鉄結合能の低下
     ⑤放射性鉄の血症からの消失時間(PID)の延長と赤血球交代率(RIT)の低下

反応性関節炎

反応性関節炎は,一時的な単関節性の関節炎から重症の多臓器性疾患の範囲に及ぶ。

全身症状は,発熱,疲労,体重減少などがあり、関節炎は軽症~重症である。
関節障害は一般に非対称的で,少関節性または多関節性であり,主に下肢の大関節と足趾に起こる。
通常は重症であると背部痛が起こることがある。
腱付着部症はよくみられ,特徴的である。
反応性関節炎において,尿道炎は性的接触(またはときに赤痢感染)の7〜14日後に発症し,軽度の発熱,結膜炎,関節炎は,その後の数週にわたって発症する。

【反応性関節炎の診断基準】
(1)典型的な末梢性関節炎
下肢に多く、非対称性、oligoarthritis(数ヶ所の関節炎)
(2)感染症の既往
①4週間以内に下痢または尿道炎の既往がある。 検査による証明が望ましい。
②感染症の既往が明らかでない場合、検査結果にて感染症の既往が証明されること。
上記の(1)と(2)の項目を満たす症例を反応性関節炎と診断する。
除外項目
明らかな仙腸関節炎、細菌性関節炎、結晶誘発性関節炎、ライムLyme病、連鎖球菌による反応性関節炎を除く。
備考
反応性関節炎の診断には、HLA-B27陽性であることは必要なく、
Reiter症候群の臨床症状(結膜炎、虹彩炎、皮疹、非感染性尿道炎、心病変、神経病変)の存在や典型的な仙腸関節炎の臨床症状(炎症性腰痛、臀部痛、enthesitis、虹彩炎)の存在は必ずしも必要ないが、これらが存在する場合には記載する必要がある。

淋菌性関節炎、乾癬性関節炎、連鎖球菌感染後の反応性関節炎、感染性(細菌性)関節炎と鑑別します。
●治療
感染が契機となった自己免疫性疾患のため、抗菌薬は原則的に関節炎には無効です。
ただし、クラミジア感染は再発を繰り返すため、テトラサイクリン系薬剤をセックス・パートナーとともに2週間投与します。
関節炎の治療として、NSAIDs、スルファサラジン、メトトレキサート(MTX)を投与します。
●予後
関節炎は数週~6ヶ月間続きます。多くの症例は一過性に治癒します。
約15~50%は再発性の関節炎や脊椎炎、仙腸関節炎を伴います。

Reiter症候群(反応性関節炎)Reiter's syndrome(reactive arthritis)

感染性腸炎またはクラミジア尿道炎罹患後、約1ヶ月以内に起こる非化膿性関節炎、非淋菌性尿道炎、結膜炎の3徴を呈する疾患をReiter症候群といいます。尿道感染後に発症する型で、
男女比は約5:1と考えられています。
クラミジア属、サルモネラ属、赤痢菌属、エルシニア属などの微生物感染が契機となり、B27陽性者に無菌性関節炎を引き起こしま
す。関節内に菌体成分が確認されます。
HIV感染者の中には発症以前にReiter症候群を起こす症例が存在するため、HIV抗体の検査を行います。

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