悪性リンパ腫

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悪性リンパ腫

胃MALTリンパ腫の大部分は表層型の形態を示し、内視鏡所見は、早期胃癌(IIc)類似型、胃炎類似型、隆起型の3群に大別できる。

  • 早期胃癌(IIc)類似型と早期胃癌の鑑別は①正常粘膜との境界が不明瞭②蚕食像がないか、あってもごく一部③陥凹内に粘膜模様が観察される④病変が多発する事が多い。早期胃癌類似型壁深達度がSM以深が多くHPの感染を認めない割合が多い。
  • 隆起型は表面にびらんや潰瘍を伴い形状も不整である。
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    隆起部分は正常粘膜で覆われている。
  • 胃炎類似型はびらん・潰瘍型、色調変化型、顆粒・結節型に再分類される。
    びらん・潰瘍型は酸分泌抑制薬を投与すると一時的に白苔が消失し改善したように見える時期があるため注意が必要である。
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    潰瘍不整形、0000000000000000000000000000顆粒径大きい
    辺縁皺襞の太まり
  • 潰瘍型もあり
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    辺縁蚕食像なく伸展性良0000襞先端先細りや蚕食像なし
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          早期胃癌(IIc)類似型         IIc型早期胃癌
    病変範囲  全周あるいは一部が不明瞭   明瞭である事が多い
    蚕食像   認めないか一部に認められる  認めることが多い
    表面模様  観察される          無構造に見えることが多い
    病変数   多発することが多い      単発の場合が多い

皺襞の集中と中断、そして、辺縁蚕食像なし、
表面大小不揃い00000000000000000000000000IIc襞の途絶や蚕食像明瞭
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参考0000002型進行胃癌(蚕食像) 0000000000000000004型進行胃癌
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消化管原発悪性リンパ腫は本来、非上皮性腫瘍であり粘膜下層以深に首座を有するが粘膜内にも浸潤するため上皮性の性格も併せ持つ。
特に胃MALTリンパ腫は粘膜内のリンパ濾胞のmarginal zoneから発生するために上皮内に浸潤する腫瘍細胞の量が多い。
消化管に発生する悪性リンパ腫は殆どのものがB細胞性リンパ腫であり,低悪性度のMALTリンパ腫(low grade B-cell lymphoma of MALT type)と中悪性度のDLBCL(diffuse large B-cell lymphoma)とに大別される。

隆起を主体とする胃癌と胃悪性リンパ腫の鑑別

        胃癌(0I型早期胃癌、I型進行胃癌)   悪性リンパ腫
粘膜性状  表面凹凸不整し、発赤した粘膜で    大部分が正常粘膜で覆われ
     覆われることが多い          表面にびらんを伴うものが多い

病変の立ち上がり 周囲粘膜とは異なる       粘膜下腫瘍様に隆起する
       不整粘膜で隆起が被覆されている

MALTリンパ腫ではH.pylori除菌療法が第一選択であり、除菌治療により70-90%が消失する。除菌治療に反応する病変は、腫瘍の浸潤が粘膜から粘膜下層に留まるもので、API2/MALT1融合遺伝子を認めない腫瘍とされる。DLBCLでは化学療法、放射線療法、胃全摘が選択され、治療法が異なります。

粘膜下腫瘍様隆起を有する「隆起を形成するタイプ」はH.pylori除菌療法が奏効しにくく、手術や放射線療法が適応となります。
深い潰瘍を形成するものは、 DLBCLなどの高悪性度のリンパ腫がほとんどで、MALTリンパ腫はまれである。

形態学的には、胃癌と異なり、(1)隆起、潰瘍やびらん、巨大皺襞などの所見が多発かつ混在し、多彩な形態を示す、(2)壁の伸展性が良い、(3)潰瘍は円形から類円形、平皿状潰瘍で耳介状周堤を形成する、(4)隆起型の場合、SMT様の病変を呈するものがあるが小潰瘍を伴っても蚕食像はない、(5)隆起の表面にcobblestone様所見や、うろこ状粘膜の所見を認める場合が多い、(6)超音波内視鏡所見は、胃癌に比べて低エコーで、内部エコーが均一である、といった特徴がある。十二指腸濾胞性リンパ腫の報告が増加している。白色顆粒状の隆起が下行脚から深部小腸に多発するのが特徴であり、悪性度は一般に低い。
最近では,胃リンパ腫の治療は,節性や胃以外の臓器の悪性リンパ腫と同様に,化学療法や放射線治療など,非外科的な治療法が主体となってきている。
MALTリンパ腫とDLBCLの組織像がしばしば混在する点には注意が必要でありDLBCL 成分が多いほど早期に再発してDLBCL 成分の有無が予後を分ける可能性が示唆されている。
現在ではHelicobacter pylori の除菌療法が胃原発MALTリンパ腫の治療の第一選択であり,多くの場合,一定の時間をかけて病変は退縮する。
Helicobacter pylori 陰性である場合や,除菌療法に対する不応例に対してはこれ以外の治療が必要となるが,放射線療法や化学療法が有効な場合がある。
大きなSMTやSMT様癌を疑った場合は、経過観察は許されず組織診断を含めた質的診断が必要である。

A群(responder) API2/MALT1融合遺伝子(-) HP(+)、深達度SM、潰瘍や早期胃癌類似
B群(non-responder) API2/MALT1融合遺伝子(-) HP(-)、深達度MP以深、高悪性度成分あり、リンパ節転移陽性、HP(+)、隆起型
C群(non-responder) API2/MALT1融合遺伝子(+)HP(-)、高悪性度成分なし、深達度MP以深、隆起型、cobblestone粘膜、除菌不応例の二次治療有効で予後良好

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表層拡大型
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腫瘤形成型
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潰瘍が目立つ型
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巨大皺襞型(Giant fold type)
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参考
粘膜集中を伴っており、潰瘍瘢痕を有し、明瞭な段差はなく胃小区模様の違いがない。粘膜集中像が多中心的である場合は腫瘍性病変を疑い退色調の変化と集中する襞に蚕食像が観察されるような場合は、(リンパ腫の表層拡大型だと多発びらんを併発するので)まず胃癌が考えられます。
未分化型癌は退色調の粘膜変化から粘膜内進展を診断できることが多く、表層腺窩上皮を残したまま癌細胞が側方進展することが殆どです。
インジゴカルミン撒布で胃炎の胃小区模様が出現し、存在診断、範囲診断が不鮮明になることがあります。
NBI併用拡大内視鏡検査でWavy micro-vesselsとWhite zone の不鮮明化(ghost-like disappearance of white zone)が未分化型胃癌の所見です。
未分化型癌が表層腺窩を破壊しながら非癌粘膜の腺頚部を癌が側方進展していきます。
NBI併用拡大で胃炎の所見のみでも未分化型癌細胞が進展していることがありますので範囲診断確定が必須です。
2cm以上の潰瘍の合併があるとESDの適応外です。

巨大襞壁

急性胃炎は粘膜発赤、浮腫、粘膜皺襞(鉗子触診で軟らかい)が認められ、空気量で変化する。
辺縁はなだらかに立ち上がり頂部は浅く広いビラン面で構成される。多量の粘液付着も認められる。低蛋白血症を特徴とするメネトリエも鑑別を要する。
Scirrhusは送気量を多くしても伸展性不良で襞の形状も不良、不均一な襞肥厚、襞間狭小化が認められ粘膜面凹凸不整で鉗子触診で硬さを認める。
硬化が弱ければ急性胃炎や悪性リンパ腫を考える。リンパ腫は線維化を伴わないため胃壁の伸展性は比較的良好ある。

低悪性度胃悪性リンパ腫は巨大皺襞型を呈する例はなくaggressive lymphomaの一部がこのような形態を呈する。悪性リンパ腫の80%はリンパ節から発生し、残りの20%は節外リンパ節から発生する。節外リンパ節の中で頻度が高いのは消化管原発悪性リンパ腫で節外の30~50%を占める。
消化管原発悪性リンパ腫の60~80%は胃から発生し腸管では回盲部や直腸に好発する。胃原発悪性リンパ腫の大部分は非ホジキンB細胞リンパ腫でそのうち瀰漫性大細胞B細胞悪性リンパ腫とMALTリンパ腫が大半を占める。巨大皺襞型を呈するのは瀰漫性大細胞B細胞悪性リンパ腫とMALTリンパ腫などのaggressive lymphomaである。

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