抗生剤の基礎知識

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グラム染色と球菌・桿菌

グラム染色の有用性についてはいろいろとありますが、大きく分けると
1)迅速診断としての有用性、2)培養結果だけでは把握できない、生の検体からの情報を得る、という二つがあります

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細菌細胞の表層構造の違いによって染色性が異なることを利用し、細菌細胞を染別し、青または黒紫色になった細胞壁の厚い菌をグラム陽性(+)、赤または朱色になった細胞壁の薄い菌をグラム陰性(-)と判定します。

※大型の扁平上皮細胞が見られる場合は、唾液が混入していることを意味する。
唾液が混入した痰は、培養時に、増殖力の強い常在細菌により、病原細菌が検出されにくくなる。
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●グラム陽性菌

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グラム陽性菌は、グラム染色により青紫色に染まる細菌のことでグラム陰性菌のような細胞壁にあるような外膜はない
ペプチドグリカン層の分厚いグラム陽性菌ではアルコール処理による細胞壁の損傷は僅かで塩基性色素とヨウ素の複合体の流出がほとんどなく脱色されない。
後染色でグラム陽性菌には塩基性色素とヨウ素の複合体が残っているため青紫色となる。

グラム陽性球菌には3種類
1. ブドウの房状であればブドウ球菌を考える(黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌等 )
00●抗菌薬は、耐性のあるブドウ球菌であれば使うべき抗MRSA薬は?
2. 短い連鎖であれば肺炎球菌か,腸球菌を疑う
00肺炎球菌→ペニシリン高用量でOK
00腸球菌(Enterococcus)→ 培養で E.Fecallisならペニシリン系が第一選択
0000000000000000000000000E.Feciumなら抗MRSA薬を考慮する(ペニシリンやβラクタムに高度耐性)
0000000000000000000000000E.Aviumもペニシリン耐性(ミノマイ、タリビット、バクタなど適応)
3. 長い連鎖
長い連鎖であればレンサ球菌属(Streptococcus属)を疑い
00 基本的にはペニシリン系を選ぶ

グラム陽性球菌で臨床上重要なものは、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌である。
(マイコプラスマは細胞壁も無いが、外膜が無いのでグラム陽性菌の仲間)。

黄色ぶどう球菌

1)黄色ブドウ球菌の性状
黄色ブドウ球菌は人体の皮膚表面(毛孔)や特に鼻腔内に存在する常在細菌であり、約30%のヒトが保有している。
創傷部などから体内に侵入した場合に発病することが多い。
感染力は強い部類に属するが、菌が少なければ通常その毒性は弱い。

  • ●Coagulase Positive Staphylococcus(CPS)
    コアグラーゼテスト陽性ならStaphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)
    コアグラーゼは血漿(ウサギや人)を凝固させる酵素であり、ブドウ球菌の同定に用いられている。

血漿凝固作用はフィブリノゲンをフィブリンに変化させることに起因し、黄色ブドウ球菌は凝固した血漿で菌体を包むことにより宿主側の免疫反応を回避する。
ブドウ球菌は、栄養要求性が低く、大抵の所で増殖でき、乾燥した表面でもよく生残る。30-50% の人で黄色ブドウ球菌が見つかる。
黄色ブドウ球菌菌血症の感染源としては、まず、血管内カテーテルやデバイスからの感染が重要である。

  • ●Coagulase Negatine Staphylococcus(CNS)
    CNSはコアグラーゼ陰性でマンニットを分解しないブドウ球菌群(集落は白色)で、ヒトの皮膚、粘膜、上気道に常在する。
    CNSには表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、Staphylococcus haemolyticus、Staphylococcus saprophyticusなどが含まれ、病院感染起因菌として代表的なものは表皮ブドウ球菌である。
    体内挿入人工物や血管カテーテルに関連して血流感染、心内膜炎、髄膜炎、敗血症などを起こす。
    CNSは莢膜多糖体を産生し、カテーテル表面に付着しやすく、バイオフィルムを形成して抗菌薬による除菌が困難となる。
    CNSにはMRSAと同様に抗菌薬に対して多剤耐性を示す株がありメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus epidermidis:MRSE)も多く検出されており、臨床上問題となっている。

第1世代セフェム系注射用抗菌薬、また、中等症以上では、第4世代セフェム系およびカルバペネム系薬も有効

グリコペプチド系注射用抗菌薬、アルベカシン、ST合剤、ミノマイシン、リネゾリド(リネゾリド、アルベカシン、ST合剤、リファンピシン、ミノマイシンなど感受性を確認のうえ選択する)

2)黄色ブドウ球菌の病原性

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は、各種の化膿性疾患、肺炎、食中毒、敗血症の原因菌である。
基本的にブドウ球菌は、ペニシリン系、セフェム系などβ-ラクタム環を持つ抗生剤に感受性を示します。
しかし1980年代初頭より、耐性を獲得したメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)が出現し黄色ブドウ球菌の半数近くがMRSAとなっている。

MRSAは弱毒菌であるため、健常保菌者がかなりの割合で存在するので単なる菌の定着(colonization)である可能性も考慮し、実際に菌が検出された部位に炎症が起こっている事を確認してはじめてMRSA感染症と判定します。

オキサシリンに対する最小発育阻止濃度が4μg/ml 以上である黄色ブドウ球菌をMRSA と定義している。
黄色ブドウ球菌は常在菌の一つで、痰から分離されても定着菌のことがあります。
喀痰のグラム染色で、ぶどう状のグラム陽性球菌が炎症細胞と同じ部位に観察されれば、原因菌の可能性が高いと判断します。
また、炎症細胞による菌体の貪食像が認められた方がより確実です。
市中感染型MRSAは、ミノサイクリンやST 合剤ならびにクリンダマイシンが有効です。
MRSA は、 保菌者やその周囲環境に接触することによって、直接的・間接的に接触感染します。

MRSAは5類感染症定点把握疾患に定められています。
(1) 血液、腹水、胸水、髄液など、通常は無菌的であるべき臨床検体から分離された場合
(2) 喀痰、膿、尿、便など体からの分離ではオキサシリンのMIC が4 μg/ml 以上、オキサシリンの感受性ディスク(KB)の阻止円の直径が10mm 以下の黄色ブドウ球菌であれば、報告する義務があります。

現在ではバンコマイシン低感受性耐性黄色ブドウ球菌や市中感染型MRSA の増加が危惧されています。

β-ラクタム系抗生剤は、「細胞壁合成酵素群」と特異的に結合し、壁合成を阻害することで抗菌力を発揮する。
しかし、MRSAではPBP2’という酵素をもちβ-ラクタム系抗生剤との親和性が低く、β-ラクタム系抗生剤が存在しても、MRSAの細胞壁合成はPBP2’のおかげで支障なく行われるため、増殖が可能となる。
MRSAはグリコペプチド系抗生剤(バンコマイシンやテイコプラニン)に感受性を示す。

最近、バンコマイシンに耐性を持つVRSA(Vancomycin Resistant Staphylococcus Aureus)が報告され、高度耐性化の様相を示している。

黄色ブドウ球菌は化膿症、食中毒、熱傷様皮膚症候群、毒素性ショック症候群(toxin shock syndrome)などの症状を呈し、黄色ブドウ球菌による食中毒は、毒素型食中毒で食品中で増殖してそこで、エンテロトキシン毒素を産生するために起きるもので、この毒素は耐熱性で、食品を加熱によってブドウ球菌そのものが死滅しても毒素はそのまま残り、それを食べた場合に激しい嘔吐を伴う食中毒を引き起こす。
黄色ブドウ球菌菌血症では治療開始後2から4日以内に血液培養のフォローを行い、消失を確認することが大切で、治療開始後72時間以上の発熱の持続も合併症を疑う重要な所見とされています。
感染源が不明であるような場合は感染性心内膜炎Infective endocarditis(IE)、椎体炎、硬膜外膿瘍、化膿性関節炎、腎臓や脾臓などの腹腔内膿瘍など、合併症や転移性病変に注意が必要であります。
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'' 肺炎球菌性肺炎 (グラム陽性球菌)''

肺炎でグラム染色で夾膜を持つ双球菌を認めたら、感受性が判明するまでは第三世代セファロスポリンを高用量で投与します。
セフォタキシム(セフォタックス)は腎排泄、セフトリアキソン(ロセフィン)は胆道排泄です。セフトリアキソンの血中半減期が非常に長く、1日1回投与が可能です。

尿中抗原、グラム染色などの迅速診断が有用。
ペニシリン系経口抗菌薬(高用量が望ましい*例:AMPC 1.5g~2g)
ペニシリン系注射用抗菌薬(高用量が望ましい。常用量の2~4倍)
CFTX、セフェム系第4世代
カルバペネム系注射用抗菌薬
グリコペプチド系注射用抗菌薬(バンコマイシンは保健適応)

呼吸器キノロン†‡
111ペニシリン耐性肺炎球菌が疑われる場合に選択
111ペニシリン耐性、低感受性肺炎球菌を疑う条件:
0065歳以上、アルコール多飲、血培陰性肺炎球菌肺炎、幼児と同居している、あるいは幼児と接触する機会が多い、3ヶ月以内のβ-ラクタム系抗菌薬の投与を受けた患者

呼吸器キノロン:トスフロキサシン、スパルフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン。(レボフロキサシンは肺炎球菌に対して抗菌活性が弱いため、高用量の使用が必要)

ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)には、ニューキノロンか第三世代セファロスポリンを高用量使用して対応しますが、重症ならばカルバペネムでも良いかもしれません。
すべての肺炎球菌の50%以上がペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)ですので、想定した治療として、
「活性を強化したフルオロキノロン(GFLX(ガチフロ)やLVFX(クラビット) )」または「第3世代セフェム」となっています。胃薬のようなものを飲んでいる場合吸収率が著しく減少します。
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レンサ球菌(肺炎球菌以外) (グラム陽性球菌)
緑色連鎖球菌 - 口腔内に常在する弱毒菌である。抜歯などの処置に関連して亜急性型細菌性心内膜炎や歯性感染の起炎菌になる。
グラム染色による迅速診断が有用であり、特に貪食像の確認が常在菌との鑑別に有用。
ペニシリン系経口抗菌薬・注射用抗菌薬、マクロライド系経口抗菌薬
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●グラム陰性菌

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グラム陰性菌には特有の外膜があり、菌体内への薬剤の浸透を阻んでおり、その外膜が莢膜や粘液層で覆われた構造となっているものが多く細菌細胞の抗原を隠しカモフラージュするように働く。
人間の免疫系は異物を抗原により認識するから、抗原が隠されると侵入してきたものを人体が探知するのが難しくなる。このため、グラム陽性菌に比べて抗生物質が効きにくいという特徴があります。
また、グラム陰性菌の外膜には菌体内毒素(エンドトキシン)と言われるリポ多糖体分子が多く存在しており、これが血流に入ると、高熱や命にかかわる血圧低下が生じることがある(菌血症、敗血症、敗血症性ショック)。
グラム陰性菌は同種の異なる菌株と種の異なる菌株との間でも容易に遺伝物質(DNA)を交換し、菌のもつ性質を変えることができ突然変異を起こして抗生物質に耐性をもつようになります。

桿菌特にグラム陰性桿菌
自然界の至るところに桿菌は存在しており、その生育環境は菌種ごとに多岐にわたる。
一部の桿菌はヒトや動物の常在細菌として、体表面、鼻咽腔、消化管、泌尿器 などに生息している。また、一部のものはヒトに対する病原性を持ち、さまざまな 感染症の原因になる。
腸内細菌科(大腸菌、赤痢菌、サルモネラ、ペスト菌など)、緑膿菌、百日咳菌、クレブシエラ、インフルエンザ菌

薬剤抵抗性には、緑膿菌が元から持っていたもの(自然耐性)と、後天的に獲得したもの(獲得耐性、いわゆる薬剤耐性)がある。これらが組み合わさることで、緑膿菌の薬剤抵抗性いわゆる多剤耐性の状態にあるものが多く見られる。

広域ペニシリン、第三世代セフェム、カルバペネム、抗緑膿菌性アミノグリコシド、ニューキノロンなどの開発によって、ようやく緑膿菌治療に有効なものが得られた。
ただし、現在ではカルバペネム系薬・アミノグリコシド系薬・ニューキノロン系薬の3系統全てに耐性を示す多剤耐性緑膿菌も出現している。

多剤耐性緑膿菌に対して有効と考えられているものは、抗MRSA薬である硫酸アルカシン(ハベカシン)、ポリペプチド系薬で細胞質膜リン脂質に作用する。
PL-B(ポリミキシンーB)、CL(コリスチン)、BC(バラマイシン)がある。腎臓と神経への毒性が強い。
ポロミキシンB末(ポリミキシンBに感性の大腸菌、肺炎桿菌、エンテロバクター属、緑膿菌)、メタコリマイシン(適応コリスチンに感性の大腸菌、赤痢菌)

緑膿菌感染症は、健常者にはほとんど見られないが、免疫抑制剤の使用や後天性免疫不全症候群(エイズ)などにより免疫力の低下した人や、長期間の入院や手術などで体力を消耗している人、いわゆる寝たきりの状態にある老人など、いわゆる「易感染宿主」に発症する疾患(日和見感染症)である。

多剤耐性緑膿菌(MDRP)は緑膿菌感染症の治療に有効な3系統の薬剤、すなわち、広域β-ラクタム系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系に対して、同時に耐性を示すものを指すようになった。
特に2000年代以降は、イミペネム(β-ラクタムのカルバペネム系)、アミカシン(アミノグリコシド)、シプロフロキサシン(ニューキノロン系)などに対する耐性を指標とする傾向がある。

一般に、グラム陰性菌の方がグラム陽性菌よりも、薬剤抵抗性が強い傾向にあるが、緑膿菌はグラム陰性菌の中でも特に強い薬剤抵抗性を持ち 薬剤による殺菌に強い抵抗力を持つことで知られる。

モラクセラ(ブランハメラ)・ カタラーリス (グラム陰性球菌) 好気性菌
上気道常在細菌叢の一部で、日和見感染の原因となる。
グラム染色による迅速診断が有用。
マクロライド系経口抗菌薬
β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系経口抗菌薬・注射用抗菌薬
第2、3世代セフェム系経口抗菌薬・注射用抗菌薬

参考
空気感染は結核菌、水痘、帯状疱疹、麻疹
接触感染はMRSA,VRE,緑膿菌、単純ヘルペス、アデノウイルス、エボラ
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緑膿菌は好気ボトルのみにしかはえない。

グラム陰性桿菌

Enterobacter, Citrobacter, Pseudomonasといったグラム陰性菌でβラクタマーゼが産生されます。
クラブラン酸、スルバクタム、 タゾバクタムといった抗菌薬はβラクタマーゼ阻害薬です。
PIPC/TAZ(ピペラシリン・タゾバクタム)は、緑膿菌をカバーするβラクタマーゼ阻害薬です。

  • ①緑膿菌Pseudomonas aeruginosa (グラム陰性桿菌)好気性桿菌
    グラム陰性桿菌では、
    緑膿菌ではないか、嫌気性菌ではないか、耐性菌ではないか、まず、考える。

治療開始はニューキノロン系経口抗菌薬・注射用抗菌薬
感受性判明後は感受性成績をみて抗菌薬を選択する
抗緑膿菌性ペニシリン系注射用抗菌薬、抗緑膿菌性第3、4世代セフェム系注射用抗菌薬、カルバペネム系注射用抗菌薬、ニューキノロン系のいずれかで、感受性のあるものを選択する。
原則として、βラクタム剤と「アミノ配糖体系注射用抗菌薬」、ニューキノロン系の合成抗菌剤を併用が必要となる。

参考
緑膿菌は、ブドウ糖非醗酵のグラム陰性桿菌であり、ヒトに対しては主に日和見感染症としてその病原性を発揮する。本菌はもともと抗菌薬に対して広く耐性化傾向が強い細菌であるが、近年、カルバペネム、ニューキノロン、アミノグリコシド系抗菌薬に同時に耐性を示す、いわゆる多剤耐性緑膿菌(multiple drug resistant P. aeruginosa :MDRP)が出現し問題となっている。
多剤耐性緑膿菌の定義
アミカシン MIC    32 mg/mL 以上
イミペネム MIC   16 mg/mL 以上
シプロフロキサシン MIC  4 mg/mL 以上 

本菌の耐性機構としては、
①抗菌薬不活化酵素の産生(カルバペネム耐性、アミノグリコシド耐性)、
②作用点の変化(ニューキノロン耐性、アミノグリコシド耐性)、
③抗菌薬透過性の低下と能動的排出(カルバペネム耐性、ニューキノロン耐性、アミノグリコシド耐性)、が重要である。
MDRPでは、これらの耐性機構が同時に複数獲得されている。

  • ②クレブシエラ菌 (グラム陰性桿菌)通性嫌気性K.pneumonia肺炎桿菌が代表的
    グラム染色による迅速診断が有用。
    β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系経口・注射用抗菌薬、第2、3世代セフェム系経口・注射用抗菌薬、ニューキノロン系経口抗菌薬、中等症以上では、カルバペネム系あるいはニューキノロン系注射用抗菌薬も有用。
    肺炎桿菌はペニシリナーゼを産生するので第二以降のセフェムが適応。
    オキシトカはセファリスポリナーゼ的βラクタマーゼを産生するのでセフメタゾンか
    タリビットが推奨。
  • ③レジオネラ (グラム陰性桿菌)好気性
    尿中抗原を用いた診断が簡便で有用レジオネラ肺炎と診断できれば、急速な病態の進行を考慮して、入院の上抗菌薬を投与することが望ましい。
    重篤なレジオネラ肺炎になると、悪寒、吐き気、高熱、筋肉痛などの症状が出、時に意識障害が現れます。
    レジオネラ肺炎は、 横紋筋融解症合併の原因となり得えます。
    キノロン系注射用抗菌薬 あるいはマクロライド系注射用抗菌薬(エリスロマイシン)+ RFP
  • ④ヘモフィルス・インフルエンザ菌 (グラム陰性桿菌)通性嫌気性
    グラム染色による迅速診断が有用。
    β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系経口・注射用抗菌薬、第2、3世代セフェム系経口・注射用抗菌薬、ニューキノロン系経口・注射用抗菌薬
    中等症以上では、ニューキノロン系あるいはカルバペネム系抗菌薬も有用
    内服ではオーグメンチン、ユナシン、タリビット、セフスパンを用いる。
  • 大腸菌、セラチア、プロテウス、サルモネラ(腸チフス、パラチフス)、赤痢菌、エルシニア、ビブリオ(腸炎ビブリオ、コレラ菌)などがグラム陰性桿菌(通性嫌気性)に属する。
  • 百日咳菌、ブルセラ、野兎病菌などもグラム陰性桿菌(好気性)に属する
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グラム陽性桿菌 

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嫌気性菌(破傷風、ガス壊疽、ボツリヌス、炭疽菌、ジフテリア菌、結核菌)
000嫌気性菌は粘膜に存在する細菌の殆どを占めている。粘膜から発生した感染の多くに嫌気性菌が関連している。
000口腔内や大腸には嫌気性菌が豊富に存在しており、嫌気性菌と好気性菌の比は1000:1であり、
00嫌気性菌の方が断然多い。
嫌気性菌は多くは好気性菌と複合感染しているので培養にて嫌気性菌が検出された場合、その嫌気性菌のみにターゲットをおいた抗菌薬を投与してはならない。膣にも嫌気性菌が多くみられ検出される。 

胃や上部小腸では胃酸の影響もあって、嫌気性菌の数は少ないが(但し、胃酸が低下した人の胃の細菌叢は口腔内に似ている)、下部小腸になると大腸に似た細菌叢を呈してくる。

  • ①嫌気性菌は粘膜バリアの破綻によって、本来無菌である部位に侵入して感染を引き起こす。
    外来病原体(病原性細菌の増殖)が腸管内で増殖するのを嫌気性菌が抑制している。
  • ②嫌気性菌は小腸内でビタミンKを産生し、脂肪吸収やコレステロール調整に有用な胆汁産生にも関与している。

粘膜表面に近い部分(腸管、女性生殖管、口腔など)の感染症や異臭やガスがみられる感染症といった状況では嫌気性菌感染症を疑う。口内炎の病変部位を培養しても嫌気性菌が培養されることはないが、治療としては嫌気性菌もターゲットにしなければならない。
誤嚥性肺炎や膿瘍などでは嫌気性菌が培養されなくても、その存在を前提として抗菌薬を選択する必要がある。

土壌中の嫌気性菌(Clostridium)はクラム陽性桿菌で、外因性感染(破傷風など)を起こし、体内に常在する嫌気性菌(Bacteroidesなど)は内因性感染(敗血症など)を起こす。
クロストリジウム属は毒素をつくる嫌気性の細菌で、クロストリジウム属の細菌は、すべての種が毒素を産生します。破傷風、ボツリヌス中毒、組織感染症をはじめ多くの重症疾患を起こします。

破傷風や外傷性のクロストリジウム感染症では、組織への侵入と毒素産生の両方が起こります。
クロストリジウム属による病気の中には、細菌が組織に侵入することなく毒素だけで起こるものがあります。
ボツリヌス中毒やさまざまな下痢性の病気など、ボツリヌス菌が産生する毒素に汚染された食品を食べることによって起こり、筋肉が麻痺して死に至ることもあります
③クロストリジウムの中でガス壊疽菌で土中に広く分布しており、外傷後にガス壊疽を起こすことがある。
ウェルシュ菌の耐熱株は感染型の食中毒を起こすことがあるが、症状は比較的軽く、短期間で治ります。

④クロストリジウム‐ディフィシル菌:抗生物質を長期間服用している場合には毒素産生菌であるクロストリジウム‐ディフィシル菌が増殖して起こる腸炎がみられます。

クロストリジウム・ディフィシルグラム陽性桿菌で経口感染して腸管に至る。健常人の7%程度に定着している。
抗菌薬を服用して細菌叢のバランスが崩れると優占化して毒素を放出し腸炎を引き起こす。毒素により腸粘膜に偽膜が形成されることもある。発症のきっかけとなった抗菌薬の中止が必要である。バンコマイシンは適応があるがVREが懸念された場合はメトロニダゾールの使用を検討する。
芽胞を形成するのでアルコールは無効で次亜塩素酸で消毒する。

処方例: バンコマイシン(125) 4錠/4x/day
000000000フラジール(250) 4cp/4x/day
000000000ミヤBM 3.0 /3x/day
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この他のグラム陽性桿菌には、バシラス(炭疽菌、セレウス菌)、リステリア菌、コリネバクテリウム(ジフテリア菌)などがある。
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グラム陽性球菌

ペプトコッカスやペプトストレプトコッスは嫌気性で
口、上気道、大腸に常在している細菌集団であります。大腸の正常細菌叢のバクテロイデスや、口の中の正常細菌叢の放線菌、プレボテラ、フソバクテリウムも嫌気性菌の仲間です。
①偏性嫌気性菌obligatory anaerobe(一般に嫌気性菌と言う時は、偏性嫌気性菌を指す)
00嫌気性菌には酸素の存在下では発育できない
00腸内細菌叢の99%以上はこの偏性嫌気性菌である(破傷風菌・ガス壊疽菌・ボツリヌス菌など)。エネルギーの獲得の仕方は酸素
00に依らず、 発酵、光合成および硫酸塩などを還元・利用する。
②通性嫌気性菌facultative anaerobe
00酸素があると増殖がよくなる
00通性嫌気性菌は一般細菌の大部分がこれに属する。(大腸菌、ブ00ドウ球菌など)
③偏性好気性菌
00酸素がないと増殖できないもの(結核菌、百日咳菌など)
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嫌気性感染症の治療(アミノグリコシド(アミカシン、ゲンタシン、トブラシン)は嫌気性菌に無効である)

1.まず第一に排膿
2. 壊死組織の外科的切除:開胸排膿など
3. 抗生剤療法:膿瘍や壊死組織での薬剤濃度を高めるために通常経静脈投与を行なう。
  
多くの抗菌薬が嫌気性菌をカバーします。
Penicillinは口腔内の多くの嫌気性菌群をカバーし、特にβラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン(Ampicillin/sulbactamなど)は嫌気性菌のカバー良好である。
セファロスポリンではCefeperazon/sulbactam, セファマイシン系のCefmetazoleなども腸管内の嫌気性をカバーします。Carbapenemもそうです。

ペニシリン系経口抗菌薬・注射用抗菌薬、β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系経口抗菌薬・注射用抗菌薬、ペネム系経口抗菌薬・注射用抗菌薬、クリンダマイシン
カルバペネム系注射用抗菌薬

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アミノグリコシド系抗菌薬(AGs)
投与方法は1 日1 回投与(once a day,OD)が臨床効果や副作用抑制に有利であると推奨されている。AMKやGMなどのアミノグリコシド系薬は濃度依存的で点滴終了時のピーク血中濃度(Cmax)を一定水準以上に高めること、すなわち1回の投与量を多くして最小発育濃度との比をCmax/MIC≧8~10と大きくすることが有効性上重要である。
アミノグリコシド系抗菌薬(以下AGs)の臨床効果は、PK-PDパラメーターであるCmax/MIC が相関し,この値が高ければ高いほど優れた臨床効果が得られる。
1 日投与量を分割せずに1 日1 回投与(once a day,OD)とすることによってCmax が上昇するため臨床効果が期待でき,また投与間隔の延長によってトラフ濃度が十分下降するため腎障害などの副作用の発生が抑制される。
AGs 単剤投与もあったが,ほとんどの症例で多剤併用療法が行われており,β ラクタム系抗菌薬との併用が多くみられる傾向があった。
腎機能が低下している高齢者や日々腎機能が変動するような重症症例などを中心に
AGs のOD 投与を推奨しながら,可能なかぎりトラフ値を測定し,併用する抗菌薬においてもAGs の腎障害を助長しない薬剤を選択することで安全な抗菌薬療法を推奨して
いくことが重要である。
P.aeruginosa にはカルバペネム系やニューキノロン系抗菌薬には高いMIC90を示すが
AGs には低いMIC90を示す株が存在し,治療においてAGs を選択せざるをえないような
症例での投与方法は,確実に効果を得るために十分な投与量を用い,副作用の防止の
ため投与間隔をあける工夫が重要である。

主要抗菌薬の分類


ペニシリン系薬 狭域性(グラム陽性菌、耐性ブドウ球菌);(ビクシリン、ペントシリン)
000000000000広域性;抗緑膿菌作用(±)、βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系剤(注射薬、経口薬)
0000000000000000000000000000000000000000000(ユナシン、タゾシン*)、
βラクタム系薬  セフィム系薬   
000000000000第1世代セフェム( セファメジン)
000000000000第2世代セフェム(パンスポリン セフメタゾン、フルマリン)
000000000 ※第3世代セフェム系( モダシン、スルペラゾン)
0000000000※第4世代セフェム系(マキシピ-ム、ブロアクト、ファーストシン、ケイテン、)
0000000000※カルバペネム系薬(チエナム、カルベニン、メロペン、オメガシン)
000000000000モノバクタム系薬(アザクタム)
000000000000ペネム系薬(ファロペネムナトリウム)
※は耐性菌の出現を注意しできるだけ使用を制限する抗菌薬 
アミノグリコシド系薬 (アミカシン、トブラシン、ゲンタシン)
000000000抗緑膿菌作用(GM・TOB・AMK)、抗ペニシリナーゼ産生淋菌作用、
000000000抗MRSA(ABK)作用、抗結核作用(SM・KM)(+)

マクロライド系薬
ケトライド系薬
リンコマイシン系薬: クリンダマイシン(ダラシン)
テトラサイクリン系薬
クロラムフェニコール系薬
ホスホマイシン
ポリペプチド系薬; 経口では吸収されないため、腸管感染症では経口的に使用
     PL-B(ポリミキシンーB)、CL(コリスチン)、BC(バラマイシン)
0000000000腎臓と神経への毒性が強い。
グリコペプチド系薬 抗MRSA薬。グラム陽性球菌のみに有効。
    VCM(バンコマイシン)、TEIC(タゴシッド)など
合成抗菌薬 
0000000キノロン系薬(シプロキサン、ジェニナック、クラビット、タリビット、
00000000バクシダールフルマーク)
    ニューキノロン系薬
    オキサゾリジノン系薬
    サルファ剤  
    ST合剤(Sulfa + Trimethoprim)バクタ
    ストレプトグラミン系薬

抗MRSA薬:バンコマイシン(VCM)、タゴシッド(TEIC)、ハベカシン(ABK)、ザイボックス(LZD)
※は耐性菌の出現を注意しできるだけ使用を制限する抗菌薬 


抗生剤の特徴と投与法

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1)回数か量か
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効果が時間依存性のβ-ラクタム系(ペニシリン、セフェム、カルバペネム)は投与回数を増やすほうが効果が期待できる。
濃度依存性のキノロン系、アミノ配糖体系は、一回の投与量を増加させるほうが有効である。

2)抗生剤投与法
1. 一剤単独投与が抗生剤療法の原則
2. 併用が認められるのは、
1)複数菌感染。
2)高度耐性菌(MRSA のような)に明らかに相乗効果があることがわかっている場合。
●CMZ+FOMなど。
●FOM はMRSA の耐性機構であるPBP 2’の産生を抑制する。
●FOM はグラム陰性菌細胞膜に「地割れ」を起こす。
緑膿菌感染症に対するβ‐ラクタム系抗菌薬とアミノ配糖体の併用、心内膜炎に対するペニシリンとアミノ配糖体の併用などは有効である。
3)抗結核療法。耐性菌の出現を防止するため。
4)真菌性髄膜炎。FCZ(ジフルカン)+5-FC(抗真菌フルトシン) など。
5)PIPC(ペントシリン)+GM。PIPC にGM の腎障害を阻止する作用がある。
3. 殺菌剤と静菌剤の併用は拮抗作用があるため使用しない。

3)抗生剤の変更は細心かつ大胆に
1. 抗生剤を使い始めたら、原則として最低3 日間は経過観察し変えたり、追加したりしない。
2.  3 日間使って効果がなければ、抗生剤を変更する。
3. ただし、2 日間(48hr)使って、発熱・炎症反応が明らかに悪化している場合いは変更してよい。(抗生剤の選択理由、中止理由、変更理由を記載)
4. ときに発熱などで臨床症状がなく、CRP のみの陽性の時、あるいはCRP陰性で発熱のみある時など抗生剤を中止して様子をみる
5. 抗生剤投与後、CRP 等が改善傾向を示している時は変更しない

βラクタム剤の例外
βラクタム剤は1 日2g  ただし、例外もある。
PIPC,CMZ(セファマイシン系) は4g/日投与が一般的。
PAPM/BP(カルベニン), IPM (チエナム)は1g/日が常用量。
重症感染症:常用量の2 倍
敗血症・髄膜炎:常用量の3~4 倍

腎不全時の抗生剤の使い方

患者のCcr(あるいは血清Cr)を常にチェックし、腎排泄型のβラクタム系抗生剤をESRD(末期腎不全)の患者に投与する場合、常用量の1/4 量を静注投与する。(1 日2gが常用量であるなら、0.5gを1 日1 回投与する。)

透析患者の場合、使用する抗生剤の透析性を知る。
透析性のある抗生剤の場合、はじめに通常の1 回量(たとえば1g)を投与し、その後はESRD の場合と同様、透析終了直後に1/2 量(たとえば0.5g)投与する。

排泄経路による抗生剤の分類

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Ⅰ群(腎排泄型)腎機能障害の程度に応じて、投与量・投与間隔を調整
  アミノグリコシド、ポリペプタイド剤
  一部のテトラサイクリン剤(TCテトラサイクリン, OTCテラマイシン)
  5-FC(抗真菌フルトシン)、バンコマイシン

Ⅱ群(肝排泄型)Ⅱ群ならば、腎不全であっても通常どうり投与できる
  マクロライド剤 、クロラムフェニコ-ル
  テトラサイクリン(MINO, DOXYビブラ)、アンフォテリシンB
  ミコナゾ-ル、 リファンピシン
  一部のセフェム剤(CPZセフォペラジン, CPMセフピラミド)、クリンダマイシン

Ⅲ群(中間型)腎機能障害の程度に応じて、投与量・投与間隔を調整
   βラクタム剤(ペニシリン、セフェム、モノバクタム、カルバペネム)
   ホスミシン、イソニアジド

※β-ラクタム剤(ぺニシリン系、セフェム系、モノバクタム、カルバペネム)
1. 細胞壁合成阻害剤である。したがって、選択毒性高い。細菌にのみ有効
2. 殺菌性抗生剤である。静菌剤よりも優先的に使われる。
3. β-ラクタマ-ゼ安定性導入によって抗菌力が増強。
4. 基本的にMRSA に無効である。

腎障害と抗生剤

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腎機能障害時に投与量を調節しなくて良いのはセフォペラゾンとクリンダマイシンである。
アミノノグリコシドとニューキノロンは1回の投与量を十分量投与して血中濃度を高くしてかわりに回数は1~2回/dayとする。

腎機能の程度           該当抗生剤

0.腎機能にかかわらず   EM、CLDM、CP、DOXYビブラ、MINO、CPZ、
 投与量変更不要    ABPC/MCIPC(ビクシリンS)、RFP 、CTRX(ロセフィン第3)、
000000000000000CCL(ケフラール第1)

1. 軽度~中等度の腎機能   TIPC、CEZ、SM、KM、GM、TOB、AMK、NTLネチリン、
 低下時に減量が必要   PL-Bポリミキシン、CL、VCM、TEICタゴシッド、IPM/CSチ
0000000000000000000エナム、OFLXタリビット

2. 高度腎機能低下時に   PCG(ペニシリンG)、ABPC、AMPC(アモキシシリン)、
 減量が必要      CET、CEX、CMD、CFXセフスパン、CTX(クラフォラン第3世
000000000000000代)、CZXエポセリン、PIPCペントシリン、ST合剤000000000000000バクタ、CTT(セフォテタン)、CAZモダシン、CXM-AXオラセフ、
0000000000NAウイントマイシン、CPFXシプロキサン、NFLXバクシダール、
0000000000TELケテック

3. 腎機能低下時に禁忌 サルファ剤

●健常人と腎不全期の半減期

0000000000000健常人半減期    末期腎不全半減期
ペニシリン系   1時間       AMPC 5~20時間
0000000000000000000000000000ABPC7~20
0000000000000000000000000000PIPC 3.5 ~5.1
セフェム系   1.0~1.9       CEZ 40 ~70
0000000000000000000000000000CTM 7.0
0000000000000000000000000000CPZ 2.3
0000000000000000000000000000CAZ 13~25
0000000000000000000000000000CTRX 15
アミノグリコシド系 1.4~3.000000GM 20~60
0000000000000000000000000000AMK 17 ~150
キノロン系  4 ~8000000000000CPFX 6~9  00000000000000000000000000
0000000000000000000000000000LVFX 76
マクロライド系 1.4~700000000EM 5~ 6   0000000000000000000000000
00000000000000000000000000CAM 22
その他
GM      4 時間       200 ~ 250時間
TEC        450000000000 62~230
AZT      2000000000000 6~ 8
CLDM       2.80000000000 2.8
RFP       4.00000000000 8.0

外科領域の抗生剤

●清潔、準清潔手術、
000細菌は表皮の常在細菌であるグラム陽性菌が対象。
000第1世代セフェム系抗菌薬が適切。
●消化管内容物による汚染の可能性がある手術
 グラム陰性腸内細菌が対象; 第2世代セフェム、
 あるいは嫌気性菌もあわせて、セファマイシン系の第2世代セフェムが適切。
●MRSA保菌者の手術、心臓血管外科や整形外科的手術、長時間の手術
  バンコマイシンの術中投与も有効。
  投与皮切前30分前から投与し、手術中に血中濃度が維持されるように投与する。
  8時間を越える手術や出血の多い手術では追加投与も行う。
  術後の予防的抗菌薬の投与期間は3日間以内とする。
●内視鏡検査
  口腔や腸管の常在菌を目的; 第2、3世代セフェムなどが選択。

細菌性肺炎のエンピリック初期治療(培養結果が判明する前の選択)

1. 誤嚥性肺炎を疑う場合
0000抗菌薬の前投与がない場合:ペニシリン系(ビクシリン、ペントシリン)
0000β-ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系(ユナシン、タゾシン*)
2. 原因微生物不明の院内肺炎、感染症
① 基礎疾患が重篤でなく、感染症が軽症~中等症:
0000β-ラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系(ユナシン、タゾシン*)、
  第2世代セフェム(パンスポリン)
② 基礎疾患が重篤あるいは感染症が重症:
0000第4世代セフェム系(マキシピ-ム、ブロアクト、ファーストシン)、もしくはカルバペネム系(チエナム、カルベニン、
0000メロペン、オメガシン)に、肺炎が重症の場合はレジオネラ
0000肺炎を否定できないのでキノロン系抗菌薬(シプロキサン、
0000パズクロス)を併用する。
③ 薬物アレルギー:
00薬物アレルギーで上記抗菌薬が使用できない場合、
00薬物アレルギーの既往でβ‐ラクタム系が使用できない場合:
0000クリンダマイシン(ダラシン)とアミノ配糖体系(アミカシン、トブラシン、ゲンタシン)の併用
あるいはモノバクタム系(アザクタム)と併用する。

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抗菌薬選択のステップ・アップ(主にエンピリック治療の場合)

  軽症~中等症
      ⇓
   標準薬
     第1世代セフェム セファメジン
     第2世代セフェム パンスポリン、セフメタゾン、フルマリン
     β‐ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン  タゾシン、ユナシン
   併用薬
     モノバクタム(グラム陰性菌) アザクタム
     クリンダマイシン(グラム陽性菌、嫌気性菌) ダラシン
     ミノマイシン(グラム陽性菌、MRSA、非定型病原体)ミノマイシン
  重症(感染症の存在が生命予後に重大な影響がある場合)
   標準薬
00000000第3世代セフェム :: モダシン、スルペラゾン etc
00000000第4世代セフェム : マキシピーム、ブロアクト、ファーストシン
00000000カルバペネム : チエナム、カルベニン、メロペン、オメガシン
00000000ニューキノロン : シプロキサン、パズクロス、パシル
       ⇓
原因微生物同定・感受性試験成績・臨床経過
      ⇓
 抗菌薬の変更や追加
      ⇓
効果不十分時、移植等免疫不全状態の症例に追加を検討する薬剤
真菌感染         MRSA
ジフルカン       バンコマイシン
アンコチル       タゴシッド
ファンギゾン      ハベカシン
ファンガード      リマクタン
ブイフェンド      バクタ
プロジフ        ミノマイシン

従来はEscalationが主流でしたが、最近、De-escalationという新しい考え方が提唱されるようになりました。
院内肺炎の場合、これまで抗菌薬の投与を受けた患者さんが、MRSAや緑膿菌などの
耐性菌が原因となる可能性があります。そこで、原因細菌が不明の初期治療の段階で
これらの細菌を広くカバーする抗菌薬を投与します。
デエスカレーション療法の実施は原因菌が判明することによって3日後には
抗菌薬を適正化する場合に限定されます。
右図のデエスカレーションでは、最初にカルバペネム系+キノロン系+バンコマイシン
の3剤を併用投与し治療開始3日以内に、レジオネラがなどがいないことが確認できれば
キノロン系を中止し、MRSAがいなければバンコマイシンを中止し、培養結果から
感受性が分かればペニシリン系に変更するという方法です。

※''患者がまてるか・まてないか、が重要、待てるならきっちり診断して狭く、
待てないなら(ショック、低酸素、強心剤使用)広くいって、狭める''

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MRSAが検出された場合

① 通常無菌のところから検出(血液、胸水、髄液、血管内留置カテ、関節液、骨組織)
  ⇒治療を開始
② 検出されたMRSAが定着・感染か不明の場合(喀痰、尿、便、分泌物、カテ先)
    ●発熱・咳などの臨床症状がある。
    ●画像で肺炎の存在を確認
    ●白血球、CRPなどの炎症反応が陽性
    ●膿性喀痰、グラム染色で貪食像がある
    ●喀痰中にMRSAが10の6~7乗CFU/ml以上存在
    ●膿尿の存在
    ●尿中にMRSAが10の4乗以上存在
    ●発熱・下痢などの臨床症状がある。
  ⇒これらの項目が多いほどMRSAの可能性が高くなる。
③ MRSAが検出されなくても
   ●先行抗菌薬が無効の場合
   ●真菌感染症が否定された場合
   ●易感染状態の宿主
   ●長期入院の症例
 以上の項目でMRSA薬を考慮する。

VCM       TEIC(タゴシッド)    ABK     LZD(ザイボックス)
細胞壁合成阻害  細胞壁合成阻害  蛋白合成阻害   蛋白合成阻害
殺菌的      殺菌的        殺菌的   静菌的
腎機能低下には   腎機能低下には   腎機能低下には  
用量・用法の調整 用量・用法の調整  投与間隔をあける 
G(+) ○        ○         ○      ○
G(-) X        X         ○      X
副作用  
腎VIII神経    肝腎VIII 神経   腎VIII 神経   骨髄
2g/分2~4    初日800mg/分2   200mg/分1   600mg/分2
000以後400mg/分1
投与時間
1時間以上     30分以上   30分~2時間  30分~2時間

←←←←←← 敗血症・肺炎・肺膿瘍・膿胸 →→→→→→→→→
膿皮症                       膿皮症 
心内膜炎
0000慢性呼吸器
0000二次感染
腹膜炎
化膿性髄膜炎
0
0
TEICの投与方法は初日は1回400mg,1日2回、2日目以降は1回400mg、1日1回を30分以上かけて点滴し1週間の投与期間を原則とした。
重要な院内感染症の一つであるMRSA感染症は多剤耐性菌による日和見感染症として理解され第2第3セフぃム系薬剤の使用、免疫不全状態、広範囲熱傷、外科術後およびIVHなどのカテーテル留置が発症の中心になっている。
TEICの特徴としてβラクタム薬を中心とする広域抗生物質との間で優れた相加・相乗
効果が示されており広域抗生物質併用により臨床的有効例が6割を超え、血中トラフ値
(5~10μg/ml)超のレベルに依存するため早期に血中トラフ値上昇をめざす必要がある。
初日に高容量を投与するローディングドーズとして800mg以上を投与でき、
Vancomycinやarbekacinに比べて腎機能に対する悪影響は少ない。

以上の薬剤は実際の臨床の場ではTDM解析ソフトを用いて投与量を決定した方が良いでしょう。

救命を優先する重症感染症

検体採取後、速やかにほとんどの広域抗菌薬を迅速に投与。
I群と2群の抗菌薬から、患者病態に合わせて抗菌薬を選択し併用。
原因微生物が判明した場合は抗菌薬を絞って投与。
3日間で改善が見られない場合は、さらに原因微生物を検索しながら抗菌薬の変更を検討する。
1群
カルバペネム系注射用抗菌薬
第4世代セフェム系(マキシビーム、ファーストシン)注射用抗菌薬+クリンダマイシン
第3世代セフェム系(モダシン、スルペラゾン)注射用抗菌薬+クリンダマイシン
モノバクタム系(アザクタム)注射用抗菌薬+クリンダマイシン
グリコペプチド系(VCM、テイコプラニン)注射用抗菌薬+アミノ配糖体系(アミカシン、ゲンタシン)
注射用抗菌薬
2群
マクロライド系抗菌薬
テトラサイクリン系抗菌薬
キノロン系抗菌薬

臓器移行性

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  • 肝臓移行性(代謝・排泄)の良い薬剤
    セフォペラゾン(CPZセフォペラジン)、セフトリアキソン(CTRX)、クリンダマイシン(CLDMダラシン)、ミノサイクリン(MINOミノマイシン) リファンピシン(PFP)
  • 髄液移行の良好な薬剤
    アンピシリン(ABPC) セフォタキシム(CTX)、セフトリアキソン(CTRXロセフィン) セフタジジム(CAZ) ,メロペネム(MEPM)、   クロラムフェニコール(CP)
  • 腎障害時に投与量の調整が必要な代表的な薬剤
    バンコマイシン(VCM)、ゲンタマイシン(GM) テイコプラニン(TEIC) セファゾリン(CEZ)

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腎障害、肝障害時の抗菌薬の調節

  • A 腎障害
    毒性域-治療域 クレアチニン・クリアランスに応じて投与量を決定する
    1. 腎障害時のLoading dose(初回増量投与)と維持量:
    腎排泄性の薬剤はloading doseが必要な場合は通常量と同じ量を投与する。
    維持量と投与間隔をCcrによって変更する。
    Ccr 40~60ml/min 投与量 1/2 投与、間隔は通常と同じ
    Ccr 10~40ml/min 投与量 1/2 投与、間隔を2倍に延長
    肝臓排泄性の抗菌薬を選択する
    2. アミノ配糖体系:毒性域と治療域が狭く、かつ腎毒性がある。
    一日一回投与が腎毒性を軽減する。
    ただし、腸球菌による心内膜炎のみは唯一の例外で8時間おきに投与する。
    アミノ配糖体による尿細管障害を発見する最もよい方法は尿細管円柱(上皮円柱)の定量である。
  • B 肝障害 (Ccrのような指標がない。)
    軽度から中等度の肝機能障害では肝排泄性の抗菌薬の量の調整は不要
    高度の障害の場合は、肝排泄型の薬剤の投与量を調整するか、腎排泄型の抗菌薬を選択する(ミノマイシン、ダラシン、ロセフィン)

抗菌薬投与に関連するアナフィラキシー対策

初回投与時に
1. アレルギー歴、薬物によるアレルギー歴、抗菌薬によるアレルギー歴について問診を確実に行ない、カルテに記載する
2. 患者さんにアナフィラキシーの予兆となる症状*を説明し、
異常を自覚した場合はコールするように説明する。
3. 点滴注入後、「投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。」
アナフィラキシーショックは、点滴開始後数分以内に起こる頻度が高く、早期発見と
迅速な対応が取れるように心がけていなければなりません。

* 投与時の観察項目と患者への自覚症状の説明
即時型アレルギー反応を疑わせるものとして、注射局所の反応では、注射部位から中枢にかけての皮膚発赤、膨疹、疼痛、掻痒感 などがあり、全身反応としては しびれ感、熱感、頭痛、眩暈、耳鳴り、不安、頻脈、血圧低下、不快感、口内・咽喉部違常感、口渇、咳嗽、喘鳴、腹部蠕動、発汗、悪寒、発疹、などがある。              

クームスの4つの分類

  • タイプⅠ(アナフィラキシー)。
    アナフィラキシーは薬剤投与後直ち(5~30分くらい)にびまん性紅斑、掻痒、膨疹、血管性浮腫、気管支痙攣、 喉頭浮腫、腸蠕動停止、低血圧、不整脈といった症状を呈し、死亡することもあります。IgEを介した免疫反応で、IgEがマスト細胞・好塩基球へ結合しヒスタミン等を遊離させるのでした。
    ペニシリンにアレルギーのある人の割合が約5%、抗菌薬全体で見るとアレルギーのリスクは1~3%とされています。ペニシリンでも0.001~0.05%。
  • タイプⅡ免疫グロブリン(IgG、IgM)による自己臓器への障害によるもので、間質性腎炎や溶血性貧血などがあります。投与1週間ほどで出現します。
  • タイプⅢ免疫複合体によるもので、血清病様反応を起こします。これも投与7~10日後ほどに出現します。原因としてセファクロル(ケフラール)内服が有名です。
  • タイプⅣ免疫応答によると思われている副作用
    タイプⅣはTcellを介した遅発性の過敏性反応で接触性皮膚炎があります。
    伝染性単核症(EBV、CMVによる)でアンピシリン投与すると50~80%の患者で皮疹が出現します。同様の症状は、慢性リンパ性白血病、高尿酸血症、アロプリノール服用時のアンピシリン投与でも起こります。 一般にウイルス感染では薬剤性の皮膚反応の出現頻度が増加します。 スティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson症候群)は多形滲出性紅斑の重篤なものとして知られます。一過性のインフルエンザ様症状の後に全身の粘膜に紅斑を主体とする病変を呈するものです。50%が薬剤性とされ、類縁疾患にTEN(Toxic epidermal necrolysis:中毒性表皮壊死症)があります。これはほとんどStevens-Johnson症候群とオーバーラップしていますが、 死亡率は30~40%とされています。Jarisch-Herxheimer 反応は梅毒・ライム病などのボレリア感染症においてペニシリンなどの抗菌薬を投与すると数時間後に発熱、 悪寒、筋肉痛、頻脈といった症状を起こすものですが、破壊された菌体が反応を起こすと思われています。
  • その他  播種状紅斑丘疹様発疹
                                   
    アナフィラキシーへの対応
    アナフィラキシーは最重症である心肺停止から、軽症の皮膚症状のみのものまで重症度は様々ですが、先に述べたような、 薬剤投与後直ち(5~30分くらい)にびまん性紅斑、掻痒、膨疹、血管性浮腫、気管支痙攣、喉頭浮腫、腸蠕動停止、低血圧、 不整脈といった症状を呈します。

軽症…びまん性紅斑、掻痒、膨疹、血管性浮腫
大量輸液、ポララミン5mg1A+ガスター20mg1A静注±ボスミン0.3mg筋注または皮下注)(もしくはザンタック50mg1A)H2ブロッカーがスタンダードで効果的

中等症…気管支痙攣
軽症+ボスミン0.3mg筋注

重症…血圧低下、喉頭浮腫、不整脈
軽症+気道確保+ボスミン0.1mg静注

最重症…心肺停止…ACLSに準じ蘇生
※いずれもボスミンは必要に応じ2~3回反復投与される。
Cf. ボスミン1A(1mg)

基本はエピネフリンの投与です。
軽症例(例えば蕁麻疹)で強力ミノファーゲンCを投与される方がいるのですが、この場合もH1ブロッカー、 H2ブロッカー投与の方がスタンダードで効果が確定されています。

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周術期の予防的抗菌薬投与

1) 抗菌薬投与のタイミング
周術期予防的投与に用いられる抗菌薬は、執刀開始前60 分以内に投与を開始し、執刀時に投与を完了しておくべきである。
手術部位感染を起こす要因で最も重要なのが皮切時の菌の創部への混入、および、その後の感染の成立であるため、執刀時に血中の抗菌薬の濃度を最高にしておけば、軟部組織への移行が速やかであるCefazolin などの組織濃度も最高に保たれ、その結果抗菌活性が最大限に発揮される。
2) 抗菌薬の術中追加投与
手術時間が長くなり皮切から時間が経過した場合には、抗菌薬の追加投与を行う。
Cefazolin であれば手術開始後3 時間で追加投与を行うべきである。
3) 抗菌薬の合計投与期間
抗菌薬の予防投与については24 時間以内に投与を終了しても、それ以上継続した
場合と比べて効果に差は無いことが証明されている。
予防的抗菌薬投与を長期間にわたって行うと、抗菌薬耐性菌の検出および
耐性菌による術後感染のリスクがあがる。
欧州や北米では投与期間は24 時間以内、しかもその殆どが術中(皮切時と術中の
追加投与)のみの投与がひろく行われるという状況となっている。
ただし、手術部位にもともと感染がある場合(虫垂炎、憩室炎、胆嚢炎、腹腔内
膿瘍など)の手術や汚染手術(腸管穿孔、貫通創など)のばあいは「予防投与」
ではなく「感染に対する治療」が必要である。

周術期予防的投与に適した抗菌薬

1) Cefazolin(セファメジン® など)
Cefazolin(セファメジン®)1-2g 1 回
術後創部感染の起因菌で最も頻度が高く臨床的に問題となるのはS. aureus である。Cefazolin は日本で手に入る抗菌薬の中でこのS.aureus に対して最も抗菌力の
高い抗菌薬で2.5時間というセフェム系抗菌薬の中では非常に長い半減期を有し、
静注後の臓器への移行が速やかであり、比較的長時間高い血中濃度を保つこと
が可能である。
2) Cefmetazole (セフメタゾン® )もしくはCefotetan(ヤマテタン®)
Cefmetazole(セフメタゾン®)1-2g 1 回
腸管内の嫌気性菌(特にBacteroides fragilis)に暴露する可能性の高い
手術、具体的には大腸・直腸の手術等においては、S. aureus やBacteroides fragilis を
はじめとした腸管内嫌気性菌のカバーが必要である。
Cefmetazole もしくはCefotetan はこうした腸管内嫌気性菌に大変有効である
ばかりでなく、S. aureus もカバーしている。
腸管内(特に下部消化管)の嫌気性菌に暴露する手術においてはこれらの第2
世代セファロスポリン・セファマイシン系薬剤が予防的抗菌薬として推奨されている。
3) Vancomycin(バンコマイシン® )
1回15mg/kg :体重は実際の体重で算出する
重症のβラクタムアレルギーを有する患者や、MRSA 保菌者、MRSA 分離率の非常に高い医療施設においては、Vancomycin を周術期予防的抗菌薬として使用することが許容される。
4) Clindamycin(ダラシン® )
Clindamycin(ダラシン®)600mg 1 回
重症のβラクタムアレルギーを有する患者で、MRSA の保菌等を気にする必要が
無い場合には、Cefazolin の代替薬としてClindamycin を使用することも可能である。

周術期予防的投与に用いるべきでない抗菌薬

第3 世代セフェム系抗菌薬(ceftazidime, ceftriaxone, cefeperazon/sulbactam,
cefotaxime など)や第4 世代セフェム系抗菌薬(cefepime, cefpirome)など
は予防的抗菌薬として使用すべきではない。
理由としては① これら第3 世代や第4 世代抗菌薬はCefazolin と比較して
S. aureus に対し、抗菌力が明らかに落ちるからであり、②スペクトラムが広す
ぎると術後創部感染の原因菌だけでなく他の菌までカバーしてしまっており、
菌交代によりMRSA や多剤耐性緑膿菌などの難治性感染症を引き起こす細菌の出
現を惹起するからである。

                          
                                   

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