治療薬

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糖尿病患者が近年急増しており、予備軍を合わせると2000万人を超えると推測され、
その背景には、体質的に日本人は糖尿病になりやすいことに加え、生活習慣の変化や乱れがあります。
糖尿病を放置すると腎症、網膜症、神経障害などの合併症を引き起こすだけでなく動脈硬化が進み、
脳卒中やや心筋梗塞など新血管疾患の原因にもなることから早期診断・治療が欠かせません。
2007年の厚労省の調査によると「糖尿病が強く疑われる人」(糖尿病)が1320万人、糖尿病の可能性が否定出来ない人」(予備軍)が1320万人、合わせて2210万人にものぼっています。
HbA1cを下げれば細小血管障害の合併症はほぼ確実に予防できますが脳卒中や心筋梗塞などの発症は必ずしも抑制できません。心血管合併症の予防のためにはHbA1cに加え、血糖の日内変動を小さくするようにコントロールすることが課題です。
血糖をコントロールする上で大切なのは低血糖を防ぎ肥満。高インスリン血症を是正することが大切です。日本人の糖尿病の主因はインスリン分泌不全でその発症にはインスリン抵抗性が関与しており、インスリン抵抗性の代償として認められる高インスリン血症は、脂質異常、高血圧、動脈硬化などを引き起こし、脳卒中や心筋梗塞など心血管イベントのリスクを高めます。
インスリン抵抗性の一番の原因は肥満ですから肥満を助長しないようにしなければいけません。

2型糖尿病の治療のありかた

[I]膵β細胞の保護と動脈硬化の予防

JDS2000年のデータでは、死亡時年齢は、日本人の平均寿命に比べ男性では10才、女性では13才短いというデータがあります。
動脈硬化性疾患の危険因子である食後高血糖は糖尿病の早期の段階から現れますがHbA1c値に反映されにくく、2型糖尿病患者では食事摂取のたびに血糖上昇や高TG血症が引き起こされ、これにより酸化ストレスが血管内皮細胞という防潮堤を傷害しております。
内因性インスリンは肝で分解されるため末梢の高インスリン血症を招かず結果的に動脈硬化の発症を防ぐことになりますが、わずかな食後高血糖の繰り返しが動脈硬化を進展させます。通常、分泌されたインスリンが膵β細胞のIRS-2という蛋白を活性化することでアポトーシスを抑制しているが、膵β細胞が高血糖にさらされると強い細胞ストレスになり、インスリン分泌が低下し、IRS-2の活性化が障害されてアポトーシスが誘発されます。
2型糖尿病では膵β細胞のアポトーシスが増加し膵β細胞機能が経時的に低下していきます。
正常な膵β細胞はインスリン抵抗性による膵β細胞負荷に対し代償的に膵β細胞機能を亢進させ、耐糖能が維持されます。
ところが、遺伝的に膵β細胞機能に脆弱性があり代償不全が起こると膵β細胞の機能低下を招き2型糖尿病が発症すると考えられていますので、膵β細胞の機能低下を防ぐには膵β細胞の保護を考慮した治療が求められます。

参考
動脈硬化疾患予防ガイドラインでは糖尿病がある場合は他の危険因子がなくても高リスクに分類している。
その管理目標はLDLが120未満、HDLが40以上、TG150未満である。

食事・運動療法ではLDLの有意な低下は見込めない。
低炭水化物食による体重減少は期待できるがLDL低下は実証されていない。
エゼミチブ(ゼチーア)は単独投与または併用投与でLDLを有意に低下させるが冠動脈の一次・二次予防効果のエビデンスはなく、同様に、フィブラート系投与も糖尿病の冠動脈疾患一次・二次予防効果のエビデンスはまだない。
糖尿病患者でのスタチン投与による冠動脈疾患予防(一次・二次とも)効果のエビデンスが存在している。

2型糖尿病患者では非糖尿病に対して動脈硬化疾患の発症率が2~3倍に増加する。
イギリスでの大規模介入試験で2型糖尿病における有意な冠動脈疾患危険因子
1位 高LDL血症 ハザード比 2.26
2位 低HDL00000000000000 1.82
3位 高血圧00000000000000 1.82
4位 高血糖000000000000001.52
5位 喫煙00000000000000001.41

「糖の流れ」の是正手段

①食事療法 ②歩行療法 ③αGI ④メトホルミン ⑤ピオグリタゾン
⑥グリニド ⑦SU薬 ⑧DPP4阻害薬 ⑨GLP1アナログ ⑩インスリン注射療法

DPP阻害薬によって、食事を摂った時に腸から分泌されるインクレチン(GLP1やGIP)がインスリン分泌を刺激し、
その結果、肝が糖を取り込むと食後の血糖応答が良くなり、さらに、グルカゴンの分泌をGLP1が抑える
ことによって肝からの糖の放出を抑え、血糖値が下がると考えられている。
糖の流れの中にインスリン分泌だけでなく、グルカゴンの分泌動態も血糖応答に大きな影響をおよぼしている。
インクレチン(GLP1,GIP)は、血中のDPP4分解酵素によって分解されてしまいます。
これを阻止するためにGLP1アナログ受容体のアゴニストを注射をしたり、DPP4阻害薬を用いてGLP1、GIPに
よる膵β細胞からインスリンを分泌させたり、β細胞からインスリン分泌を促します。
筋肉が糖を取り込んだり、肝が糖を放出することにより血糖値は一定に保たれている。
健常者では、食事を摂ったというシグナルが、GLP1を介して脳から肝、肝から膵へと情報を伝え、
肝が糖を取り込んで血糖値の乱れを防いでいる。
2型糖尿病ではインスリンが少なくグルカゴンが相対的に多い。
ここに、GLP1インクレチンが上手く働くとインスリンが増え、α細胞からのグルカゴンが抑えられ、
インスリンとグルカゴンのカクテルの比が肝の糖の取り込みを高める方向へ働き血糖値が良くなる。
2型糖尿病ではインスリン分泌が少なく、インスリンによるα細胞からのグルカゴン分泌抑制不良となり、
門脈内のインスリン・グルカゴン・ブドウ糖のカクテルの比率が肝・糖取り込み率と肝・糖放出率が
健常人とかけ離れている。

DPP4阻害薬を用いるとGLP1によりβ細胞からインスリンの素早い分泌があり、隣にあるα細胞から
グルカゴンが抑制される。
単純糖質を控えたり、αGIによりブドウ糖取り込みを緩やかにしてやると
GLP1の分泌が高まり、TZD、メトホルミンなどにより、肝糖取り込み率を上げ、
肝糖放出率を抑えることにより肝を通り抜けるブドウ糖が減り、夜間高血糖が抑制されます。
DPP4阻害薬はGLP1レベルを高めインスリン分泌を促しグルカゴン分泌を抑制し、
肝の糖を取り込み易くし、糖放出を抑えて血糖コントロールしている。
メトホルミンはグルカゴンの分泌を高めることが分かっており、SU薬もグルカゴン
分泌を高める方向になっている。
これらの種々の働きによりインスリンカクテルの比率が調整されます。

食後血糖値を決める重要な因子は肝・糖取り込み率であり、2型糖尿病では、肝・糖取り込み率の低下→食後高血糖→膵β細胞のアポトーシス増加、インスリン分泌の低下→肝へのインスリン供給低下→肝・糖取り込み率の低下、という悪循環が起こっています。
そこで、肝・糖取り込み率を上げる治療を行い、食後高血糖を抑え、インスリン分泌を保つという好循環に変える必要があります。

  • ①食事・運動療法で脂肪肝・脂肪筋を改善する。
  • ②グリニドなどを用い肝に速やかにインスリンを供給する。
  • ③毎食前の血糖値を正常域に保持するために間食を禁止し、かつ000食後血糖応答を素早く改善する。
  • ④αGIなどを用いて肝へ一気に大量ブドウ糖の流入を防ぐため0000必要な手段を組み合わせて行う。
  • ⑤内因性インスリン分泌を保持する。

これらにより食後高血糖が改善されると夜間の基礎インスリン分泌も回復し、朝の空腹時血糖値が低下してくる。

[III]薬物治療によりインスリン/グルカゴン/ブドウ糖のカクテル比率の是正

2型糖尿病ではインスリン分泌が少なく、インスリンによる抑制不全でグルカゴン分泌は過剰であり、食後ブドウ糖は一気に大量に肝に流入し→肝・糖取り込み率は不良で、食後高血糖となる。
夜間にはグルカゴン優位のため肝・糖放出率が全身糖取り込み率を上回り、空腹時高血糖をもたらしている。
そこで、治療として、インクレチンによるインスリン分泌刺激、分泌されたインスリンによる直接的なグルカゴン分泌抑制、αGIによるブドウ糖流入の緩徐化、αGIによるGLP-1分泌亢進が、総合的に門脈内のインスリン/グルカゴン/ブドウ糖のカクテル比率を健常人に近似した状況にする。
一方、肝でのインスリンの働きをメトホルミン、ビオグリタゾンなどで高めることにより、肝・糖取り込み率が高まる→食後血糖応答の正常化、夜間の肝・糖放出率が抑制され空腹時血糖値の正常化がもたらされる。

[IV]最初から作用の異なる薬剤の併用

2型糖尿病の患者さんはひとりひとり糖の流れが異なります。
食事・運動療法の効果を高めるαGI、メトホルミン、TZDなどの薬剤の投与を食事・運動療法と併用して行い、さらにインスリン分泌の低下を補うためにグリニドを併用することにより低血糖を起こさずにHbA1cを正常値に近づけることは十分に可能です。
2型糖尿病の治療にあたっては

  • ①毎食後の血糖値の急上昇を抑える。
    001)肝臓への大量のブドウ糖の流入を防止するために清涼飲料水を禁止し食事はまず食物繊維から食べる。
    002)門脈に速やかにインスリンを供給するためにグリニドが登場。
    003)肝でのインスリンの働きを高めるにはメトホルミンやチアゾリジンを用いる。
  • ②低血糖を起こさない。
    00メトホルミンやαGIは低血糖を起こさない。
    00膵β細胞を刺激することなく高血糖を抑える。
  • ③膵β細胞のインスリン分泌力を保つ

の3つをすべて満たす手段を用いるべきである。

[V]治療の原則

治療の原則は,発症8~10年以上経過している例では厳格な血糖コントロールはしない.
発症10年未満を目安に,厳格な血糖コントロール(HbA1c 6.5%未満を目標)をする.

発症早期(8~10年まで)
HbA1c 6.6%程度の厳格な血糖コントロールを目指す(低くしすぎない).
発症から8~10年以上経っているコントロール良好例
00続けられれば厳格な血糖コントロールを継続します.
発症から8~10年以上のコントロール不良例
 経口血糖降下薬で治療している場合: HbA1c 6.6~8.6%を目標
 インスリンで治療している場合: HbA1c 7.1~7.6を目標
 高齢者の場合は,低血糖の回避のために,HbA1c 7.0~8.0(~9.0)%程度を治療目標とするのが良いと考えられます.

▶▶▶糖尿病性網膜症がある場合には,
最初の1~2年の血糖コントロールはHbA1c 8.6%に甘くコントロールし,それ以降はHbA1c 6.6%程度に厳格なコントロールをするという戦略を取ればよい.
▶▶▶メトホルミンの次に加えるべき薬は 
経口血糖降下薬(OHA)<oral hypoglycemic agent>で大血管障害を予防できることが証明されているのは,
肥満患者におけるメトホルミンと,8年間治療を継続した場合のインスリンとSU剤(ただし,効果は8年以降:Legacy effect)のみ。
インスリンにはメトホルミンを併用
SU剤(アマリール,オイグルコン,ダオニールなど)や速効型インスリン分泌促進薬(ファスティック,スターシスなど)よりも,''メトホルミン(メデット,メルビンなど)やαグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ,ベイスンOD,セイブルなど)を選んだ方が合理的''だと思われます.
メトホルミンは肥満患者で有効というエビデンスがあるのみで,痩せている患者でもHbA1c低下効果としては悪くありません.
メトホルミンの投与量は,インスリンの投与量を最大限抑えるために,750mg3×で投与します.

大規模臨床試験             

  • ヒトにおけるMetabolic Memoryの存在を示唆した大規模研究として
    DCCT(Diabetes Control and Complications Trial)/EDIC(Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications)およびUKPDS 33(United Kingdom Prospective Diabetes Study) /UKPDS 80 (1997~2007)があります。
  • DCCT/EDICは、1型糖尿病を対象に、合併症抑制における厳格な血糖コントロールの意義を検証した試験であり、DCCTにおける6.5年間の追跡により、強化療法群で細小血管障害の有意な抑制効果が確認され、試験終了後、さらに追跡を続けたEDICでは、11年後に細小血管障害とともに大血管障害の発症も有意に抑えられることが示されました。(DCCT/EDIC Study Research Group: N Engl J Med 353: 2643-53, 2005)。
  • UKPDS 33では2型糖尿病患者を対象に実施された強化療法による大血管障害抑制効果に有意差が認められなかったが、その後の追跡調査UKPDS 80において、細小血管障害の進展リスク低下に加え、心筋梗塞(p=0.01)や死亡(p=0.007)に関しても有意なリスク低下が確認されました。(Log-Rank test、Holman RR et al.: N Engl J Med 359(15), 1577-1589, 2008)、
    同研究では、こうした初期の良好な血糖コントロールによりその利益が継続し、
    1型糖尿病、2型糖尿病いずれにおいてもLegacy Effect という現象が存在することが示唆され、高血糖が記憶されないよう、可能な限り早期から介入を行うことが重要で、それが最終的に細小血管障害、大血管障害の両方の抑制につながります。
    Metabolic MemoryとLegacy Effectは同じ現象と考えることができる。
    糖尿病の治療開始時点でしっかり治療することは、その後の大血管障害を有意に抑制しうることが示唆され、これはMetabolic Memoryによるものである。
    同様の知見が、新規発症2型糖尿病患者を対象としたUKPDS33(United Kingdom Prospective Diabetes Study)の追跡調査であるUKPDS 80でも示されている。
    画像の説明
  • ACCORD試験(2008)では、「HbA1c 6.0%以上」に加え、「空腹時血糖値 100mg/dL以上」、「食後2時間血糖値140mg/dL以上」を設定し、インスリン頻回注射+SU薬を含む経口薬2~3剤の併用療法を中心とした強化療法が行われ、その結果、血糖は急激に降下し、重症低血糖が高頻度に認められた。強化療法群において総死亡が有意に増加したことから、当初は血糖が下がると死亡が増加するかと思われたが、厳格な血糖管理が死亡を増加させたと短絡的に解釈するのではなく、インスリンやSU薬を含む複数の内服薬を用いた急速な血糖降下療法が重症低血糖、体重増加などを招いた結果である可能性が指摘されている。
    最近、血糖コントロールと死亡リスクに関する解析結果が発表され、強化療法群ではHbA1cの6%から9%への上昇により死亡の増加が確認され、厳格に血糖がコントロールされた患者の予後は良好であった。
  • UKPDS 35では、HbA1cの上昇とともに冠動脈疾患リスクが高まることが示された(Stratton IM et al.: BMJ 321(12), 405-412, 2000)。
    また、急性冠症候群患者において、空腹時血糖値100mg/dL未満の死亡を1とした場合、空腹時血糖値が200-299mg/dLでは死亡の相対リスクが5.11倍、300mg/dL以上では8.00倍に達することが報告されている(Sinnaeve PR et al.: Arch Intern Med 169(4), 402-409, 2009)。さらに同研究では、空腹時血糖値が高いほど、死亡までの期間が短いことも示されている。
  • UKPDS試験終了から10年間の追跡調査結果を報告したUKPDS 80では、
    当初から強化療法を行った群では、細小血管障害とともに全死亡や心筋梗塞の有意な抑制効果が示され、診断早期の段階で血糖コントロールの介入を行えば長期にわたりその効果が持続することを示唆され、血糖が高いと死亡および心筋梗塞リスクが上昇し、血糖管理によるLegacy effectが認められたため、心血管イベントを防ぐためには早期から血糖コントロールに努める必要がある。
  • ADVANCE試験(2008)では、「HbA1c 6.5%以上」を治療変更の目安とし、SU薬のグリクラジド(第二世代)(グリミクロン)をベースとした強化療法が行われ、HbA1cは比較的ゆるやかに改善し、結果的に重症低血糖の頻度は少なかった。合併症を防ぐための血糖コントロールは、重症低血糖を可能な限り回避すべく、ゆっくり血糖値を下げることが大切である。
    グリメピリドは膵臓のSU受容体のみならず心筋のSU受容体にも結合するが、心筋のミトコンドリア膜への作用の違いから虚血プレコンディショニングを抑制しないというメリットも期待できる。

糖尿病に関する大規模試験(1993~2009)


1993年 DCCT(1型糖尿病・北米)         細小血管障害予防には
1995年 KUMAMOTO STUDY(2型・日本)     厳格な血糖コントロール
1997年 UKPDS(新規発症2型・欧州)       重要


1999年 DECODE STUDY(一般住人・欧州)   食後高血糖は心血管疾患の
                         リスクファクター


2006年 ADA/EASD 2型糖尿病治療コンセンサス  インスリン治療の開始はBasalの併用から


2007年 IDF 食後高血糖管理ガイドライン   血糖管理は空腹時・食後血糖
                       ともに同時に実施


2008年2月 ACCORD一部中止発表   厳格な血糖コントロール
6月  ADVANCE/VADT            必要性に疑問
9月  UKPDS 10年フォローアップ      厳格な血糖コントロール
                       「早期から」がポイント

SU薬およびメトホルミンを中心とした強化療法を行ったUKPDS(1997)では、HbA1cを1%低下させることにより、心筋梗塞や脳卒中、全死亡が有意に抑制されることが示されている。また、ハイリスク2型糖尿病におけるチアゾリジン薬の二次予防効果を検討したPROactive(PROspective pioglitAzone Clinical Trial In macroVascular Events Study2005)で心筋梗塞予防効果が示唆されたが、循環器疾患に伴う死亡リスクはSU薬と同等であることが報告されている。このPROactiveに続き、2007年以降は、厳格な血糖コントロールによる大血管障害抑制効果に焦点を当てたACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes2008)試験、ADVANCE(Action in Diabetes and Vascular Disease2008)試験、VADT(Veterans Affairs Diabetes Trial 2009)の成績が相次いで報告された。

2型糖尿病と診断された時点で、その機能は既に50%低下しており経年的に4%ずつ低下する。DAWN JAPANでも糖尿病の罹病期間が20年を超えるとインスリン治療が必要となる。
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AGE-RAGE系を介した血管障害メカニズム

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AGE(Advanced Glycation End Products=終末糖化産物)はタンパク質が糖化して、
還元糖から形成されるが、変質した最終糖化物質で、体内に糖がたくさんあればあるほど、タンパク質が糖とくっついてAGEがつくられる。
「メイラード反応」では、加熱により、焦げ目がついたり、キツネ色になることでありAGEがたくさん含まれます。
Metabolic Memoryとは、“過去にどのくらいの高血糖に、どの程度の期間曝露
されたか(diabetic exposure)が、その後の糖尿病血管合併症の進展を左右する”
という概念です。
高血糖が持続している状況下では、生体内のタンパク質が糖化されやすい状態にあり、グルコースなどの還元糖はタンパク質と非酵素的に反応してシッフ塩基、さらにアマドリ化合物が形成される。この反応はいずれも可逆的である。
さらに高血糖状態が持続すると、アマドリ化合物の一部がAGEsを形成する経路へと進み、不可逆的となります。
グリコアルブミンやHbA1cはアマドリ化合物であり、AGEsの前駆物質と言えます。
つまり、可逆的な反応の段階で形成されるため、血糖値を下げれば低下し血糖値に応じて変動します。

血管障害抑制の根本はAGEsを形成させないこと
血管を構成する細胞膜上には、AGEsの受容体RAGE(Receptor for AGEs)が存在し、AGEsと結合することにより情報が伝達され、酸化ストレスの産生を促し、炎症反応を惹起すると考えられております。
最近では、AGE-RAGE系とレニン・アンジオテンシン系がクロストークし、血管障害の進展にかかわっている可能性も報告されており、血管障害の発症には、AGE-RAGE系を含め複雑な情報伝達経路が関与し、AGEsは心血管疾患を予測する有用なバイオマーカーになりうる可能性があります。
 
経口血糖降下薬の歴史をふり返ると、1950年代にSU薬、60年代にビグアナイド薬が、90年代以降からはα-グルコシダーゼ阻害薬やインスリン抵抗性改善薬、速効型インスリン分泌促進薬、さらには第3世代のSU薬としてグリメピリドが登場し、最近ではGLP-1アナログやDDP-Ⅳ阻害薬が開発されました。
HbA1c6.5%未満を達成できている患者は約3割にとどまっているのが実情であり、高血糖状態が続けばAGEsが形成され、血管障害が進んでいくので、血糖コントロールの徹底のためには適切な薬剤を選択することが大切であります。

第三世代SU薬のグリメピリドは、投与開始4週目よりHbA1cの有意な改善がみられ、
その効果が維持されるほか、インスリン分泌促進に加え、インスリン感受性を改善する
働きも併せ持っていることから、BMIにかかわらずHbA1cを有意に低下させるという特徴がある。
また、グリメピリドは第二世代SU薬に比べ低血糖累積発現率が低いこと、第二世代SU薬からの切り替えによりBMIが25以下では体重の増減はなく、BMIが25以上では体重が減少することも報告されており、SU薬投与時にしばしば問題となる低血糖や体重増加への心配が少ない。
グリメピリドは心筋細胞のKATPチャネルに作用するが、心筋細胞内のミトコンドリアのKATPチャネルには作用しないため、グリメピリドでは虚血プレコンディショニングを阻害しないというメリットもある。
 

グリメピリド群では投与後1年以内にHbA1cが7.0%以下に低下し、以降5年間にわたりグリベンクラミド群に比べ良好な血糖コントロールが維持された。また、SU薬の投与に際し体重増加がしばしば問題となるが、グリメピリド群では体重増加は見られず、グリベンクラミド群に比べBMIが低値で推移した。さらに、グリメピリド群ではインスリン抵抗性の改善も認められ、かつ5年間を通して安定したインスリン分泌が保たれていることも明らかとなった。 SU受容体との結合速度、解離速度とも、グリメピリドはグリベンクラミドに比べて速い。グリメピリドによるβ細胞への負担が少ないことを裏付けている。

最近、経口血糖降下薬に加えて基礎インスリンを追加補充するBOT(Basal supported Oral Therapy)が広く用いられるようになった。
BOTの対象となるのはHbA1c7~9%であり、9%を超えると基礎インスリンだけでは十分な血糖コントロールは得られ難く、段階的な追加インスリンが必要になる。
血糖コントロール不良で入院した患者には、グラルギン+経口血糖降下薬のようなBOTへの変更も有用な手段になりうる。 同時に血圧および脂質異常にも積極的に介入し、トータルな管理を実践して合併症の発症・進展阻止につなげていくべきである。
BU薬、SU薬は、「両薬剤とも細小血管症に加えUKPDS等で心筋梗塞抑制効果が示されたうえ、長い歴史があり、予期せぬ副作用が出る可能性が少ない。

参考文献
1)日本神経治療学会ガイドライン標準的神経治療:手根管症候群
2)馬場正之:糖尿病に伴う神経障害 診断と治療 ポリニューロパチー.日内会誌 93:1556-1562,2004
3)岡本幸市:糖尿病に伴う神経障害 診断と治療 脳神経障害.日内会誌 93:1551-1555,2004
4)中里吉彦 他:糖尿病に伴う神経障害. 末梢神経障害 診断と治療 自律神経障害.日内会誌 93:1567-1572,2004
5)DCCT Research Group: New Engl J Med 329: 977-986, 1993
6)Ohkubo Y et al.: Diabetes Res Clin Pract 28: 103-117, 1995
7)EDIC Research Group: New Engl J Med 342: 381-389, 2000
8)Holman RR et al.: N Engl J Med 359: 1577-1589, 2008
9)Müller G et al.: Biochim Biophys Acta 1191: 267-277, 1994

▶インスリン 
インスリンの効果についての前向き臨床試験のうち,心血管疾患や死亡などの患者にとっての真のアウトカムとして検討されたものはほとんどなく、UKPDS 33(Lancet 1998;352:837)がSU剤とインスリンを用いて糖尿病網膜症を有意に減らしたというエビデンスのみが存在します.
近年では,OHAはそのまま,もしくは減量するに留めておき,インスリンを上乗せする形で併用した方が,インスリンの総投与量が減らせるので良いとされてきています.
4-T study(NEJM 2009;361:1736)によれば,1日1回の持続型と1日3回の超速効型を加える方が血糖コントロールが良好で,しかも,1日1回持続型の方が低血糖エピソードや体重増加も少なかったとされ、
長期的な心血管系イベントや死亡に対する効果はまだ分かりませんが,インスリン治療を行う場合は,現時点では,1日1回持続型のインスリンを用いるのが良いと思われます.

▶▶▶スライディングスケールによる血糖調節
実際には血糖値が乱高下するのが問題で、血糖が高くないときにはインスリンを
打たないので,じきに高血糖になり,これに対して高用量のインスリンを打つので
低血糖になります.
しかも,患者によってインスリンの感受性や抵抗性は異なるため,また合併する急性疾患に応じて耐糖能も変化するため,たとえ同じ血糖値であったとしても,同じ量の速効型インスリンを投与することによる血糖低下効果は異なります.
効果と安全性については,ほとんど研究が行われていません.

低血糖の害
 ・血糖<70mg/dLでは,カウンターホルモンとして分泌されるカテコラミンが不整脈を引き起こすとされ、特に高齢者や虚血性心疾患患者で起こします.
血糖<50mg/dLでは,一過性に起こる認知障害により転倒や誤嚥が起こります.
血糖<40mg/dLになると,痙攣や昏睡が起こります.

※非集中治療患者:ADA(American Diabetes Association)の推奨
 血糖コントロールの目標:空腹時血糖<140mg/dL,任意の血糖値<180mg/dL.
 ただし,これにはほとんどエビデンスはありません.
 空腹時血糖を90~100mg/dL以下にすると低血糖が起こりうるので注意すべきです.

▶▶▶絶食患者での血糖コントロールの方法
内服血糖降下薬を中止します。
血糖値が150mg/dL以上の場合,眠前ランタス開始します。
(ランタスが使用できない場合は,ノボリンNなどの中間型製剤を朝晩に等量2分割して
使用します).
開始単位数            ランタス単位数   (体重60kgなら)
150mg/dL<入院時血糖≦200mg/dL   眠前0.1単位/kg    (6単位)
200mg/dL<入院時血糖≦250mg/dL   眠前0.2単位/kg    (12単位)
250mg/dL<入院時血糖≦300mg/dL   眠前0.3単位/kg    (18単位)
300mg/dL<入院時血糖         眠前0.4単位/kg    (24単位)

血糖4検で測定し,以下の表に従って毎日増量の必要性を判定します.
最低値(通常は朝食前値)によって単位数を調整すると良いです.

増量単位数                ランタス単位数
血糖4検の最低値≦ 80mg/dL        8単位減量
80mg/dL<血糖4検の最低値≦140mg/dL   変更なし
140mg/dL<血糖4検の最低値≦200mg/dL   4単位増量
200mg/dL<血糖4検の最低値≦250mg/dL   8単位増量
250mg/dL<血糖4検の最低値≦300mg/dL   12単位増量
300mg/dL<血糖4検の最低値        16単位増量  

多くの教科書(Harrisonなど),レビュー(NEJM 2006;355:1903など)では,
絶食患者においても6時間毎に速効型or超速効型インスリンを投与するよう指示していますが,絶食患者では食事による血糖上昇がないわけですから追加分泌を補充するという意義のある日中の速効型インスリンの投与は不要と考えられます.
つまり,ランタスのみで空腹時血糖<140mg/dL,任意の血糖値<180mg/dL
できれば,速効型or超速効型の追加投与は不要です.

▶▶経口摂取中患者での血糖コントロールの方法
経口摂取中の患者の場合でも,速効型or超速効型インスリン投与は必ずしも必要ではなく、その一番の理由は効果とコンプライアンスのバランスです.
どのみち2型糖尿病ではインスリン治療によって合併症が予防できるというエビデンスはどこにもないのですから,患者の苦痛が増すだけでしょう.
経口血糖降下薬のみで可能な程度の血糖コントロールで大目に見るという勇気も必要でしょう。
本当にインスリンが必要な患者であっても,可能な限り1日1回注射で済むかどうか
トライしてみても良いと思われる.

▶▶▶集中治療患者:
ADAとACE(American College of Endocrinology)の推奨
 血糖値を140~180mg/dLにコントロールします.
 外科ICU患者では,80~110mg/dLにした方が予後がよいという報告もあります(NEJM 2001;345:1359)が,内科ICU患者では予後は変わらず低血糖が多かったという報告(NEJM 2006;354:449)があるため,そこまで厳しいコントロールにはしない方が良いでしょう.
 経口血糖降下薬,インスリン皮下注は中止し,微量輸液による持続インスリン(0.5~1単位/mlの濃度で調整)の使用が必要です.

経口糖尿病薬

症例
70才女性、2型糖尿病のため3年前から食事運動療法のほかにオイグルコン7.5mg/日を内服している。
6カ月前からBMI 32.2以上、HbA1c 7.3以上持続している。
さて、次の一手はどうしたら良いか。
考え方
糖尿病による細小血管障害(網膜症・腎症)のために血糖管理目標値としてHbA1c6.5未満が一般に推奨される。
2型糖尿病の根底にあるのはインスリン抵抗性とβ細胞機能不全(インスリン分泌予備能低下)であり、食事療法またはSU剤単独投与だけではβ細胞機能不全は進行することが実証されている。
そのためスルホニル薬二次無効ではインスリン分泌刺激薬の増量・追加・変更は効果がない。グリベンクラミド7.5mg/日と10mg/日の薬効はほぼ同程度である。
さらに、インスリン分泌刺激薬は体重増加をきたしやすくインスリン抵抗性が増加するリスクが高い。インスリン刺激薬とインスリン抵抗性改善薬の併用投与による共働効果は病態生理上も有利である。しかし、ピオグリタゾンは体重増加をきたしやすいがメトホルミンは来さないこととメトホルミンは合併症予防のエビデンスが豊富であることからメトホルミンのほうが相対的に有利である。

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①スルホニル尿素薬

ACCORD試験でも示されているように厳格な血糖管理が重症低血糖を多数発生させ死亡率の上昇につながっているのでSU薬により急激な血糖改善が増殖性網膜症をを発症して眼底出血やpost-treatment neuropathyを引き起こしたりするので低血糖を起こさないようにすることが重要である。SU薬のインスリン分泌動態は遅延気味です。
UKPDS33によるとSU剤やインスリンは細小血管障害は減らすが大血管障害は減らさない。
ACCORD,ADVANCE,VADT大規模臨床試験''で厳格な血糖コントロール群で心血管病変は減少したが死亡率が有意に上昇。
厳格にSU薬やインスリンを増量した結果、重症低血糖や体重増加が頻発し血糖の日内変動が大きくなり死亡率増加の原因となった。

膵β細胞におけるインスリン分泌促進のメカニズム
ブドウ糖は、細胞膜上の糖輸送担体(GLUT2)を介して細胞内に流入する。
ブドウ糖の代謝によりATP/ADP比が上昇するとSU受容体とKチャンネルの複合体で形成されているATP感受性カリウム(KATP)チャンネルが閉鎖する。
これにより細胞膜の脱分極が起こり、電位依存性のCa2+チャンネルが開き、細胞外からCa2+が流入してくる。こうして細胞内のCa2+濃度が上昇すると貯蔵されていたインスリンが 分泌される。
膵β細胞では主にKATPチャンネルを介してインスリンが分泌される仕組みになっている。
日本人2型糖尿病では、膵β細胞上のSU受容体に結合する事でKATPチャンネルを閉鎖させインスリン分泌を促進するSU薬が理にかなった薬剤である。
SU薬がKATPチャンネル閉鎖するには一定量のATPが必要となり、高血糖では膵β細胞を傷害しATPの産生が低下してしまう。
SU薬の二次無効は高血糖によるATPの産生低下によるものである。

  • [A] 血糖値が高くなるとglucoseが膵β細胞に取り込まれ代謝されてATPが産生される。
    このATPがATP感受性カリウムチャンネルを閉じると電位依存性カルシウムチャンネルが活性化してCaが細胞内に流入しインスリンの分泌が起こる。
    一方、消化管分泌インクレチンは膵β細胞膜上のインクレチン受容体に作用して膵β細胞内のcAMP濃度を高めることでグルコース依存性インスリン分泌を増幅させるだけですから単独では低血糖を起こしにくい。
    インクレチンを投与するとglucoseの代謝が改善されて膵細胞内の酸化ストレスが低下してATPの産生が回復しグルコース依存経路のインスリン分泌は改善される。
  • [B] SU薬はATP感受性カリウムチャンネルに作用して膵β細胞内のCa濃度を増加させることでインスリン分泌を促す。
    すなわち、SU薬は血糖値に依存せずに強制的にATP感受性カリウムチャンネルを閉じるので低血糖を起こしうる。

ビグアナイド薬

糖尿病治療の最大の目標は糖尿病合併症の予防であり、生命予後に大きな影響を及ぼす心血管合併症の抑制が重要であります。
UKPDSにおいてメトホルミンは2型糖尿病の心血管合併症抑制することが明らかにされており、その機序は、メトホルミンの血糖改善効果に加えて脂質代謝改善、動脈肥厚進展抑制、体重減少・食欲抑制、GLP-1増加作用などが示されています。

経口薬メトホルミンは、肥満とインスリン抵抗性のいずれか、あるいは両方が認められる2型糖尿病患者が対象である。

  • メトホルミンの主な作用機序は、肝臓における糖新生抑制であり、末梢組織における糖取り込みの促進、小腸における糖吸収抑制等を有しており、このような多彩な作用が複合的に寄与し、血糖降下作用を示したり、インスリンに対する細胞の感受性を高め、糖尿病患者のインスリンの血中濃度を低下させます。一方、糖新生系の遺伝子発現を抑制し血糖降下作用を示すことなども示唆されています。
  • メトホルミン単独投与による低血糖の発現頻度は極めて低いと考えられます。また、メトホルミンは体重増加をきたすことなく、血糖コントロールの改善が期待できる薬剤です。
  • ビグアナイド薬は、肝での糖新生を抑制し、骨格筋や脂肪組織へのブドウ糖の取り込みを促進させるが、インスリン分泌を介さず、インスリン感受性を高めることにより血糖を下げます。
    そのため、インスリン分泌が保持されているインスリン抵抗性主体の肥満例には特に血糖改善効果が期待できる。
  • ビグアナイド薬の最大の特徴は体重増加を来しにくいことである。
    副作用として乳酸アシドーシスや消化器症状が起こることがあり、腎排泄型であるビグアナイド薬は腎機能障害を有する患者には禁忌である。
    メトグルコは軽度の腎機能障害、軽度から中等度の肝機能障害には禁忌であり、高齢者には定期的に肝・腎機能を検査して慎重に投与します。循環不全や大量飲酒者は禁忌である。
    ヨード造影剤を使用する場合には、その前後2日間はBU薬投与を中止する。
    発熱や下痢による脱水も腎機能低下を招く恐れがあるので注意が必要である。
  • 発症早期にメトホルミンで治療した場合には心血管疾患全体・冠動脈疾患は減る。
    UKPDS34によるとメトホルミンはこの逆で大血管障害を減らした細小血管障害は減らさなかった。
  • メトホルミンの服用は、膵臓癌発症のリスクを62%低下させる。
    糖尿病が膵臓癌発症のリスク因子であり、膵臓癌の10%は糖尿病を合併する一方、インスリンまたはインスリン分泌促進薬の使用歴のある糖尿病患者は、使用歴のない者と比較して、膵臓癌リスクがそれぞれ4.99倍と2.52倍に上昇していた。
  • メトホルミンは多彩な薬理作用をもつことから、必ずしもインスリン抵抗性や肥満を伴っていない患者さんに対してもその効果が期待できると考えられます。
  • セイブルもメトホルルミンもインスリン分泌を介さず
    セイブルで食後高血糖を抑制しメトホルミンで空腹時血糖を抑制して一日の血糖変動を平坦化し、体重増加、低血糖の少ない膵臓にやさしい治療法である。
  • こんな使い方も(メトホルミン血中半減期6時間で腎排泄)
    RーRーRーSU
    RーRーRーメトホルミン(500)

実際の症例について考え方
呼吸数24/分 尿蛋白(++)1.2g/day FBS103 HbA1c5.8 BUN11 Crea1.28 LDL165 HDL30 Na140 K5.4 CL108 UA7.6   CK240

高齢者はCreaの増加が経度であっても実際には腎機能が落ちている。推算GFR43.4である。
BU剤は乳酸アシドーシスを起こすことがあるため軽度腎機能障害も含めて腎機能障害で禁忌である。Na-CL=32である。通常はanion gap12なのでAG=Na-(CL+HCO”)からAGが正常だとしてもHCO3は20と低下している。
呼吸数がやや増加しているから代謝性アシドーシスの存在が疑われる。
乳酸アシドーシスでAGが増加している場合はさらに代謝性アシドーシスは重篤と考えられる。
SU剤とアロプリノールは腎機能が遅延するため注意が必要であるが
以上の例では禁忌ではない。CKは軽度増加しているものの腎機能低下で説明がつく。
Kが高値であるが糖尿病性腎症の第一選択薬はレニン・アンジオテンシンII阻害薬でありK5.5以下が保たれていれば継続すべきである。

チアゾリジン薬

チアゾリジン薬は、PPAR-γ活性化作用により脂肪細胞を小型化し、アディポネクチンの分泌を高めると同時に中性脂肪の蓄積を内臓から皮下へ移行させるため脂肪肝や脂肪筋が改善される結果、インスリン抵抗性が改善される。
浮腫や心不全を起こす危険があるため心不全合併例・既往歴は禁忌で心疾患の合併・既往例、女性、肝・腎機能低下例、高齢者などは
少量から使用します。

肥大した脂肪細胞を分割し小さくしてインスリン抵抗物質の分泌を減少させるので大きな脂肪細胞はなくなるが、小さな脂肪細胞が増えます。
小さな脂肪細胞はインスリン抵抗物質を放出しませんからインスリンが有効に働き血糖が正常化する。
しかし、細胞が増えるということは細胞間隙も増えます。
細胞間隙の水すなわち細胞外液も増えます。これが将来の浮腫を形成します。

DPP4阻害剤

DPP4阻害剤の特徴

  • 確実な血糖降下作用
  • 強力な血糖降下作用
  • 低血糖の副作用が少ない
  • 体重増加をきたしにくい
  • β細胞保護・増生の可能性
  • 胆汁排泄が主で腎機能低下している人や高齢者に使いやすい 

SU薬には低血糖という懸念があるがDPP4阻害薬を用いてGLP1の働きを高めるDPP-4阻害薬は血糖依存性にインスリン分泌を促進し、単独では低血糖を起こさず、また、グルカゴン分泌も増えているので
グルカゴンの分泌も血糖依存性に抑制します。DPP-4阻害薬は体重を増やしません。
また、β細胞保護作用が期待されています。
高用量SU薬を用いている場合は、とりわけ、高齢者や腎機能低下者にはSU薬を一定量以下に減量してからDPP-4阻害薬を用います。
ACCORD,ADVANCE,VADTなどの成績から食後血糖を抑え、低血糖を回避し、インスリン抵抗性を悪化させないことが重要です。

  • GLP-1は脳に作用し食欲を落とし胃の蠕動運動を少し落とします。
    膵臓に働きインスリン分泌を高め、グルカゴンの分泌を抑制します。
    ヒトのマクロファージにもGLP-1の受容体がありGLP-1はマクロファージを介して動脈硬化の進展を直接的に抑え、また、マクロファージからのTNFαなどの炎症性物質の放出を抑えます。
  • 胃・十二指腸の蠕動運動を少し抑えて肝臓へのブドウ糖の流入を穏やかにします・・・腸管から分泌される内因性のGLP-1はで速やかにDPP-4によって分解されるがDPP4によるGLP-1の分解を抑制し血中GLP-1レベルを維持するのがDPP-4阻害薬。
    ブドウ糖が流れこんでくるとインスリン、ブドウ糖、グルカゴンのカクテル比が健常成人と同じ状況になることで肝が糖を取り込み、糖の放出を抑えることにより食後の血糖が抑制されます。すなわち、脂肪肝を治し、DPP4阻害薬によりグルカゴン分泌を抑制してやることで食後の血糖はコントロールされます。
  • 血中のGLP-1は膵臓β細胞膜上のGLP-1受容体に結合しインスリンや亜鉛の分泌を促すことが知られている。
    (分泌されたインスリンがα細胞に働いてグルカゴン分泌を抑えているという可能性やα細胞にGLPの受容体がありそこにGLP-1が働きグルカゴンを制御している可能性も考えられている)。
    GLP-1はベータ細胞からのインスリン分泌を強める働きがありますが、一方、DPP-4はこのGLP-1を分解する酵素ですので、分解されにくい構造のGLP-1を外部から注射したり、GLP-1を分解する酵素DPP-4の働きを阻害すればインスリン分泌が強まって血糖コントロールが容易になります。

保険適用薬
2型糖尿病で食事療法・運動療法で効果不十分な場合に併用可能
000000000000000000000000000000000併用可能薬
グラクティブ(シタグリプチン)単独・SU薬・BG薬・TZD薬・αGI薬・インスリン
エクア(ビルダグリプチン)単独・SU薬

αグルコシダーゼ阻害薬

αGIは、糖の吸収を小腸上部から小腸下部に移行させることにより食後の血糖上昇を抑える。消化器症状の副作用が高いほど1,5AGの改善がみられ、食後血糖をより改善する。

現代の食事には食物繊維が少ないこともあり炭水化物はその殆が小腸上部から消化・吸収される。食事の直前にαGIを服用すると小腸上部に多く存在する糖質分解酵素の働きが阻害され炭水化物の消化・吸収が遅れ小腸全体で消化・吸収されるようになり食後の急激な血糖上昇が抑えられる。

ヨーロッパでのDECODE studyでは糖負荷後2時間血糖と空腹時血糖に基づいて分類し血糖と死亡リスクとの関連を検討した結果、糖負荷後2時間血糖が高くなるにつれて死亡率が増加し、心血管イベントの発症と強く相関している。
空腹時血糖を改善しても血糖変動の改善には繋がっていないが食後血糖を改善すると血糖変動を小さくすることができる。 αGIは心血管イベントの発症を抑制する。

炭水化物の消化・吸収を穏やかにし肝臓へのブドウ糖の流入を穏やかにすることにより僅かなインスリンを有効利用して食後高血糖を改善し血糖の日内変動を安定化している。
αGIは血中のGLP-1を増加させ膵β細胞機能保護している。

グリニド系薬(速効型インスリン促進薬)

グリニド薬とSU薬の併用は認められていない。
グリニドのインスリン分泌量は多くはないがインスリン分泌を10~15分以内という速さで促します。
グリニドを投与して糖の流れを正常化しようとしても食後高血糖が残る場合は作用の異なる薬を併用します。

DMにおいて合併症を防ぎ予後を改善するには早期から血糖を管理し、血圧や脂質の管理を目指すべきである。Metabolic memory legacy effectと言われるように早期の介入が長期的予後に影響するこも明らかです。
糖代謝異常は食後高血糖の上昇から始まります。
食後高血糖の管理の重要性はACCORD試験からも明らかなように糖尿病の病態進展には食後高血糖が深く関わっており早期発症にみられる食後高血糖をしっかりとコントロールすることが長期的予後の改善につながります。

低血糖を起こさない安全な血糖管理を持続し、良好なHbA1cを保つには、グリニド系やαGI、DPP-4阻害薬といった食後高血糖の改善薬の役割が大きく、食後高血糖への介入は糖尿病進展抑制だけでなく膵島機能保持の面からも重要である (ただし、DPP-4阻害薬はグリニド薬からDPP-4阻害薬に切り替えた時に悪化する)。
一日を通じて血糖の変動が大きいと膵島に大きな負担をかけており、2型糖尿病では糖尿病と診断された時点からすでに膵β機能は50%が失われており、その後、経年的に低下していくので血糖値がかなり悪くなってから治療しても良好な血糖コントロールを得ることは困難であります。
膵β細胞機能低下は食後高血糖による糖毒性や酸化ストレス、さらに、高血糖が続くことにより膵β細胞のオーバーワークが関係しております。
肥満糖尿病モデルラットにグルファストとαGIを反復投与した研究では、膵β細胞のアポトーシスや炎症細胞浸潤が抑制され、同時に体重も有意に減少することも確認され報告されております。
臨床試験でもこれらグルファストとαGIの併用投与により強力な食後血糖改善が報告されていますので膵β細胞の機能保持の面からも有用であります。

kumamoto studyでも示されているように,食後高血糖が網膜症や腎症といった細小血管障害の進展と関連している.
1,5AGについては,
血糖値がある一定の値をこえて尿中に糖がでると腎臓で1,5AGの再吸収が阻害されて血中の1,5AGが下がります。このため軽度から中等度の糖尿病で食後血糖の高い患者さんでは1,5AGが低くなります。1,5AGは空腹時の採血で食後の血糖変動を把握できるため有用であります。HBA1cが良好にコントロールされていても1,5AGが低く、血糖が大きく変動している患者さんでは、1,5AGも3~6カ月に1度評価するべきです。

GAはHbA1cよりも半減期が短く糖化速度も速いと言われております。
HbA1cは空腹時血糖を反映しているのに対して''GA''は食後最大血糖と相関していることがわかりました。グリニド薬を使うと食後血糖を下げるのでGAを下げることができます。

保険適用薬
ミチグリニド(グルファスト)+ボグリボース配合錠(グルベス)
シュアポスト+αGI(セイブルなど)

GLP-1受容体作動薬

食事をとると小腸から分泌され、インスリンの分泌を促進する働きをもつホルモンをインクレチンといい、GIPとGLP-1があります。
GLP-1受容体作動薬は、小腸からの分泌されるGLP-1のかわりにGLP-1の受容体にくっつくことができるため、GLP-1のいろいろな作用を発揮することができ、腎機能への影響も少ない。
日本人はインスリンを分泌させる能力が低く、特に食後にインスリンを分泌する能力が低いので、GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌を促進させ、低血糖をほとんど起こさずに優れた血糖改善効果を示すため日本人の2型糖尿病患者さんに適した薬剤として期待されています。
ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)GLP-1の構造を少し変えて2型糖尿病のために製剤化し1日1回投与の薬にしたのがヒトGLP-1 アナログ注射液です。
インスリンを出させすぎたり、血糖値を下げすぎたりすることはなく、他の糖尿病薬と併用しないときには低血糖を起こしにくい。

GLP-1
ヒトの体では、食事をして糖質(炭水化物など)を摂取し血糖値が上がると小腸にあるL細胞からGLP-1という消化管ホルモンが分泌されます。
そして、すい臓のβ細胞表面にあるGLP-1受容体にくっつき、β細胞内からインスリンを分泌させます。
GLP-1は、血糖値が高い場合にのみインスリンを分泌させる特徴があります。
GLP-1には、インスリンを分泌させる作用のほかにもグルカゴンの分泌を抑制します。
また、すい臓のβ細胞の増殖などの作用が動物で確認されています。
その他、摂取した食物の胃からの排出を遅らせる作用や食欲を抑える作用などもあります。
GLP-1もDPP-4も体の中にもともとある物質です。
GLP-1は血管内皮細胞や上皮細胞、リンパ球などから産生されるDPP-4により数分間で
不活性化される。そこで、N末端34位のリジンをアルギニンに置換し26位リジン残基にグルタミンを付加してDPP-4による分解を免れGLP-1作用の持続を実現した。
GLP-1は血糖値が高い時だけ膵β細胞の惹起経路を増幅してインスリン分泌を促進することから血糖依存性に作用が発揮されて低血糖を起こしにくい。
また、IRS-2を上昇させることで膵β細胞のアポトーシス抑制する

保険適用薬
GLP-1 アナログ注射液(GLP-1受容体作動薬)
リラグルチド(商品名:ビクトーザ皮下注18mg)0.3mg 0.6mg 0.9mg
バイエッタ 5mg/10mg (値段が高いので患者から苦情が出る)

バイエッタに期待すること
●体重減少効果●食後血糖改善効果●β細胞保護●SU;BU,SU+TZDとの併用
●心血管イベント抑制

アログリプチン12.4~21.2時間 SU/BG/TZD/αGI
シタグリプチン9.6~11.5時間 SU/BG/ TZD/αGI/インスリン
ビルダグリプチン2~3時間 SU
リナグリプチン105時間 単独療法

インクレチン関連薬の安全性について
齧歯類にてGLP-1あるいはDPP-4阻害薬による急性膵炎の報告
海外でバイエッタ市販後調査で急性膵炎発症報告
GLP-1アナログで甲状腺C細胞由来の髄様癌増殖を促進する可能性

どのような症例にGLP-1アナログを考えるか
食欲・体重抑制が病態抑制のkeyと考えられる
インスリン分泌が維持されているメタボリック症候群、脂質異常症、高血圧合併症、
心筋梗塞家族歴(+)、頸動脈肥厚傾向に。
→心血管抑制につながる可能性

SGLT-2阻害薬

SGLT-2阻害薬は、腎臓でのグルコースの再吸収を抑制し、尿中へのグルコースの排泄を促進して血糖値を低下させる薬剤です。
糸球体で濾過された原尿には血漿と同じ濃度のブドウ糖が含まれています。それをNaと共に再吸収するのがSGLT(sodium glucose transporter)です。健常者では一部はSGLT-1を介して、大部分はSGLT-2によって完全に再吸収されますが血糖値が170前後を超えると再吸収能力をオーバーしてしまい尿糖が陽性になってきます。この再吸収を阻害することで血糖値を下げようとするのがSGLT-2阻害薬です。メトフォルミンとの併用で血糖値や体重を抑制したり、メトフォルミンとほぼ同等の血糖降下作用を有することがわかっています。既存の経口血糖治療薬との併用も可能ですが、単剤で低血糖の危険が少なく肥満を来さないのが特徴です。
最も大きな利点は当毒性を解除することによって最終的にはβ細胞を保護する可能性が
あります。血圧を低下させたり、体重を減少させる作用(Naの再吸収も阻害され脱水傾向になるため)もありインスリン抵抗性の改善につながってきます。
当毒性を解除して間接的にインスリン分泌を改善したり血圧を下げ体重を減らす効果も
あります。

インスリン製剤のいろいろ

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インスリン製剤の特徴   
超速効型
アピドラ注ソロスター  作用発現 約15分  持続時間約3~5時間
000000000000000000食直前投与で食後高血糖を抑制
ノボラピッド注300フレックスペン インスリン アスパルト 
000000000作用発現までの時間が短い。そして作用消失までの時間も短い。

速効型
ノボリンR注フレックスペン  作用発現約30分  持続時間約8時間
0000000000000000生合成ヒト中性インスリン注射液 
ヒューマリンR注U-100   作用発現約30~60分 持続時間約5~7時間
000000000ヒトインスリン注射液、生理的追加分泌に比べ作用発現が遅いので、
000000000000000000000食事の30分前に投与する。

中間型(NPH製剤)        
ヒューマログミックス50注キット、作用発現15分  持続時間18~24時間
00000000インスリンリスプロ(インスリンアナログ遺伝子組み換え)
00000000超速効型:中間型=50:50 

<1>ヒューマログミックス50の1日1回療法
Pre Mixed supported Oral Therapy(MOT療法)
SU薬は中止せずに朝食前にヒューマログミックス50を0.2単位/kgから開始し、朝食後もしくは昼食後血糖が200mg/dl以下になるように投与量を調節した。
朝後、昼後、夕後の高血糖が朝にヒューマログミックス50を打つことによって抑えられてくるのでヒューマログミックス50の1日1回療法もかなり有用である。

<2>ヒューマログミックス50は1日4~20単位を1日2回、朝食前と夕食前に皮下注射する。ときに投与回数を増減することが出来る。

<3>ヒューマログミックス50の1日3回法のターゲットは眠前血糖が低ければ低いほど6ケ月後のHbA1cがよくなる。
朝:昼:夕=1:1:1で始める。体重に合わせて少量から始める。
ヒューマログミックス50は眠前の血糖が110~120でも 夜間の低血糖が起こりにくい。
昼のインスリン量を減らすことができる。

朝      昼       夕
5   :  2~3 :    5 位に昼を少なくできる。
10000000000.6~0.700000000001
うまく行くと昼2~3をなくして1日2回打ちにできるかもしれない。

最初の糖毒性解除には 13:7:10単位から入るのも一法で
外来導入には6:5:6単位から入るのが効果的である。

ミックス50の1日1または2回打ちは
basal-Bolusよりは精神的負担が少なく、間違いが少なく、経済効果が高い。

ノボリンN注フレックスペン   作用発現約15分  持続時間約24時間
NPH製剤生合成ヒトイソフェン インスリン水性懸濁注射液 

持効型 
ランタス注ソロスター  インスリングラルギン(遺伝子組み換え)
作用発現 約1~2時間  持続時間約24時間
作用のピークがなく、24時間にわたり安定した血中濃度を示す。     
ランタスの最大量は体重の1/2程度が目安
ラランタスは毎食前血糖を110を目標に調節する。
そして、SUにより食後血糖180を目処に経口薬を調整する。

混合型(超速攻型+中間型) 
ノボラピッド30ミックス注フレックスペン
超速効型インスリンアナログ(インスリン アスパルト)と中間型インスリンアナログを3:7の割合で含む混合製剤、通常、成人は初期に1回主成分として4~20単位を1日2回
朝夕の食直前に皮下注射します。1日1回注射の場合は朝食直前に皮下注射します。

[例] ノボラピッド30ミックス導入時の初回インスリン投与量
0.2単位/kg/日(または10~14/日)分割比 朝2:夕1
体重60kg  0.2x60=12  朝食前8単位 夕食時4単位

ノボラピッド®50ミックス注 フレックスペン®
インスリンの追加分泌* に相当する超速効型の成分と基礎分泌*に相当する中間型の成分を5:5の配合比率で含有する製品です。
通常、成人では、初期は1回4~20単位を1日2回、朝食直前と夕食直前に皮下注射する。
朝  昼  夕の3回打ちの場合
1 : 0.6 : 1

ノボラピッド®70ミックス注 フレックスペン
超速効型の成分と中間型の成分を7:3の配合比率で含有する日本で
初めての製品となります。通常、成人では、初期は1回2~20単位を
1日3回毎食直前に皮下注射する。
朝   昼    夕           眠前
1:0000.2~0.3:0000.8000 +メトホルミン500mg

混合型(速効型+中間型)
ノボリン30R注フレックスペン  速効型:中間型=30:70  
作用発現約30分  持続時間約24時間

ノボリン50R注フレックスペン  速効型:中間型=50:50 
作用発現約30分  持続時間約24時間

様々な指標を理解し使いこなす

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  • インスリン正常値は空腹で5〜10μU/mL
    食後高血糖が数年続いた後に基礎分泌のインスリンが低下してきて早朝空腹時血糖値が上昇してきます。
    空腹時IRI>15μU/mlはインスリン抵抗性の存在を示し、インスリン抵抗性評価のための指標である。
  • HOMA-R  1.6以下が正常で、2.5以上が抵抗性あり
    数値が大きいほどインスリン抵抗性が強い。
    FBS90~177で良好な相関があり空腹時IRIに依存している。肥満者での相関は良好。
  • インスリン分泌能の指標HOMA-β (正常値40~60)
    (HOMA-βはインスリン使用中の患者では使えない)
    30%以下:軽度インスリン分泌低下
    15%以下:明らかなインスリン分泌低下
    数値が小さいほどインスリン分泌が低下している。
  • ④SUITはインスリン分泌能の指標で、治療の必要性の判断ができます
    SUIT indexは、&deco(red){約50で内服薬治療が可能、SUI指数<30%はインスリン治療が必要と
    されています。
  • インスリン分泌指数(Insulinogenic index)
    インスリン追加分泌のうち初期追加分泌能はインスリン分泌指数で見ます。
    Insulin inogenic index(⊿IRI/⊿BS)
    =(負荷後30分IRI値-負荷後IRI値)/ (負荷後30分血糖値-負荷前血糖値)
    75gGTTを行うとインスリン分泌の初期反応の指標であるインスリン分泌
    指数が得られます。0.4以上は初期追加分泌能維持。2型では0.3以下が多い。
    境界型でinsulin low responderでは0.4以下となり、将来2型発症の危険性高い。
    耐糖能異常例が糖尿病に進展しやすいか評価する指標です。
  • ⑥肥満(内蔵脂肪蓄積を含む)の有無を見て、MBI≧25  腹囲:男性≧85cm 女性≧90cmの場合はインスリン抵抗性を疑う。
  • 空腹時CPR>1.0ng/mlは内因性分泌能がある。
    食後2時間CPR>2.0は経口剤  CPR<1.9はインスリン治療
    尿CPR>20μg/dayあれば内因性インスリン分泌能はあるので経口薬の適応である。
    尿中CPRは抗インスリン抗体があってインスリン測定が困難な場合に有用。
    CPRの半減期は11分   
    一日尿中CPR排泄量35~50μg/dayで20μg/dayを下回っている場合はインスリン治療が必要である。
    空腹時血中CPR 1.5~3.0ngで あるが 0.5ng以下であればインスリンが必要。
    CPRは腎臓で代謝を受けずに排泄される。24時間蓄尿して3日間連続測定

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参考

AngIIは血圧だけでなく糸球体の血行動態、尿細管輸送、蛋白尿、尿細管でのアルブミンとHDLの再吸収などにも関与し、酸化ストレスの増強やNO産生の抑制などを引き起こす。
さらに、AngIIは細胞内情報伝達系を活性化させインスリン抵抗性を引き起こす。
RA系抑制薬としてACE阻害薬とARBが用いられている。
しかし、ACE阻害剤はAngII産生低下させるがPRAレニンは上昇してしまう。
0000000ARBは、AngIIもPRAも両者が上昇する。
DRI(レニン阻害薬)としてアリスキレン(ラジレス)はヒトレニンに対して特異性が高く、血中半減期(約40時間)が長い、腎糸球体と腎細動脈に高濃度に分布し、プロレニン受容体の発現を減少させる。
AVOID試験でラジレスはeGFRの減少を抑制した。

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