発熱性好中球減少症

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発熱性好中球減少症(febrile neutropenia ; FN)

顆粒球減少症は通常、好中球減少症と同義語として用いられており、末梢血中の全白血球数に分葉核好中球と桿状球の比率を乗じた好中球絶対数の減少状態である。(顆粒球=好中球+好酸球+好塩基球)

血液腫瘍に対する化学療法などは極めて強力で、時に致命的な感染症を引き起こす重症の好中球減少症を伴うことがある。
多くの抗癌剤による骨髄毒性の一つとして好中球減少が生じる。好中球減少患者で発熱が生じた場合には、重篤な細菌感染症を併発している可能性が高く、危険な副作用であり、emergency と考えなければならない。

発熱性好中球減少症は、好中球が 100/µL 未満の症例はほぼ 100%発熱し、うち 10-20%では菌血症が見られるとされている。
日本のガイドラインでは、発熱に関しては1回の腋窩温が37.5℃以上と定義され、
好中球数に関しては500/μL未満であること、または1000/μL未満で近日中に500/μL.未満に減少する可能性があることと定義され、薬剤熱,腫瘍熱,膠原病,アレルギーなどの発熱の原因が除外できる場合とされています。

発熱性好中球減少症の原因の大半は何らかの感染症であるといわれていますが、
4つの特徴が挙げられます。
①症状や所見が表面に現れにくいこと。例えば膿尿のない腎盂腎炎が認められることがあります。
②発生すると進行が早い場合があること、
③通常見られない部位に感染症がおこること、
④アスペルギルス属などのまれな微生物による感染症がおこること、といった特徴があります。
好中球は細菌をはじめとする異物が体内に侵入したとき第 1 戦の防御機構として働き、
好中球数が 1,000µLをきると発熱する頻度が増し,500µL以下ではさらに増加,100µL以下では発熱,感染症は必発である。
本病態は多くの場合起因菌を含め原因が不明であるが,時に重篤な細菌感染に発展し
致死的となることがある一方で,広域の抗菌薬の投与により改善することが知られている。

この病態群は基礎疾患の相違により、それぞれの病態生理は異なってくるが顆粒球減少に起因する易感染性が共通する病態である。
重症好中球減少症の患者においても、細菌感染症の徴候は基礎疾患によりまちまちである。
自己免疫が関与した慢性好中球減少症では、長年に渡り好中球数200/μLあるいは
それ未満であっても重症感染症の既往歴はないことが多い。
これは、これらの患者の骨髄造血能が正常であり、多くの慢性好中球減少症の患者では
単球数が増加しており、感染防御の役割を担っているためである。また症状出現の頻度と期間は重要であり、歯根膜炎、歯膿瘍、歯の喪失は慢性で、再燃性の好中球減少症の重要な所見である。

好中球減少が遷延する患者では、白血球数と分画を週2~3回、6~8週間測定し、周期性の有無を評価し、クームス試験、血清γ-グロブリン値、T細胞検査(CD4, CD8)、HIV抗体価、抗好中球抗体、膠原病のチェック、血算,生化学検査,CRP,必要な画像検査の他に,培養,β-D-glucan,galactomannan などの真菌の血清学的検査を実施する。

発熱性好中球減少症における感染症の原因

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FNの起因菌
起因菌が同定された感染症と起因菌は不明であるが感染巣が同定された感染症がそれぞれ全体の4分の1程度であり、発熱や炎症反応は認めるものの起因菌や感染巣が同定されない不明熱が約半数を占めている。

頻度の高い病原体
グラム陽性菌00staphylococcus aureus(MRSAを含む)
00000000000000Enterococcus spp.
00000000000000Coagulase negative Stsphylococcus(CNS)
00000000000000Viridans strptococci

グラム陰性菌00E.coli
00000000000000Klebsiella pneumonia
00000000000000Pseudomonas aeruginosa

真菌000000000Candida albicans
0000000000000Non-albicans Candida
0000000000000Aspergillus spp.
ウイルス00000HSV , VZV
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起因微生物については、発熱性好中球減少症の際に必ず想定すべきものとして緑膿菌、大腸菌、クレブシエラ属などのグラム陰性桿菌があります。最近では大腸菌や
クレブシエラ属において、基質特異性拡張型βラクタマーゼいわゆるESBLを産生する
株が増加していることに注意が必要です。ESBL産生株に有効なβラクタム系抗菌薬は
カルバペネム系しかないためです。ニューキノロン系やアミノグリコシド系の投与が
効果的なこともあります。
菌血症の頻度の面からみると、実際にはグラム陰性桿菌よりも、MRSAを含む黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などのグラム陽性球菌群が優位となっています。
また、好中球減少症が遷延するときには、カンジダ属やアスペルギルス属などによる真菌感染症のリスクが上がります。

経験的抗菌療法は、抗癌剤によって好中球が減少し、発熱したすべての患者において使用されている。
FUO は経験的な抗菌薬使用(empiric therapy)により 60~70% が改善する。
造血器悪性疾患にみられる FN で血液から分離される菌の多くは,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌をはじめとするグラム陽性菌であり 60~70%を占める。
皮膚に常在するグラム陽性菌はカテーテル挿入部を介して,皮下トンネル感染や血流感染を起こす。
また好中球減少が長期におよぶことが予測される場合には,発熱前より予防的に経口抗菌薬を使用していることが,グラム陽性菌の検出率増加の一要因になっている。
好中球減少時の感染症の起炎菌は過去 20-30 年の間にグラム陰性菌からグラム陽性菌にシフトし、現在はコアグラーゼ陰性ブドウ球菌、レンサ球菌、腸球菌属などが多く認められている。
グラム陰性菌や真菌も起炎菌となる上に、抗菌薬の予防的投与の影響などで菌が特定できないことが多いため、致命的な起炎菌をカバーできる薬剤を用いてempiric therapyが行われる。
起因菌が分離されるのは 10% 前後の例で,残りは不明なので静注薬単剤で開始した症例ではアミノグリコシドを加え,アミノグリコシドを併用している例では β-ラクタム薬の変更を考慮し,また他のアミノグリコシドかシプロキサン静注薬への変更を考慮する。
ただ解熱がみられなくても全身状態の良い例は,初期治療薬をそのまま継続することも可能であることが2004 年のガイドラインでは付け加えられた。
抗菌薬を追加・変更した後 48 時間経過しても改善がみられないときは,抗真菌薬を追加する。

発熱性好中球減少症の所見とスコアリング

<発熱性好中球減少症>

0000好中球数

  • 500/mm3未満
  • 1000/mm3未満で500/mm3未満になることが予想される
    00000+      
    発熱
  • 38.3℃以上の発熱
  • 38℃以上の発熱が1時間以上継続

<リスクスコアリング>

①症状の程度  症状なし/軽症状   5
        中等度以上の症状  3
②血圧低下なし           5
③慢性閉塞性肺疾患         4
④固形がん/真菌感染既往なし     4
⑤脱水なし             3
⑥外来患者             3  
⑦60歳未満             2
00-----------------------------------------------------
21点以上 低リスク 
20点以下 高リスク

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初期管理

FN の初期治療としてセフェピムあるいはカルバペネムを単剤で使用するかそれらに
アミノグリコシドを併用する。72 時間後に判定し,無効な場合にはアミノグリコシドの
追加あるいは抗菌薬の変更を,有効の場合にはあと数日間同薬を継続し中止する。

FNの初期管理

(1)低リスク患者の治療
IDSAのガイドラインでは、経口薬としてはシプロフロキサシンやレボフロキサシンの
経口キノロン薬とアモキシシリン/クラブラン酸の合剤を併用するようにされている。
わが国のガイドラインでは低リスク患者でも、主治医の判断で経口抗生物質が好ましく
ないとした際は、単剤の注射用抗生物質投与が可能である。
セフタジジムかセフェピム、もしくはカルバペネムが選択される。
低リスク群に対する経口薬の有用性は,ofloxacin経口単剤、あるいは経口 ciprofloxacin と amoxicillinclavulanate 併用と、広域セフェム+アミノグリコシド薬併用との比較検討でその同等性が確認されている.

(2)高リスク患者の治療
初期治療は抗緑膿菌作用のあるβラクタム薬の単独療法が推奨される。
薬剤としてセフェピム、セフタジジム、イミペネム/シラスタチン、ピペラシリン/タゾバクタムが推奨される。4~7日間経過観察し反応しない場合は経験的抗真菌治療が推奨される。
 全身状態の悪い例、好中球減少症が長期に持続する可能性、MASCCスコアが20以下の症例では、第3もしくは第4世代セフェムまたはカルバペネム注射薬単独か、それらと
アミノグリコシド系薬剤の併用が勧められる。

・セフェピムまたはセフタジジム(施設での臨床分離株の感受性に基づいて)、
000またはカルバペネム系薬剤のいずれかを使用
・MRSA 感染症が確認された場合にはグリコペプチドを追加
・感受性特性から、その他の第 4 世代セフェム系またはピペラシリン/タゾバクタム000が使用可能な施設では、これらの薬剤が代替薬となる
・必要があれば上記薬剤にアミノグリコシド系薬剤を併用

単剤療法で用いる薬剤間では治療成績に有意差はなく、単剤療法と併用療法でも治療成績に明らかな有意差はありません。単独療法にするか併用療法にするかは、患者の重症度や既往感染症、各施設の抗菌薬と微生物の感性率の関係によって決まってくるでしょうし、併用薬もアミノグリコシド系抗菌薬だけでなくニューキノロン系抗菌薬も使える可能性があります。
ただし、予防投与として使われていないことが条件です。

発熱性好中球減少症の治療開始後の評価

治療開始3-5日後に解熱している場合には、

1)好中球が500/μL以上となり、臨床的に安定し、48時間以上発熱がない場合には抗菌薬の中止を検討します。好中球減少状態が継続しても、5日以上発熱が認められないときには中止を検討してもよいとされています。
2)原因がわかっていなければ同じ抗菌薬をさらに4日間は継続し、原因がわかればそれに合わせた抗菌薬をさらに4日間継続しますが、緑膿菌を含めた広域スペクトラムの
カバーは続けます。感受性試験の結果に基づき薬剤の継続/変更を決定し、MRSA 感染を認める場合はグリコペプチド追加します。

治療開始3-5日後にも発熱が認められる場合、
原因がまだ判明していないときには、原因検索を再度行います。
血清学的な検査や血液培養などで真菌を含めた微生物の検索を行い、CTなどでの画像評価も行います。単剤療法で治療していた場合は他の広域βラクタム系抗菌薬への変更やアミノグリコシド系抗菌薬の併用を検討します。
併用療法で治療していた場合は他の広域βラクタム系抗菌薬への変更や、アミノグリコシド系もしくはニューキノロン系抗菌薬でまだ併用していない系統の抗菌薬の追加を検討します。さらに48時間経過して改善しなければ、抗真菌薬の投与を検討します。

1)発熱が続く場合
・臨床症状は安定しているが、好中球<500/µL
000→好中球≧500/µL となった後 4~5 日で抗菌薬の投与を中止してよい
・好中球<500/µL が続く場合
000→適切な再診を行った後、数週間抗菌薬の投与を継続。その後再度診断を行い、状態が安定している場合には投与の中止を考慮
2)治療開始 3~5 日後も解熱しない場合
・血液の化学検査、血液培養などについて再診
・感染症が確認された症例または臨床症状が重症の場合などは、
G-CSF、ガンマグロブリンの投与を考慮

起炎菌不明
・臨床症状が安定している場合
000→最初の薬剤を継続投与
・臨床症状が不安定または悪化している場合

  • 初期治療が単剤療法→アミノグリコシド系薬剤を追加、または別のβ-ラクタム剤
    単独療法への変更を考慮
  • 初期治療が併用療法→β-ラクタム剤の変更を考慮
    キノロン剤を予防的投与していなければ注射用キノロン剤を追加
    →薬剤変更の 48 時間後に再診。抗菌薬投与にもかかわらず発熱が 5 日以上継続
    する場合には、抗真菌剤の投与を考慮

起炎菌確定
・感受性試験の結果に基づき薬剤の継続/変更を決定
・グラム陽性菌が分離された場合はグリコペプチドの使用を考慮
・真菌感染症が確認された場合(真菌培養陽性)
000→確認された真菌に対して抗真菌活性が期待される薬剤を追加
・真菌感染の疑い(血清診断、DNA 診断、画像診断などより)
000→アゾールを予防的投与していなければアゾール追加、またはアムホテリシン B 追加
000感受性のカンジダまたはアスペルギルスが疑われる場合はミカファンギンが代替薬となる

抗生物質開始後の管理

抗生物質投与開始後に解熱した場合
3~5日後解熱
  ↓
  ↓------------------------------------------------------------↓
起因菌不明0000000000000000000000000000000000000起因菌確定
  ↓00000000000000000000000000000000000000000000
少なくとも4日間は000000000000000000000000000抗菌薬治療の調整を考慮
治療継続   

抗真菌薬の使用
抗生物質の追加・変更を行った後、48時間後に再評価を行うが、それによっても発熱が持続し起因菌が明らかでない場合、とくにgrade 3,4の重篤な好中球減少症が1週間以上持続している場合や、免疫抑制薬使用のため長期間免疫抑制状態にある場合には真菌症の合併率が高く、画像検査、血清学的真菌検査、培養結果をもとに抗真菌薬の投与を考慮する。
抗真菌薬の予防投与が行われていない症例では、アムホテリシンBやアゾール系薬剤
(フルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール)を使用する。
アムホテリシンBを投与できない場合やすでにアゾール系薬剤を投与されている症例では、キャンディン系薬剤であるミカファンギンを選択する。
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●バンコマイシンの投与について
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の対応については、わが国のガイドラインでは発熱が持続し、MRSAの同定が検出された場合に使用するよう慎重投与を勧めているが、IDSAのガイドラインでは疑わしい場合には早期からのバンコマイシンもしくは
テイコプラニンの投与を促している。
バンコマイシンの必要な状態としては、
①中心静脈カテーテル感染が強く疑われる場合、
②β-ラクタム系抗生物質耐性の肺炎球菌もしくはMRSAを保菌している場合、
③グラム陽性球菌が血液培養で同定され、菌種と感受性の結果が判明していない場合、
④ショックや循環不全が認められる場合、
⑤重篤な粘膜障害を認める場合、
⑥ペニシリン耐性連鎖球菌感染症が疑われる場合、
⑦キノロン系抗菌薬の予防的投与がなされていた場合があげられる。

●G-CSFの投与について
日本癌治療学会によるG-CSF適正使用ガイドラインでは、「たとえば好中球100/mm3以下になるような高度の好中球減少の場合は,G-CSFの投与は妥当かもしれない」としているものの、「無熱で好中球減少をきたしている場合にG-CSFの投与を強く勧めるエビデンスは乏しい」としている。同ガイドラインでは「1コース目にFNが起こった場合で、2コース目の抗悪性腫瘍薬の減量が適切でないと判断される場合はG-CSFの使用を考慮してもよい」として、二次的予防投与について一定の条件の下では使用を容認している。

●抗ウイルス薬について
抗ウイルス薬は、ウイルス感染症が臨床的もしくは検査結果で同定された場合のみ使用
すべきである。単純・帯状疱疹ウイルスにはアシクロビルを、サイトメガロウイルスにはガンシクロビルを使用する。
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●γグロブリン製剤
γグロブリン製剤を重症例でのみ考慮すべき治療と考えられる。

好中球減少時の抗菌薬不応性発熱が 3~4 日以上持続する場合には抗真菌薬の経験的治療(empiric therapy; ET)が推奨されている。
抗菌薬不応性発熱が 3~4 日以上持続する場合に抗真菌薬の経験的治療(empiric therapy;
ET)が行われるが,実際にこのうちどの程度が真菌症かは明らかではない。
抗菌薬中止群ではたとえ起因菌が不明であっても抗菌薬の中止により重篤な敗血症
ショックが発症しており,細菌感染症の重篤化の予防になっていたことが推測できる。
抗菌薬継続群では細菌感染症が抑制されている状況下で真菌感染症が顕在化しており,ここでは約 30% が真菌の関与であることが示されている。
わが国のガイドラインでは抗菌薬不応性発熱が 72ないし 96 時間,あるいは遅くとも
1 週間持続する場合には抗真菌薬の ET を推奨している。
真菌が感染巣から分離された確定診断例は大半が手遅れで予後がきわめて不良なことがある。
アスペルギルスガラクトマンナン抗原や(1→3)―β―D―グルカン等の血清診断やPCR 法によるカンジダやアスペルギルスの遺伝子診断が開発された。
一方,真菌感染症のなかで現在最も重要な疾患である侵襲性肺アスペルギルス症
は気道感染であり,初期症状は発熱,咳,胸痛等である。
その際に画像や血清診断等は菌の培養よりは早期に検出されるが,その時点ではすでに疾病は存在していると考えるのが常識的である。
大量のステロイド薬が使用されている場合等には発熱がマスクされるため,臨床症状が明らかにならない。
抗菌薬不応性発熱におけるET の場合は解熱し,好中球が 1,000µ L 以上に回復すれ
ば数日で抗真菌薬を終了することが可能である。
一般にCRP 等の炎症反応の完全消失は解熱後数日を必要とし,β―グルカン等の血清診断も臨床経過と共に改善するが,正常化にはさらに日数を要することが多い。
ET の場合には β―グルカンが正常化しないからといって抗真菌薬を継続投与する必要はない。
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G-CSF 使用に関する ASCO ガイドライン

顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)について
日本のガイドラインでは、抗菌薬投与中にも関わらず発熱が遷延するとき、感染が認められるとき、臨床的に不安定なとき、好中球減少状態が10日間以上続く時に検討すべきとなっています。米国の2002年のガイドラインでは、初期治療での抗菌薬との併用は行わないように推奨しています。
G-CSFおよび他の造血因子は、種々の好中球減少症において広く有効性が認められている。
骨髄造血能低下に由来する慢性好中球減少症で、長期的な予防投与の有効性も認められている。
しかし、G-CSF製剤の使用は、自己免疫性好中球減少症のように感染症があっても控え、重症の場合に限られる。 

  • 1.CSF の初回予防的投与は特別な場合を除き推奨できない。
    特別な場合とは:
    化学療法により感染性の合併症がおきるリスクファクター*をもった患者には
    予防的G-CSF 投与は例外的に認められる。
    *リスクファクター:
    ① 病気自体の影響、強力な前治療の影響、広い範囲の骨盤や他の部位の放射線照射などで、すでに好中球減少が存在する場合
    ② より少ない量の化学療法で過去に発熱性好中球減少を来たしている場合
    ③ PS が悪い、高度進行癌、免疫力の低下、開放創の存在、すでに感染症が存在するなどの重度感染症のリスクが高くなると予想される場合
  • 2:CSF の 2 次予防的投与
    化学療法の dose-intensity を維持する必要性を実証した臨床データがないために、
    前のサイクル後に発熱性好中球減少や重篤なあるいは遷延性の好中球減少が発現した場合には、CSF 投与よりも化学療法の量を減量することを考えるべきである。
  • 3:CSF 治療のガイドライン
    A:発熱のない患者 CSF は原則として使用すべきでない。
    B:発熱を伴う患者 症状のない発熱**、
    好中球減少の補助的治療手段として、CSF は原則として使用すべきでない。

**
症状のない発熱の定義:
(10 日間以内の発熱、肺炎・蜂巣炎・膿瘍・副鼻腔炎・低血圧・多臓器不全・真菌感染症などの徴候がない、コントロール不良の悪性腫瘍がない)
ハイリスク発熱性好中球減少(好中球 <100/μL・コントロール不良の現病気・肺炎・低血圧・多臓器不全(sepsis syndrome)・真菌感染症など)の患者には CSF の投与を考えるべきである。

  • 4:CSF の投与量と投与経路
    G-CSF 5 μg/kg/day が推奨用量で、投与量の増量は勧められない。
    投与経路は皮下投与が好ましい。 5:CSF 投与期間
    至適投与タイミングと期間についてはいまだ検討中である。
    (JCO 18 : 3558-3585, 2000 から抜粋)

ノイトロジン等のG-CSF製剤の適応は
「通常、がん化学療法により好中球数1,000/mm3未満で発熱(原則として38℃以上)あるいは好中球数500/mm3未満が観察された時点から。また、がん化学療法により好中球数1,000/mm3未満で発熱(原則として38℃以上)あるいは好中球数500/mm3未満が観察され、引き続き同一のがん化学療法を施行する症例に対しては、次回以降のがん化学療法施行時には好中球数1,000/mm3未満が観察された時点から」となっています。

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