血栓性疾患

total:15794 today:9 yesterday:7

Opening Question
69歳女性歩行中に突然の胸痛と呼吸困難。
意識清明、37.3C、呼吸数25/分、脈拍100/分整、血圧96/58、貧血やチアノーゼなし。肺ラ音や心雑なし。
WBC12270, APTT32.7(対照28.3)、Fib479mg/dl(基準160--400) FDP27.2(基準5.0以下)Dダイマー16.8(基準0.5未満)CRP 1.4 CK121
LDH198 Cr0.5 AST30
Air room pH7.50 PaO2 48.3Torr PaCo2 31.8Torr HCO3 24.8 SaO2 82.9 ECG 洞頻脈  III/aVf/V1-3 陰性T 胸X-P 異常なし

動脈血ガス分析では低酸素血症による頻呼吸で、呼吸性アルカローシスやA-aDO2
肺胞気・動脈血酸素分圧較差の増大を伴うことが多い。既存の心・肺疾患を否定する
ことが大切である。塞栓に伴い肺血管陰影が減弱し肺野X線透過性の亢進がある。
心電図では冠動脈疾患の所見なく、右心負荷所見(肺性P)、右脚ブロックQRS波形
右軸偏位が見られる。急性肺性心所見として右室肥大、心室中隔の扁平化や奇異性運動が
特徴である。Dダイマーは殆どの場合に上昇する。

Opening Summery
肺血栓塞栓症の死亡率は約20%で多くは2時間以内に死亡する。
適切な診断・治療に至らなかった場合、約半数に塞栓症が再発し、さらにその半数が致死的な経過をたどる。急性か亜急性の呼吸困難で頻脈、頻呼吸や低酸素血症を伴う場合には、肺循環障害をまず疑う必要がある。
他疾患が否定され、静脈血栓症(VTE)危険因子(既往歴、血栓性素因、下肢不動、高齢、悪性疾患など)を伴う場合やDダイマーが0.5μg/ml以上の場合は肺血栓塞栓症(PTE)を強く疑っておく必要がある。
この時点で、禁忌がない限り酸素投与やヘパリンによる抗凝固療法を考慮し胸部造影CTか肺血流シンチグラフィーを行う。
肺血栓塞栓症(PTE)の多くは下肢深部静脈血栓(DVT)が直接原因とされ発症早期で80%以上に認められている。
胸部造影CTや肺血流シンチで診断できない場合は下肢静脈エコーでDVTを確認する。
さらに、ショックや右心機能不全、粗大血栓が見られる場合は血栓溶解療法も考慮する。
(モンテブラーゼのみが急性肺梗塞の保険適応、ウロキナーゼは静脈閉塞症の保険適応)
血中Dダイマーは、フィブリン結合物がプラスミンにより分解された二次線溶に特異的な産物で95%以上の感度高いが、炎症や手術侵襲でも上するので50%未満と特異度は低い。
Dダイマーが陰性であればVTEは否定される。
心エコーは右室肥大、壁運動低下や肺高血圧を検出できがPTEの半数には異常所見がないので確定診断には必須ではない。Wellsスコアで可能性が低い場合はDダイマーを、可能性が中等度から高い場合に画像診断を行う事を推奨されている。
Dダイマーが陰性ならPTEの可能性はほぼ否定され、陽性なら画像診断に進む。
画像診断で陰性の場合は下肢静脈エコーか肺動脈造影を行う。
治療はヘパリン(低分子ヘパリンでも可)による抗凝固療法で開始し、維持療法に関しては治療対象に応じて低分子ヘパリンかワルファリンを選択する。
DVTを合併する場合は血栓後症候群予防の観点から弾性ストッキングを使用することが推奨されている。
米国のガイドラインではPTE/DVTの両方でWells ruleによるスコア評価を行うことを推奨されている。

血栓性疾患の対処

[I]心房細動に対する抗血栓療法

心原性脳塞栓症の主な原因として知られている心房細動では、心内血流うっ滞が引き金となり、
心内局所で凝固反応が促進され、フィブリン主体の血栓(凝固血栓)が形成される。
 心房細動症例では、TAT、F1+2、D-ダイマー、FMといった凝固活性化マーカーが著増する。
アスピリンによる抗血小板療法を併用していてもワルファリンによる抗凝固療法が不十分で
あると抗血栓療法としての効果は減弱するものと考えられている。
PT-INRあるいはトロンボテストはワルファリンの副作用である出血を予防するための指標として、
一方でF1+2(プロトロンビンフラグメント1+2)は、凝固活性化状態が是正されているかどうかの
効果判定の指標と考えられている。

[II] 肺血栓症

発症原因としては、長期安静(臥床)、悪性腫瘍、整形外科領域の手術、運動制限、飛行機、心不全、震災時の車中泊、先天性・後天性の凝固異常などが挙げられる。
肺塞栓症は、DVTに合併しうる重篤な病態である。
下肢深部静脈に生じた血栓が静脈血流に乗り、右心房から右心室、肺動脈へと流れ,肺塞栓症を発症する。
診断には、下肢静脈エコー、造影CT、肺血流スキャンなどが不可欠であるが、DVTとDダイマーは陰性的中率が98.9%と高値であるためDダイマーが正常であればDVTを極めて高い可能性で否定できることになる。
DVTではDダイマーは発症翌日にピークが出現し、その後も1週間近く遷延する。
ワルファリンを中断して1ヶ月後のDダイマー値が高値であった場合はDVTを再発しやすい

Modified Well's criteria
PEの簡便診断法(4点以上なら可能性あり)
Rapid 7 feature besicle assesement
①深部静脈血栓症の症状と身体所見 (下肢浮腫・圧痛) 3.0点
②肺塞栓以外の疾患の可能性はより低い 3.0点
③心拍数>100/min   1.5点
④4週以内の手術または3日以上のimmobilization 1.5点
⑤肺塞栓または深部静脈血栓の既往  1.5点
⑥喀血      1.0点
⑦悪性腫瘍(治療中または6ヶ月以内に治療を受けている) 1.0点

簡略化した臨床評価
     肺塞栓のprobability: likely> 4.0点
                   Unlikely≦3.0 点

 肺塞栓 likely> 4.0点  Unlikely≦3.0 点
       ⇓          ⇓
    造影ヘリカルCT   D-Dimer測定
                 ⇓     ⇓
 造影ヘリカルCT ⇐ 500ng以上 500ng以下除外

参考
Pulmonary Enbolism Criteria
下肢の浮腫と深部静脈の圧痛 (3点)
他の診断が見当たらない (3点)
頻脈>100   ( 1.5点)
4週以下の固定または外科手術 ( 1.5点)
PE/DVTの既往 ( 1.5点)
喀血  (1点)
癌 (治療中、6ケ月以内に治療、緩和治療中)  (1点)

 低危険群 3.6%PE   2点以下
 中等危険群 20.5%PE 3~6点
 高度危険群 66.7%PE  6点以上

単純化クライテリア
4点以下でD-Dimer陽性なら造影CT
4点以上で造影CT陽性なら治療開始

肺塞栓症の症状として
呼吸困難73%、胸膜痛44、咳嗽34、起座呼吸28、下肢痛44、下肢腫脹41です。
胸部X-Pでは肺血管陰影の消失、楔状陰影、胸水、D-Dimer高値
ECGではSIQS, TIII波陰転化は25%に認められまする。
肺塞栓症の原因としてDVTは重要な所見です。
DVTの90%は下肢が原因です。ふくらはぎで周径を測定して3cm以上の差があると異常所見と判断します。経静脈の怒張14%も重要な所見です。

[III]肺梗塞の診断

●診断のきっかけとなるのは頻呼吸(20/分以上)と頻脈(90/分以上)である
●発熱、胸痛、失神、血圧低下なども説明できる診断がない時は肺梗塞を考える
●肺血流シンチ(感度が高いが特異度が低い)
●肺動脈造影(血流途絶、造影欠損)
●MRA(感度100%特異度95%)
●D-D ddimer 500以上
●血液ガス(低CO2血症や呼吸性アルカローシスが殆ど常に見られる)
●急死例の前兆となる小発作は一過性の呼吸困難、胸痛
●典型的な広範囲型肺梗塞は
右心負荷所見(右軸偏位、右脚ブロック、時計方向回転)と著しい低酸素血症が特徴的

致死的なPEかは右室不全を探す
拡張期 右室径>30mm
右室径>左室径
心室中隔の扁平化や奇異性運動
肺動脈血流accerlation time>90ms
三尖弁逆流から推定した肺動脈圧>40mmHg

血圧低下+右室不全 ⇒ 血栓溶解療法
血圧正常+右室不全 ⇒ 血栓を考慮
血圧正常+右室不全なし ⇒ ヘパリンのみ

肺血栓症に対する抗凝固療法の実際

[A]未分画ヘパリン
未分画ヘパリン80単位/kg急速静注後に18単位/kg/時間の速度で持続点滴するか治療初日はヘパリン5000単位を急速静注後に17500単位を2回皮下投与し翌日より朝の投与の6時間後にAPTTを測定してAPTTを正常の1.5~2.5倍程度に延長するように調整する。
引き続きワルファリンの投与の開始する。そして通常未分画ヘパリンを5~7日投与してから中止する。

ヘパリンはアンチトロンビンと結合して凝固阻害効果を示す。
肺動脈内および深部静脈内の血栓の自然溶解を促進させ右心負荷の減少および血栓の遊離再発を抑制する。

ワーファリン 効果判定は F1+2  副作用(出血)予防判定 INR (TT)
ヘパリン類  効果判定 TAT ,FDP,D-Dimer 副作用(出血)判定 APTT

未分画ヘパリンはAPTT、ワルファリンはINRが治療域に入るように調節する。

● 未分画ヘパリンの原則禁忌
出血性潰瘍、脳出血、悪性腫瘍、動静脈奇形、コントロール不能の高血圧、慢性腎不全、慢性肝不全、出産直後、大手術、外傷、深部生検の2週間以内

へパリン類とAPTT
現在、日本で使用可能なヘパリン類は、未分画ヘパリン、低分子ヘパリン、ダナパロイド、ナトリウムの3種類である。
①未分画ヘパリンついては、欧米などでは、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を正常の1.5~2.5倍程度に延長する方法が推奨されてきた。
しかし、血栓症に対しては未分画ヘパリン10,000~15,000単位、DICに対しては 5,000~10,000単位/日程度の用量であればAPTTによるモニタリングを厳重に行わなくても、出血の副作用がなく、かつ有効性を低下させずに使用可能とされている。
②低分子ヘパリン(商品名:フラグミンなど)は、保険適用はDICと血液透析であり、DICに対しては75単位/kgの使用が認可されている。
低分子ヘパリンは、未分画ヘパリンよりも出血の副作用が少ないという点では今後さらに使用頻度が増す可能性が高い。
③ダナパロイドナトリウム(商品名:オルガランなど)は、半減期が非常に長いために、24時間持続点滴で患者を拘束する必要がないという特徴がある。
保険適用はDICのみであるが、欧州では深部静脈血栓症(DVT)症例に対しても頻用されている。
腎機能障害がある症例では代謝が遅延するため、用量を減ずる必要がある。

経口可能な抗凝固薬はワーファリンのみ。

抗血小板薬は、アスピリン(バイアスピリン、バファリンなど)、 チクロピジン(パナルジン)、クロピドグレル(プラビックス)、シロスタゾール(プレタール)、ベラプロスト(プロサイリン、
ドルナー)、サルポグレラート(アンプラーグ)

注射薬では ヘパリン類:ダナパロイド(オルガラン)、低分子ヘパリン(フラグミン、クレキサンなど)、未分画ヘパリン(標準ヘパリン)、 アルガトロバン(スロンノン、ノバスタン) メシル酸
ナファモスタット(FUTなど)、メシル酸ガベキサート(FOYなど),アンチトロンビン濃縮製剤(ノイアート、ノンスロン)

[B]ワルファリンとPT-INR
ワルファリンは肝臓でのビタミンK作用を拮抗的に阻害しビタミンK欠乏状態を生じさせ 凝固活性を有しないPIVKAを増加させて抗凝固作用を発揮する。禁忌は妊婦

ワーファリンによりPT-INRが延長している際、重大な出血がなければビタミンKを、あればFFPも投与。
ビタミンKは投与後約3時間を経て効果を発揮する。

ワーファリン作用に拮抗するためにはビタミンK10mg(iv)投与するとともにFFP10単位を輸血する。
プロタミン1mgがヘパリン100単位を中和する。ヘパリン中和、硫酸プロタミン100mg/10ml重篤な出血の場合は硫酸プロタミンにより中和する。
ヘパリン1000単位を中和するのであれば、ノボ硫酸プロタミン1.0ml(硫酸プロタミンとして10mg)を静脈内投与する。

[IV]DVT,PE,Coronary synd

●線溶療法
発症7~10以内にウロキナーゼ24万単位/日を漸減しながら3~7日投与し、同時に線溶療法がおわるまでヘパリン1.5~2万単位を3~5日間投与し、終了とともにワーファリン5mgで開始しINR2~3に維持し6か月間継続する。
ワーファリン中止後D-Dが正常ならVTE再発はないと判断する。
●低容量未分画ヘパリン
8~12時間毎に未分画ヘパリン5000単位皮下注する。
⇒中和法 塩酸プロタミン
プロタミン1mgがヘパリン100単位を中和する。
プロタミン投与後15分後にAPTT/PTを測定する。
未分画ヘパリンはAPTTが治療域に入るように調節する。
未文画ヘパリンの禁忌は出血性疾患、慢性腎不全、慢性肝不全、出産直後、深部生検など

DVT,PE,Coronary syndへのヘパリンの投与法
生食や20%glucoseにヘパリン1万単位を溶解して全体で50mlに調整する。
50~54kg  3.6ml/時間 4.5時間
55~58kg  4.0ml/時間  4.5時間
6時間後にAPTTを測定して以下の増減を決める。
APTT  48秒以下  0.8ml/時間追加
00000048~ 59秒  0.4ml/時間追加
      60 ~105秒  0ml/時間
     106~146秒  0.4m/時間減量
     147秒以上 1時間点滴中止後0.8ml/時間減量

● ワーファリンによりINR延長している場合
⇒中和法 血漿(FFP10単位)輸液とVit 10~25mg
VitKは投与後3時間くらい経ってから効果が出るが重大出血であればFFPも投与する。
   INR<10 Vit K 0.5 ~2mg iv/sc
    INR>10 VitK 3mg iv/sc

手術後12時間して出血がなければヘパリン点滴を開始し経口可能になればワーファリンを再開するのが一般的

ワーファリンは肝でのVitK作用に拮抗的に阻害しVitK欠乏状態を
生じさせ凝固活性を有しないPIVKAを増加させて抗凝固作用を発揮する。

PT-INR 70才以上 1.6~2.6
     70才未満 2.0~3.0
風邪薬、通風薬、鎮痛薬はワーファリンの増強作用がある。
高齢者では夏季など食欲不振になりやすく同一量でも効果が増強することある。

静脈血栓症

静脈血栓塞栓症の危険因子強度
000弱い    肥満、エストロゲン治療、下肢静脈瘤
000中等度  高齢、長期臥床、うっ血性心不全呼吸不全、悪性疾患、IVH, 癌化学療法、 
000重症感染症
000強度 静脈血栓塞栓症の既往、先天性血栓性既往、APS下肢麻痺

静脈の血栓は,赤色血栓(フィブリンと赤血球),白色血栓(血小板とフィブリン)、混合血栓がある。
早期診断には,除外診断法としてのD-ダイマー測定によるスクリーニングや簡便で非侵襲的な下肢静脈超音波検査が有用である.
急性肺血栓塞栓症は,発症後おおむね2週間以内のものとされ臨床症状から本疾患をまず 疑うこと”が重要で,早期診断および適切な加療を行うことが必要となる.
1)抗凝固療法
静脈血栓症治療の基本は抗凝固療法である.標準的使用法は急性肺塞栓を疑った時点でヘパリン 5,000 単位を静注し,診断確定後 1,400 単位/時の持続静注を開始する.
抗凝固薬継続中は再発予防効果が指摘されている.
2)抜歯・内視鏡検査・手術への対応
抜歯や止血が容易な体表面の小手術の場合には抗凝固薬を中止しない.
出血性合併症が起った場合の対処が困難な体表の小手術,内視鏡による生検など,および大手術では,ヘパリンを併用しつつワルファリンを中止して出血性合併症を予防する.緊急手術ではビタミン K1 や凝固因子濃縮製剤などの使用を考慮する.
3)血栓溶解療法
血栓溶解薬には従来のウロキナーゼ(UK)と組織プラスミノーゲンアクチベーターt-PA)製剤があるが,出血のリスクが高い場合にはカテーテル治療を優先することもある。
薬剤の有効性と出血のリスクを十分に見極めて対処することが大事である.
急性肺血栓塞栓症でショック状態から脱し得ない例は外科的血栓除去術の適応であり,慢性肺血栓塞栓症(肺高血圧)に対する超低体温下での血栓内膜摘除術はほぼ確立された術式である.
4)妊婦の静脈血栓症・肺塞栓症
妊娠中の血栓症発症率は非妊婦の5倍以上で,肺塞栓症の妊産婦死亡率に占める割合は出産 10 万人に対し,肺血栓塞栓症(PTE)はその 27% を占め第1位である.
また,出産時のみならず妊娠中にも発症する.

Heparin-induced thrombocytopenia

HITはヘパリン投与後に血小板が活性化され血小板減少と血栓・塞栓症をきたす病態である。ヘパリン開始5~10日後に血小板減少や体外循環回路内閉塞、血栓症の合併が出現する。
出血症状はまれで血栓は動静脈血栓(DICは微小血栓)であるが動脈よりも静脈に生じやすい。

血小板がヘパリン投与前の50%以下あるいは15万/μl以下に低下する。血小板数減少に対する他の原因がない場合はHITを疑う
血小板減少があるが出血症状は認めにくく、血栓・塞栓症の合併が多い。
HITは血小板のα顆粒から放出される血小板第4因子(PF4)とヘパリンが複合体を形成し、このPF4-ヘパリン複合体に対してHIT抗体が結合して免疫複合体を形成し、血小板を活性化して消費性の血小板減少と血栓症をきたすとされている。
HIT症例の典型例(約70%)はヘパリン開始後5~14日で発症する。
他には100日胃内にヘパリンを投与されたことのある患者にヘパリンが投与されて数時間から数日で発症する急速発症型(約30%)、HIT抗体が陰性化するのに100日程度を要するため、ヘパリン投与を中止してから9~40日後に発症する遅延発症型(2~3%)がある。
血液は、凝固亢進状態のため、凝固検査に異常をきたす。DIC類似の検査所見を示すために状況と時間経過を考慮する必要がある。
低分子ヘパリン投与によるHITの合併は、未分画ヘパリンよりかなり低いが起こりうる。
HITの治療は、まず、ヘパリンの中止である。
0000急性期にはワルファリン、血小板輸注は禁忌である。ワルファリンは、必要な場合には血小板数が回復してから用いる。
0000血小板数の減少は、ヘパリン中止1~2日後から回復する。
しかし、ヘパリン中止後もヘパリン投与の原因となった病態およびHITによる血栓・塞栓症のために抗凝固療法が必要となる場合が多い。
低分子ヘパリンはHIT抗体と交叉反応を示す場合が多く、HIT発症後の治療として用いない。
ヘパリンの中止では不十分な場合、血栓リスク回避のため代替の抗凝固剤(アルガトロバン)を開始する。
アルガトロバン (ノバスタン、スロンノン)の投与により、産生されたトロンビンを処理し、HITに合併している血栓の治療と新たな血栓の発生を予防する。
HIT発症後の抗凝固療法として発賣されているものではアルガトロバン、ダナパロイドが推奨されているが、保険適応となっていない。

検査はTAT,PIC,FDP,D-Dimer,AT、HIT抗体検査 

参考(1)
肺高血圧症--肺性心--心不全--肺塞栓症
全身の血圧の正常値が約120/80mmHgであるのに対し、肺動脈の血圧は25/15mmHgしかない。
肺高血圧症になると肺動脈の血圧が異常に上昇し、やがて上昇した血圧は、太さを問わず肺動脈を損傷させ、毛細血管の壁は厚くなり、肺との間で、正常な酸素と二酸化炭素の交換ができなくなり、血液中の酸素濃度が低下し肺動脈は徐々に厚くなり狭窄し、やがては、肺動脈狭窄によって、肺を循環する血管の血圧がさらに上昇する。
肺高血圧症では、右心室から肺動脈を通して肺へ血液を送り出すのが困難になり、やがて右心室は肥厚して拡張し、肺性心になる。
右心室は拡張、肥厚化して、右心室心不全をきたす。
肺性心が起こる原因は肺高血圧症である。

一部の患者では、血液中の酸素不足を補うために骨髄が大量の赤血球を産生し、赤血球増加症を起こすことがあり、過剰な赤血球のために血液はより粘着性が高くなり、心臓にかかる負担はさらに増加するので肺性心の患者では粘度の高い血液が集まって、主に脚の静脈内に血液のかたまりをつくり、このかたまりが脚の静脈壁からはがれて肺へと運ばれるため、肺塞栓症を発症するリスクが高まる。
肺性心はかなり進行するまで、無症状であることがほとんどである。
症状は肺高血圧症と同様に、激しい運動をした際の息切れ、めまい、疲労感、胸痛です。
脚の浮腫や段階的に悪化し、息切れなど、心不全の症状がみられます。

治療は普通、原因となった肺疾患に対して行われる。
右心室不全を改善するための治療も行われる。
肺性心の患者は肺塞栓症を起こすリスクが高くなるため、抗凝固薬の長期間の服用が指示されることがあります。.

肺高血圧症の患者の一部では、結合組織性の病気、特に強皮症がみられます。
この2つの病気を発症すると、肺高血圧症の症状が現れる数年前にレイノー現象を起こすことがあります。

参考(2)
抗凝固の作用の消失について
●ワーファリンは、48時間で作用なくなる(3日間)
●パラミジン(300mg/1C)(早い)
●プレタール(3日間で消える)
●パナルジンは、心カテ10日前にやめさせる。

powered by Quick Homepage Maker 4.81
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional