血清K異常

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低K血症の原因

[I]腎性のK喪失
a.遠位尿細管到達量(distal flow)の増加(TTKG<2)
浸透圧利尿、生理食塩水の大量投与
b.Na喪失性疾患
塩類喪失腎症
利尿薬(サイアザイド、ループ利尿薬)
Bartter症候群、Gitelman症候群(PAC上昇)
c.尿細管性アシドーシス(遠位、近位)、炭酸脱水素酵素阻害薬
d.ミネラルコルチコイド過剰状態(高血圧を伴う)
0000レニン分泌亢進(PAC上昇)
   腎血管性高血圧、悪性高血圧、レニン産生腫瘍
0000コーチゾール過剰(レニン活性亢進~正常、PAC正常~低下)
   Cushing synd. 異所性ACTH産生腫瘍
0000 ミネラルコルチコイド過剰(レニン抑制)
   原発性アルトステロン症、glucocorticoid-remediable

Hyperaldostronism(PAC上昇)

   DOC過剰(PAC低下)(DOC産生腫瘍、先天性副腎酵素欠損症)
   外因性ミネラルコルチコイドの投与
   11β-hydroxysteroid dehydrogenese抑制(PAC低下)
    甘草、グリチルリチンなど(偽性アルドステロン症)
    Apparent mineralcorticoid excess(AME)I型

その他

  Liddle症候群(PAC低下)

  ミネラルコルチコイド受容体の活性変異(PAC低下、妊娠高血圧)

e.Mg低下
f.非吸収性陰イオン
 抗生剤大量投与(ペニシリン系)、嘔吐(重炭酸イオン)、
 ケトアシドーシス
g.薬剤
 アンフォテリシン、シスプラチン、ゲンタマイシン 

[II]Kの細胞内シフト
  アルカローシス、交感神経の亢進、インスリン・ブドウ糖負荷
  低K性周期性四肢麻痺、テオフィリン中毒
[III]腎外のK喪失
  発汗、下痢、嘔吐

高K血症の原因

  • [I]腎性のK貯留
    a.GFR低下(GFR<20ml/min)
    00急性腎不全、慢性腎不全
    b.食塩摂取量の低下、循環血液量の著明低下( distal Na deliveryの低下)
     極端な塩分制限、重症心不全肝硬変など
    c.アルドステロン作用低下(広義のRTA IV型)
     低レニン性低アルドステロン症(PAC低下、レニン低下)
        糖尿病、腎硬化症、間質性腎炎、消炎鎮痛薬
     1次性アルドステロン低下(PAC低下、レニン上昇)
        副腎不全 アルドステロン単独欠損、遺伝性酵素欠損(21-hydroxylase欠損など)
        薬剤 ACE阻害剤、ヘパリン、消炎鎮痛剤、シクロスポリン
     アルドステロンに対する反応低下(PAC正常または上昇)
        偽性低アルドステロン症I型(先天性鉱質コルチコイド不応症)
        尿細管障害(狭義のRTA IV型)
           SLE, 閉塞性腎症、間質性腎炎
        薬剤 メシル酸ナファモスタット
           K保持性利尿薬(スピロノラクトン、トリアムテレン)
  • [II]Kの負荷
  • [III]Kの細胞外シフト
    代謝性アシドーシス、インスリン欠乏、βブロッカー、運動、ジギタリス、高K性周期性四肢麻痺

治療

  • 軽症高K血症
    ① カリメート30g/3x/日
    ② ケイキサレート30g+お湯100mlを中腸(30~60分)を4~6時間ごとに繰り返す
    ③GI療法(グルコ-ス:インスリンが5:1の割合の場合)
      50%ブドウ糖50cc+インシュリン5単位
       ブドウ糖5g:インシュリン1単位 10ml/hr
       シリンジポンプを使用した場合低血糖の対処には容易である。
  • 緊急時高K血症
    ① グルコン酸カルシウム(カルチコール.)1A(850mg)を3~4分かけてivし
      効果なければ5分後にゆっくり追加、  効果持続時間1~2時間
    ② 10%Glucose500ml+ヒューマリンR50単位を持続点滴
      輸液ポンプを使用した場合10ml/時間、 効果持続は30分 
     低血糖も要注意です。
    ③ メイロン40mlを5分以上かけてiv  、持続時間は1~2時間

G-I療法
インスリン使用により、グルコ-スがグリコ-ゲンとして細胞内へ取り込まれるとき、3gのグリコ-ゲンに対し、1mEqのカリウムが細胞内へ移行し、血清カリウム濃度を低下させる目的で使用されます。
方法は、グルコ-ス:インスリンが1:1の割合で、これを点滴静注します。GI療法開始15分~60分で効果がでる
血清カリウム値6mEq/L以上の時行われるときが多く、K濃度が5.0~6.0mEq/lになると心電図異常(テント状T波、P波の消失、QRS幅延長)が見られ、7mEq/l以上になると致死的不整脈を起こす可能性が非常に高くなる。
GI療法開始し15分~60分で効果がでるため、血清カリウム値に注意します。また低血糖も要注意です。

  • 補正カルシウム
    補正Ca値が12mgを超えると臨床症状が出てくる。

補正Ca値=血清Ca値+(4-血清Alb値)
血清Alb(8.5 ~10.5)
      重症度分類
軽症 ~12 脱力・嘔吐・便秘・疲労感   中等  14 ~15
重症  16~

源流文献
1)佐藤武夫、大和田滋: 低カリウム血症と高カリウム血症の是正法と輸液管理.
2)「輸液実践ガイド」(Medical Practice編集委員 編) pp210-217.文光堂,2002
3)Peterson,L.N&Levi,M.: Disorder of Potassium Metabolism. Renal and Electrlyte Disorser(Schrier,R.W.eds),pp192-240,Lippincott-Raven,Philadilphia,1997

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