高尿酸血症

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高尿酸血症・痛風のガイドラインを中心に

痛風発作は7.0mg/dl以上の高尿酸血症により引き起こされます。
体液組織内で結晶化され、それが関節腔内に剥がれ落ちると白血球がこれを取り込み
激しい炎症が生じます(痛風関節炎)。

0000000000高尿酸血症
000000------------------------0 
尿酸塩沈着        合併症
痛風関節炎00000000000 腎障害  
痛風結節         高血圧
尿路結石       メタボリックシンドローム
痛風腎           など
              ↓
            心血管イベント
0
0

       キサンチンオキシダーゼ
        ↓    ↓
ヒポキサんチン→キサンチン→尿酸
       ↓       ↓
    活性酵素   尿酸塩  血管平滑筋筋細胞増殖
      ↓      ↓     ↓
          血管障害
           ↓
         心血管イベント

0
0
0000000000000000000000薬物治療
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尿酸値>7.0mg/dl    尿酸値>8.0mg/dl       尿酸値>9.0mg/dl     
痛風患者        合併症患者          痛風なし   
            高血圧/腎障害         合併症なし
0000000000000000000メタボリックシンドローム/      ↓
000000000000000000 尿路結石/虚血性心疾患/糖尿病0000000
  ↓          特に高血圧
  ↓              ↓             ↓
0000--------------------------------------------------------------------0
          血清尿酸値6.0mg/dl以下が推奨 
000000000000000000痛風の治療目標値=尿酸値6.0mg/dl
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高尿酸血症はCKDにおける腎障害進展リスクであり、高尿酸血症を治療することにより腎障害を抑制でき、血圧の低下にも寄与すると考えられるようになってきた。日本人のコホート研究(井関等)
から血清尿酸値と血清クリアチニンの上昇は有意に関連しており、女性においては高尿酸血症は末期腎不全進展への危険因子である。eGFR>60ml/minの高尿酸血症をアロプリノール投与で是正する治療効果を前向きに検討したところ、3ケ月後には、有意な血清Crの低下、GFRの上昇、血圧の低下が見られた。アロプリノールの活性代謝産物は主に尿中に排泄される。腎機能低下例では副作用の頻度が高くなる。フェブキソスタットは肝で代謝され尿や糞に排泄され、(軽~中腎機能低下でも減量不要)尿酸生成を抑制し血清尿酸値1mg/dlの低下はeGFR1ml/minの改善に相当する。

高尿酸血症・痛風のリスク
高尿酸血症は尿酸塩沈着症(痛風関節炎、腎障害)の病因であり血清尿酸値が7.0を超えるものと定義し、性別・年齢を問わない。
男女ともに尿酸値が7.0以下であっても尿酸値の上昇とともに生活習慣病のリスクが高くなり、痛風関節炎の発症リスクもより高まる。

痛風関節炎・痛風結節
高尿酸血症の頻度は、30台、40歳台が最も多く、女性では閉経後に尿酸値が上昇する。
高尿酸血症の期間が長く、また、高度であるほど痛風結節はできやすい。
アルコール摂取量は痛風発作リスクを用量依存的に上昇させ、ビールはプリン体を多く含むばかりでなく高エネルギー飲料であるため肥満を助長する。
(最低限の目安は、日本酒1合、ビール500ml、ウイスキー60ml程度である)肉類・砂糖入りドリンク・果糖の摂取量が多い集団、BMIの高い集団は痛風発症を増加させ、逆に、乳製品摂取量が多い、コーヒー摂取量が多い、ランニング距離が長い、適度な運動を日常的に行う集団は痛風発症を低下させる。

腎障害と尿路結石
高尿酸血症は腎不全の危険因子である。
尿酸結石の危険因子は①尿量低下②高尿酸尿③酸性尿・高尿酸尿を有すると尿酸結石の頻度が増加する。

メタボリック症候群との関連
血清尿酸値の上昇に伴ってメタボの頻度が増加し、高インスリン血症は、血清尿酸を上昇させる。
高尿酸血症は高血圧発症の独立した予測危険因子と捉えることが可能である。
血清尿酸値はプリン体、大豆摂取や飲酒の後に上昇し、動物性タンパクの摂取後はわずか低下する。
健常者の無生体内には約1200mgの尿酸プールが存在する。尿酸産生量は700mg/dayでこのうち約500mgが尿中に排泄され、約200mgが、汗、消化液などに排泄される。
尿酸排泄低下型約60%,混合型約25%、産生過剰型12%であり正常型約3%であった。

痛風の診断

痛風は、高尿酸血症が持続した結果として関節内に析出した尿酸塩が起こす結晶誘発性関節炎であり、第1MTP関節または足関節周囲に発赤、腫脹を伴う急性関節炎が出現した場合に診断しうる。
注意点
①発作中の血清尿酸値は低値を示すことがある。
②関節液から尿酸塩結晶の有無を同定する
③痛風結節は診断価値があるが頻度は低い。

痛風関節炎・痛風結節の治療

痛風発作の前兆期にはコルヒチン(0.5mg)を用い発作を頓挫させる。
痛風発作が頻発する場合はコルヒチン1錠/dayを連日服用させる「コルヒチン・カバー」が有効である。
痛風発作の極期にはNSAIDパルス療法を行い沈静化させる。
NSAIDやNSAID無効の時はステロイドを投与する。
痛風発作時に血清尿酸値を変動させると発作の増悪を認めることが多いため
発作中は尿酸降下薬は開始しない。
痛風結節は尿酸値6.0未満にすることで結節の縮小・消失が認められ再発を防止できる。
発作中はできるだけ安静に保ち患部を冷却し禁酒する。
尿路結石の既往や尿路結石を保有している人にはアロプリノール(尿酸生成薬はアロプリのみ)を使用して尿中の尿酸排泄を抑制する必要がある。
尿酸排泄促進薬を使う場合は尿アルカリ化剤を併用する。
アスピリンは少量投与で尿酸値を軽度上昇させ大量投与で低下させるので発作中は
アスピリンは避けるべきである。痛風関節炎が軽快すればNSAIDは中止する。無症候性高尿酸血症のうち、尿酸値が8.0特に9.0を超えると痛風関節炎の発症率が有意に高い。
痛風関節炎をきたしていない無症候性高尿酸血症は心血管のリスク(高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボ)などの合併症を有する場合は尿酸値8.0以上が薬物治療を考慮する基準である。
ベンズマロンとブコロームはワルファリンの血中濃度を増加させるため併用時は注意する。
腎機能障害が中等度(GFR30以下、血清Cr2.0以上)の時はアロプリノールを選択する。
高尿酸血症の薬物療法は尿酸値を3~6ケ月かけて徐々に低下させ6以下にしその後は6以下に安定する量を続けるる
尿酸下降薬は痛風関節寛解後約2週間から少量で開始する。ベンズマロンは12.5mgからアロプリノールは50mgでの開始が望ましい。
治療目標値は溶解限界と考えられる6.4よりも低い6.0以下とし3~6ケ月かけて低下させる。
尿酸排泄薬投与時はクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物3~6g/day3~4回に分服)投与しpH6~7に保ち尿酸結石の出現を防ぐ。血液透析維持患者におけるせべラマー塩酸塩による高リン血症治療は高尿酸血症対策にもつながる。

源流文献
日本痛風・核酸代謝学会 ;高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版 2010
Siu YP,et al. Am J kidney Dis,2005;47:51-9
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版)、メディカルビュー社2010

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